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セキュリティ / CATEGORY

AIセキュリティ:社内利用のルールと、AIに関わる3つ⁠のリスクの分け方

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • 考える対象は、AIに入れる情報、AIを狙う攻撃、AIを使った攻撃の3つ
  • 中小企業が先に手を付けるのは、入れてよい情報のルールと会社で使う道具の決定
  • AIが社内データを読む仕組みを作るときは、権限の範囲を別に確かめる

AIセキュリティの解説記事(8本)

セキュリティ / AIセキュリティAIセキュリティとは?守る対象を3つ⁠に分けて中小企業向けに整理するAIセキュリティとは、AIの利用に伴う情報漏えいや攻撃から会社を守る取り組みです。AIに入れる情報、AIを狙う攻撃、AIを使う攻撃の3つ⁠に分け、中小企業に関係する順と、今日確かめることを整理します。解説を読むセキュリティ / AIセキュリティプロンプトインジェクションとは?社内のAI活用で起きる被害と具体例プロンプトインジェクションとは、AIへの入力やAIが読む文書で、AIの動きを意図しない方向へ変える攻撃です。社内チャットボットやAI要約で起きる被害の形と、影響を小さくする設計を整理します。解説を読むセキュリティ / AIセキュリティシャドーAIとは?社員が勝手に使う生成AIを禁止で終わらせない方法シャドーAIとは、会社が許可や把握をしていないAIを社員が業務に使うことです。禁止だけでは無くならない前提で、使ってよい道具を会社が用意し、入れる情報を決めて、利用を確かめる進め方を説明します。解説を読むセキュリティ / AIセキュリティ社員がChatGPTに個人情報を入力してしまったら会社はどう動くか社員がChatGPTに個人情報を入力したら、削除の前に記録を取り、何を何人分入れたかと契約の種類を確かめ、報告の要否を判断します。個人データの漏えい等に当たる場合の期限は、速報が3〜5日⁠、確報が30日または60日です。解説を読むセキュリティ / AIセキュリティ生成AIで情報は本当に漏れるのか?経路を分けて社内ルールに落とす生成AIからの情報漏えいは、学習への利用、履歴や共有リンク、連携アプリの3つ⁠の経路に分けると止め方が決まります。ChatGPTを例に、公式情報をもとに経路ごとの確認点と社内ルールへの書き方を整理します。解説を読むセキュリティ / AIセキュリティChatGPTに個人情報はどこまで入れてよい?社内ルールの線引きの例ChatGPTに入れる個人情報の線引きは、情報の種類とプランの2軸で決めます。氏名、住所、健康診断の結果、マイナンバー、取引先の図面などを表で分け、個人情報保護委員会の注意喚起に沿った確認点を示します。解説を読むセキュリティ / AIセキュリティChatGPTの情報漏えいを防ぐ設定は?学習オフと法人プランの違いChatGPTの情報漏えいを防ぐ設定の基本は、個人向けなら学習オフ、会社なら法人プランへの統一です。学習オフで止まること、止まらないこと、Business と Enterprise の違い、会社で揃える手順を公式情報で整理します。解説を読むセキュリティ / AIセキュリティChatGPTの情報漏えい事例から学ぶこと 公表された内容で確かめるChatGPTの情報漏えい事例を、OpenAIの公式発表と公的機関の資料で確かめられるものに絞って整理します。原因が人か、サービス側か、委託先かを分けると、中小企業が社内で見直す点が具体的に決まります。解説を読む
目次

AIセキュリティとは、AIに入れる情報、AIそのものを狙う攻撃、AIを使った攻撃の3つ⁠に備えることです。IPAの情報セキュリティ10大脅威 2026では「AIの利用をめぐるサイバーリスク⁠」⁠が組織編の3位⁠に初めて選ばれました。

何から手を付けるか

AIを自社で開発していない会社なら、順番は次のとおりです。

  1. 社員が今どのAIを、何に使っているかを聞く
  2. 会社として使ってよい道具を決める
  3. 入れてよい情報と、入れてはいけない情報を表にする
  4. 生成された内容を確かめる責任が、使った人にあると決める
  5. AIを社内のデータやシステムにつなぐときは、別に確認する

3つ⁠のリスクを分ける

話が混ざりやすいので、最初に分けておきます。

対象 起きること 主に関わる人
AIに入れる情報 持ち出しが禁じられた情報を外部のAIへ入力する 全社員
AIを狙う攻撃 不正な指示でAIに想定外の動きをさせる AIを業務の仕組みにつなぐ担当
AIを使った攻撃 自然な文面の詐欺メール、攻撃の準備の省力化 全社員と情報システム担当

