比較ページが量産スパムと見なされるかどうかの境目は、ページの数や作り方ではなく、1枚ごとに読者が判断できる材料があるかどうかです。そのために、比べる基準を先に決めて公開し、値ごとに公式の出典と確認日を付け、分からないことは分からないと書きます。4項目を揃えたうえで、その比較を見た読者が何を選べるようになるかを確かめます。形式が揃っていても、誰も迷っていない比較は要りません。
Googleのスパムポリシーは、何を問題にしているか
比較ページに関係するのは、Googleのスパムに関するポリシーのうち2つです。
大量生成されたコンテンツの不正使用
大量生成されたコンテンツの不正使用は、ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することです。Googleが例に挙げているものから、比較サイトに関係が深いものを引きます。
フィード、検索結果、その他のコンテンツをスクレイピングして、ユーザーにとってほとんど価値がない大量のページを生成すること
複数のウェブページからのコンテンツを、価値を加えることなくつなぎ合わせたり組み合わせたりすること
ほかに、生成AIなどで価値を付け加えずに大量のページを作ること、検索キーワードは入っているが読む人にはほとんど意味のないページを大量に作ることも挙げられています。
読み方のポイントは、「AIを使ったか」「型を使ったか」ではなく、価値を加えているかどうかが問われている点です。公式サイトの情報を集めて1つの表に並べるだけなら、まさに「つなぎ合わせ」です。同じ基準で揃え直し、読者が選べる形にして初めて、価値を加えたと言えます。
内容の薄いアフィリエイト ページ
内容の薄いアフィリエイト ページは、販売元の商品説明をそのまま写し、独自の中身を足していないアフィリエイトのページです。同じ節で、Googleはこうも書いています。
アフィリエイト プログラムに参加しているサイトが、すべて内容の薄いアフィリエイト サイトというわけではありません。
アフィリエイトの有無は境目ではありません。販売元の文章を写すのではなく、自分で比べた結果を出しているかが境目です。
境目を表にすると
この記事で提案する見分け方です。Googleの公式の判定表ではなく、ポリシーを読んで私たちが整理したものです。
| 量産に近い比較ページ |
判断の材料がある比較ページ |
| 公式サイトの説明文を写している |
同じ項目に揃え直して並べている |
| 何で順位を付けたかが書いていない |
比べた基準を表の前に書いている |
| 値の出どころが分からない |
値ごとに公式の出典がある |
| いつの情報か分からない |
確認日が書いてある |
| 空欄を推測で埋めている |
「非公表」「確認できず」と書いている |
| どのページも文章が同じで名前だけ違う |
その対象にしか書けない注意点がある |
比較ページを作る4つの手順
1. 比べる基準を先に決めて、表の前に書く
比較ページで最初にやるのは、表を作ることではなく、何で比べるかを決めることです。基準は、読者が選ぶときに実際に確かめる項目にします。そして決めた基準を、表の前に短く書きます。
順位を付けるなら、何の軸での順位かを必ず書きます。根拠の無い「総合おすすめ順」は作りません。宣言できる軸は、明示された価格、公開されている件数、処理にかかる日数、五十音順のような、誰が数えても同じになるものだけです。
Googleは有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成で、誰が・どのように・なぜ作ったかを読者に分かるようにすることを勧めています。比べた基準と手順を書くことは、この「どのように」に当たります。レビューについての質の高いレビューを書くでも、定量的な測定結果や、特定の用途に何が合うかの説明が求められています。
2. 値ごとに、公式の出典を付ける
表の値は、比べる対象の公式情報から取ります。公式サイト、公式の資料、公的機関の公表データです。まとめサイトや他の比較サイトから値を写すと、相手の間違いをそのまま引き継ぎます。
出典は、ページの下にまとめて1行で書くより、項目や対象ごとに付けるほうが確かめやすくなります。読者が気になった1つの値を、その場で確かめられるからです。
3. 確認日を書き、更新する仕組みを決める
比較ページの値は古くなります。料金も仕様も取扱いも変わります。だから値には「いつ確認したか」を付け、どの頻度で見直すかを最初に決めます。
型で作るデータベース型のサイトなら、確認日もデータの1項目として持ちます。古い順に並べ替えれば、見直す対象がすぐ分かります。
4. 分からないことは、分からないと書く
公式に公表されていない項目は「非公表」、探しても見つからなかった項目は「確認できず」と書きます。推測で埋めません。
これは誠実さの話であると同時に、読者の判断材料でもあります。「この項目は公表されていない」こと自体が、選ぶときの情報になるからです。
比較ページに必ず書くもの
- 比べた基準(表の前に)
- 値ごとの公式の出典
- 確認日
- 公表されていない項目の扱い
名前で検索されると、本家が上に来る
私たちは自社で23のメディアを運営しており、その中には資格や医療人材の転職の比較サイトがあります。2026年6〜8月にドメインを取得した4サイトを、2026年8月22日に計測しました(Search Console)。狙った語の上位1〜5位はすべて事業者本体のサイトで、比較やアフィリエイトのサイトは6位以降でした。
名前で検索されれば、本家が上に来ます。比較ページが本家に勝てる余地があるとすれば、本家が書かないこと、つまり複数の選択肢を同じ基準で並べた結果です。4サイトの記録は立ち上げ間もない4サイトの事例に、一覧ページの数字の読み方は一覧・絞り込みページを増やしても検索に出ない理由にまとめました。
製造業の比較ページは、競合ではなく選択肢を比べる
メーカーが自社サイトで比較ページを作るなら、比べるのは競合他社ではありません。読者が選ぶ選択肢です。
加工方法を比べる
たとえば試作部品の相談を受ける会社なら、「射出成形・切削・3Dプリントのどれで作るか」の比較が作れます。基準は、設計者が実際に迷う項目にします。
| 比べる基準 |
確かめること |
| 数量 |
何個作るか。試作の数個か、量産か |
| 初期費用 |
金型や治具が要るか |
| 形状 |
肉厚、アンダーカット、細かい形状に対応できるか |
| 材料 |
量産と同じ材料で試作したいか |
値の部分は、自社で実際に受けた案件の経験から書きます。「この数量を超えると金型を作るほうが安くなることが多い」のような判断は、他社の比較サイトには書けない中身です。
材料を比べるときは、試験条件を揃える
材料の比較では、材料メーカーが公表している物性表が公式の出典になります。ここで注意するのが「同じ基準」です。物性値は、試験の規格や条件が違えば同じ列に並べられません。測り方の違う数字を1つの表に並べると、正しい値どうしでも、間違った比較になります。条件が揃わない値は別の列に分けるか、注記を付けます。
自社と競合を並べて点数を付ける比較は勧めません。他社の仕様変更に気づけず、古い情報が残ります。事業会社が競合を順位付けしても、読者からは公平に見えにくいという問題もあります。
型で作るときに、もう1つ決めておくこと
データベース型で比較ページを作ると、1つの型から多数のページができます。このとき、どのページにも同じ説明文が入り、名前と数字だけが違うページになりがちです。
型の中に「その対象にしか書けない欄」を最初から作っておくことを提案します。製造業の材料ページなら「この材料で起きやすい成形不良」「自社で成形した用途」の欄です。この欄が書けない対象は、ページにせず一覧の1行にとどめます。全部をページにしないことが、量産にしないための一番簡単な線引きです。
記事型との組み合わせ方は比較サイト(データベース型サイト)のSEOとはに、困りごとから入る技術相談サイトの型は製造業の技術相談サイトの型にあります。比較・データベース型サイト全体の考え方は比較サイト・データベース型サイトのSEOにまとめました。