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COLUMN 263 / 比較サイト・データベース型

使っている統計が変わったとき:調査の廃止・名称変更・基準改定への対応

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • 消費者物価指数は2026年7月分から2025年基準。2026年6月⁠の前年同月比は1.7%⁠が1.6%⁠に
  • 工業統計調査は2022年から経済構造実態調査の一部。2026年⁠は経済構造実態調査が無い
  • 差し替えは公式の説明どおりに。比べられない年は差を書かず、注記と履歴を残す
目次

使っている統計が変わったら、まず公式の説明を読み、新しい数字と古い数字を比べてよいかを確かめます。比べてよい値が示されていればそれで差し替え、示されていなければ差を書かずに注記を付け、直したことを更新履歴に残します。

統計の変わり方には、基準の年の改定、別の調査への統合、調査の名前や対象の変更があります。前の年との比べ方は前の年との比べ方に、定義が変わった年の注記の例もまとめました。ここでは、各府省が公表している実例と、ページを直す順番に絞ります。

基準が改定された:消費者物価指数

総務省統計局の消費者物価指数は、2020年基準から2025年基準に改定されました。2025年基準の指数は、2025年⁠の平均を100とした指数です。基準改定のページ⁠と公表スケジュールで確かめた流れは次のとおりです。

日付 公表されたもの
2026年7月10日 2025年基準のウエイトなど
2026年8月7日 2025年1月分からの遡及結果と接続指数
2026年8月21日 全国の2026年7月⁠分(2025年基準)

遡及結果の説明には、基準を変えたことで数字がどれだけ動いたかが書かれています。2026年6月⁠の総合の前年同月比は、2020年基準では1.7%⁠、2025年基準では1.6%で、0.1ポイント⁠の下方改定でした。

基準改定の前に「2026年6月⁠の物価は前年同月比1.7%上昇⁠」⁠と書いたページは、改定のあとも間違いではありません。ただ、新しい基準の数字と並べると、同じ月が2つ⁠の値を持つことになります。

過去の数字は、公式の説明どおりに扱う

統計局は、扱い方を次のように示しています。

  • 2025年⁠の前年比や前年同月比などは、旧基準(2020年基準)⁠の指数で計算した値をそのまま使う
  • 接続指数は、過去の指数を2025年基準の指数と比べられるように換算したもの
  • 変化率は、接続した指数で計算し直さず、各基準で公表した値をそのまま使う

ページで長い期間の指数を並べるなら、接続指数を使い、「2025年基準の接続指数」⁠と書きます。上昇率を並べるなら、各基準で公表された値を使い、どの基準の値かを書きます。自分で指数から上昇率を計算し直すと、公表値と食い違います。

調査が統合された:工業統計調査

製造業の事業所の数や出荷額を載せてきたページでは、工業統計調査を使っていることがあります。総務省統計局の経済構造実態調査⁠のページには、2022年以降、毎年実施してきた工業統計調査を、経済構造実態調査の一部として実施していると書かれています。

同じページには、もう1つ大事なことが書かれています。経済構造実態調査は、5年ごとの経済センサス‐活動調査の実施年以外の年に行う調査で、2026年⁠は経済センサス‐活動調査の実施年のため、経済構造実態調査は実施しないとしています。

ページの数字を毎年取り直す仕組みを作っていると、2026年⁠の分は同じ調査からは取れません。翌年の取り直しで数字が見つからなくても、取り込みの失敗ではなく、調査の予定どおりです。取り直しの予定表には、調査が無い年も書いておきます。取り直しの間隔の決め方はデータの取り直し⁠にまとめました。

名前と対象が変わった:就労条件総合調査

同じ調査が、名前や調べる対象を変えながら続いていることもあります。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査の結果の概要では、年次有給休暇の取得率の推移のグラフに、次の注が付いていました。

  • 平成13年以降は、調査年の前年1年間の状況。平成11年以前は、調査年1年間の状況を「賃金労働時間制度等総合調査」としてまとめたもの
  • 平成19年以前は「本社の常用労働者が30人以上⁠の会社組織の民営企業⁠」⁠、平成20年から「常用労働者が30人以上⁠の会社組織の民営企業⁠」⁠に範囲を広げた
  • 平成27年から「常用労働者が30人以上⁠の民営法人」⁠と⁠し⁠、複合サービス事業を含めた

グラフは1本⁠の線でつながっていても、途中で調査の名前、期間の取り方、対象の範囲が変わっています。長い推移をページに載せるなら、この3つ⁠の境目を注記に書きます。調査の名前に付いた年と数字の期間のずれは年と年度の書き方⁠で扱いました。

同じ調査の調査の一覧のページには、令和6年⁠の概況の訂正のお知らせも載っていました。基準や名前が変わらなくても、公表された数字があとで直ることがあります。

ページの数字は、どの順で直す?