中小企業の多くでは、1行目と3行目が先に関わってきます。2行目は、社内の文書を読ませるチャットボットや、メールを要約するAIを導入する段階で考えます。

シャドーAIは、禁止だけでは減らない

シャドーAIとは、会社が許可していないAIを社員が業務に使うことです。IPAの10大脅威の解説書は、職場でAIサービスが用意されていないと、従業員が個人的に使っているものを業務に使うことがあると説明しています。問題は持ち出しが禁じられた情報の入力に加えて、個人アカウントの中身を会社が把握できないことです。

同じ解説書は、経営者層の対策として利用規定の整備、個人アカウントでの業務利用の制限、規程に違反したときの対応を挙げています。製造業なら、次のような線引きから始められます。

  • 入れてよい:公開済みのカタログ、自分で書いた一般的な文章
  • 確認してから:社内の手順書、仕入れ先の名前が入る資料
  • 入れない:取引先から預かった図面、顧客の個人情報、未公開の価格

ルールは1枚⁠で足ります。社員に聞かれて答えられることが基準です。利用状況を見える形にしたい段階になってから、CASBやDLPを検討します。

プロンプトインジェクションをどう考えるか

AIが読む文書やWebページに指示が紛れていると、AIがそれを実行してしまうことがあります。これが間接プロンプトインジェクションです。IPAの解説書は、AI側で完璧に見分ける方法は知られていないとしています。また2025年⁠に報じられた業務用AIの脆弱性の例にも触れています。

つまり、見分けることに頼らず、騙されても被害が小さい設計にします。AIに渡す権限を読むだけに絞る、メール送信やファイルの削除は人が承認する、AIの操作の記録を残す。導入前にこの3点⁠を確かめれば、かなり整理できます。

基本は変わらない

解説書のコラムは、報告された攻撃の大部分は従来型の攻撃がAIで半自動化・高速化されたものに留まり、従来の対策が有効だとしています。AIだけ特別な対策を探す前に、サイバー攻撃の基本⁠を固めます。

AIが攻撃に使われることへの備え

警察庁の令和8年上半期の報告は、AI技術の発達によって文章が自然になり、見抜きにくいフィッシングが増えていると述べています。不自然な日本語で見分ける教え方は、もう通じにくくなりました。

文面での見分けに頼らず、社員向けセキュリティ教育では「振込先の変更はメール以外で確かめる」「リンクから開かず公式サイトから入る」⁠の⁠よ⁠う⁠な手順を教えます。詳しくはメールセキュリティ⁠に書きました。

回答の誤りも、会社のリスクになる

情報の漏えいだけがリスクではありません。AIは実在しない情報を、事実のように示すことがあります。これがハルシネーションです。IPAの解説書は、2025年1月⁠に米国の裁判所で、生成AIで作った資料に実在しない判例が含まれていたと判明した例を挙げています。

見積もりの根拠、製品の仕様、法令の説明をAIに書かせたら、元の資料と照らして確かめます。誰が確かめたかを残す決まりにしておけば、社外に出す前の止めどころになります。

参照できる公的な資料

ルールを作るときの土台には、総務省が掲載しているAI事業者ガイドライン⁠があります。AIを業務の仕組みに組み込む段階では、AIセーフティ・インスティテュート⁠の評価観点ガイド(2026年7月7日⁠に第1.20版⁠)⁠も参考になります。

なお、私たちはこの領域の製品を比べて試したわけではありません。AIセキュリティ製品の違いは、メーカー図鑑で公式情報をもとに整理しています。全体の中での位置づけはセキュリティ対策の全体像⁠をご覧ください。

よくある質問

社員の生成AI利用は、禁止すればいいですか?

禁止だけでは個人の端末やアカウントでの利用が残り、会社から見えなくなります。IPAの解説書も、職場でAIサービスが用意されていないと従業員が個人で使うことがある点を指摘しています。使ってよい道具と入れてよい情報を決めるほうが管理できます。

プロンプトインジェクションとは何ですか?

AIに不正な指示を入れて、意図しない動きをさせる攻撃です。AIが参照する文書やページに指示を紛れ込ませる形は、間接プロンプトインジェクションと呼ばれます。IPAの解説書は、AI側で完璧に見分ける方法は知られていないとしています。

AIの回答をそのまま社外に出してもいいですか?

確認せずに出すのは避けます。AIは実在しない情報を生成することがあり、IPAの解説書も利用者による精査を求めています。数字、固有名詞、法令の記述は元の資料で確かめます。

いきなり契約する必要はありません。

御社のサイトを見て、「検索とAIから問い合わせを増やすなら、まず何をするべきか⁠」⁠をお伝えします。営業電話はしません。相談だけでも構いません。

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