自社サイトのLLMO対策とは、取引先が会社を選ぶときに確かめる事実を、AIが答えの根拠にできる形でページに書くことです。比較サイトやSNSの情報は自社で直せないことがありますが、自社サイトは自分の手で正確にできます。LLMOの4つの進め方のうち、ここを最初にやる理由はそれです。
何から手を付けるか
順番は、読まれる状態にする、判断材料を書く、補助の設定を入れる、です。
- AIの検索用クローラーを robots.txt で止めていないか確かめる
- 主なページが検索に登録され、抜粋を表示できる状態か確かめる
- 会社を選ぶ判断材料ごとに、事実をページに書く
- 課題別のよくある質問を、画面に見える形で置く
- 誰向けの会社かを、実態どおりの言葉で書く
- 構造化データとllms.txtを、画面の内容に合わせて入れる
1と2が欠けていると、3以降をどれだけ丁寧にやってもAIに読まれません。制作会社の初期設定やセキュリティ機能が、AI関連のクローラーをまとめて止めていることがあります。各社のクローラーの名前と止めたときの影響はAIOとLLMOの意味と、SEOとの違いに表でまとめています。
判断材料ごとに、事実を書く
取引先が発注先を選ぶとき、確かめることはおおむね決まっています。対応できる範囲、規模や実績、費用の目安、納期、対応地域、相談の進め方です。AIに「〇〇に強い会社は?」と聞いたときも、答えの中で比べられるのは同じような項目です。
製造業なら、「樹脂成形に対応」だけでは判断できません。対応材料(PP、ABS、POMなど)、成形できる寸法の範囲、試作は何個から受けるか、図面が無い相談に乗れるか。営業担当が電話で毎回答えていることが、そのまま書くべき事実です。
私たち自身の例を挙げると、このサイトには次の事実を書いています。自社で23のメディア・8,155ページを運営していること(2026年9月20日に全URLを確認)、初期費用は3万円からで見積もりは無料であること、打ち合わせから納品までメールとチャットで完結し全国に対応していること。どれも、相談する前に確かめたいことへの答えです。
書かないもの
- 確かめられない実績や、出どころの無い数字
- 「業界トップクラス」のような、比べた根拠の無い言葉
課題別のよくある質問を、画面に置く
よくある質問は、会社の都合で並べるより、取引先の困りごとごとに分けたほうが使えます。「料金は?」「納期は?」だけでなく、「試作1個でも頼める?」「他社で断られた形状でも見てもらえる?」のように、相談の手前で迷うことを1問1答にします。
ここで外せないのは、画面に見える形で書くことです。私たちは暦のメディアで、一覧ページのよくある質問を構造化データにだけ入れ、画面には出していませんでした。機械には渡しているつもりで、読む人には何も見えていない状態です。画面にも出すよう直し、一覧ページすべてに反映しました。
誰向けの会社かを、実態どおりに書く
AIも人も、書かれた言葉から「誰向けの会社か」を受け取ります。主なお客様が中小企業なのに「中小企業でも安心」と書くと、本来は大企業向けで中小企業も受ける会社のように読めます。逆に「大手の実績多数」と書けば、小さな会社からの相談は来にくくなります。
私たちは「中小企業・製造業のためのオウンドメディア構築会社」と書いています。誰に、何を、どこまでやるかを1文で言える形にしておくと、AIが答えの中で説明するときの材料にもなります。この1文は、SNSや登録しているサービスの紹介文とも揃えます。
社名で聞かれたときの答えを、会社概要に用意する
社名を知った人は、AIに「〇〇社はどんな会社?」「〇〇社の費用は?」と確かめます。このときAIが根拠にしやすいのは、社名で検索したときに上に出るページ、たいていは自社のトップページと会社概要です。
ところが中小企業の会社概要は、所在地・設立・資本金・取引銀行で終わっていることが多く、何を頼める会社なのかが書かれていません。会社概要の冒頭に、次の4つを短く足すだけでも、確認段階の答えの材料になります。
- 何の会社か(1文で)
- 主なお客様は誰か
- 対応できる範囲と、対応していないこと
- 相談の始め方と、費用の目安
対応していないことを書くのは勇気が要りますが、AIが取り違えやすいのはまさにここです。「金属加工は受けていません」「量産は月〇個から」と書いてあれば、AIもそのとおりに説明できます。書いていなければ、AIはほかのページの情報や推測で埋めるかもしれません。
構造化データとllms.txtは補助として入れる
構造化データは、社名や記事の公開日などを機械が取り違えないように書き添える注釈です。Googleは生成AI機能向けの最適化ガイドで、AI検索に構造化データは必須ではないとしています。入れるなら、画面に出している内容と同じことだけを書きます。詳しくは構造化データの役割とFAQ表示の終了で扱っています。
llms.txtは、Google検索は使っていないとGoogleが明記しています。私たちは手間がほぼ無いので置いていますが、効果は測れていません。本文の書き方そのものは、AIに引用される文章の書き方で製造業の例文を使って説明しています。
LLMO全体の中での位置づけはLLMO(AIO・AEO・GEO)の全体像にまとめています。