変わったことに気づいてから、ページを直すまでの順番です。

  1. 公式の説明を読み、新旧を比べてよいか、比べるための値(遡及値・接続指数など)⁠があるかを確かめる
  2. データの出典の列で、その統計を使っているページを洗い出す
  3. 新しい値に差し替える。1つ⁠の系列の中で、古い基準と新しい基準の値を混ぜない
  4. 比べられない年をまたぐ箇所には注記を付け、差や増減を消す
  5. 更新履歴に、いつ、何を、なぜ直したかを書く

2のために、データには最初から、統計の名前、表の名前、基準や版、取った日を列で持たせます。数字だけを持っていると、どのページが古い基準の数字かを探せません。

比べられない年の注記

注記には、次の3つ⁠を書きます。

  • いつから、何が変わったか
  • 変更の前後で比べられるか
  • 公式の説明のURL

たとえば消費者物価指数なら「2026年7月分から2025年基準。2025年1月分以降は2025年基準の遡及結果を使用。上昇率は各基準の公表値」⁠の⁠よ⁠う⁠に書けます。比べるための値が公式に出ていない統計なら、「〇年から調査の方法が変わったため、それより前の年とは比べていません」のように書き、差は出しません。

直した記録は、ページの下の更新履歴に残します。訂正と更新を分けて書く方法は更新履歴の見せ方⁠にまとめました。

私たちの数字でも、途中で定義が変わった

統計だけの話ではありません。自分たちで測っている数字も、途中で数え方が変わります。

私たちの記録(メーカー図鑑・GA4)

比較のデータベースのサイトでは、2026年10月22日までの GA4 に、手元の確認作業(localhost)⁠の閲覧が本番より多く記録されていました。localhost が11,346回⁠、本番が959回です。計測タグを本番のドメインでだけ読むように直しました。

それまでの数字は、ホスト名で本番のドメインに絞らないと読めません。直した日の前後で、そのまま比べることはできません。

出典:自社サイトの GA4

これも、基準が途中で変わった系列です。直した日より前の数字を使うときは、ホスト名で絞った数字だと書き添える必要があります。統計の基準改定と同じで、境目の日付と、前後で比べられるかどうかを残しておけば、あとで読み違えません。データのページ全体の作りはデータベース型サイトからたどれます。

仕様・出典の確認日:2026年10月26日⁠。

よくある質問

統計の基準改定とは何ですか?

指数の計算の基準になる年や、品目と重みを新しくすることです。総務省統計局の消費者物価指数は、2025年⁠の平均を100とする2025年基準に改定され、2026年7月分の全国の指数から2025年基準で公表されています。

基準が変わったら、過去の数字も直しますか?

公式の説明に従います。消費者物価指数では、2025年基準による2025年1月分以降の遡及結果と、過去の指数を2025年基準と比べられるように換算した接続指数が公表されました。ただし変化率は、各基準で公表した値をそのまま使うとされています。

工業統計調査は、もう無いのですか?

総務省統計局によると、2022年以降、工業統計調査は経済構造実態調査の一部として実施されています。経済構造実態調査は、5年ごとの経済センサス‐活動調査の実施年には行われず、2026年⁠は実施されません。

前と比べられない年は、ページにどう書きますか?

いつから何が変わったか、前後で比べられるか、公式の説明のURLを注記に書きます。比べるための値が公式に出ていなければ、差や増減は書かず、変わったことだけを書きます。

統計が変わったことに、どうやって気づきますか?

使っている統計ごとに、公表のページのお知らせとe-Statの公表予定を、取り直しのたびに確かめます。データには出典の統計名と版を列で持たせておくと、変わったときに影響するページを探せます。

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