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セキュリティ / CATEGORY

情報漏えい・内部不正:社内から漏れる経路ごとに対策を対応させる順番

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • メール、持ち出し、クラウド共有、退職者の4経路で、それぞれの対策を対応させる
  • パスワードの強化と多要素認証、退職時のアカウント停止が費用の割に効く
  • 個人データの漏えいには、一定の場合に国への報告と本人への通知の義務がある

情報漏えい・内部不正の解説記事(12本)

セキュリティ / 情報漏えい・内部不正情報漏えいとは?社内から漏れる経路ごとに中小企業の対策を整理する情報漏えいとは、社外に出してはいけない情報が外部に流出することです。社内から漏れる経路をメール、持ち出し、クラウド共有、退職者の4つ⁠に分け、経路ごとに中小企業が取る対策を対応させて示します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正パスワードマネージャーを会社で使うには?法人向けの選び方と注意点パスワードマネージャーを会社で使うなら、管理者が退職者の利用を止められ、共有の範囲を決められる法人向け契約を選びます。ブラウザ保存との違いと、法人で要る機能を絞って示します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正個人情報保護法で中小企業が守ること 総務が押さえる義務を場面別に整理個人情報保護法で中小企業が守ることを、取得、保管、第三者提供、漏えい報告の4場面に分けて整理します。会社の規模を問わず義務があること、従業員100人以下⁠に用意された手法の例、2026年改正の動きも示します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正DLPとは?情報の持ち出しを防ぐ仕組みと導入で失敗しない進め方を解説DLPとは、機密情報を見つけて監視し、不適切な共有や持ち出しを警告や遮断で防ぐ仕組みです。いきなりブロックせず、記録から警告、遮断へと段階を踏んで業務を止めずに導入する進め方を示します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正内部不正とは?社員の持ち出しを疑わずに防ぐ仕組みを作る考え方を解説内部不正とは、社員や退職者など内部の人が情報を持ち出す、漏らす、壊すなどの不正です。社員を疑う監視ではなく、やりにくい環境と記録があることを伝えて抑止する設計を、IPAの指針をもとに整理します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正社員のパスワード管理はどうする?Excelとノートをやめる社内の手順社員のパスワードは、会社で契約した管理ツールへ移し、重要なログインには多要素認証を付けます。Excelとノートは移行後に処分します。棚卸しから退職時の手順まで、中小企業向けに順番を示します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正個人情報とは?会社で扱う情報の例と保護の対象を総務向けに整理する個人情報とは、生存する個人に関する情報のうち、氏名や生年月日などで特定の個人を識別できるものや、個人識別符号を含むものです。名刺、履歴書、防犯カメラの映像を例に、総務が範囲を判断する方法を整理します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正多要素認証とは?社員に嫌がられず全社に広げる順番と手段の選び方を解説多要素認証とは、知識、所持、生体の3要素のうち2つ以上を組み合わせて本人を確かめる認証です。管理者から全社へ広げる順番、社員の反発を減らす説明、スマホを使えない現場の例外の扱いを整理します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正IDaaSとは?社員のログインをまとめる仕組みと導入が向く会社の条件IDaaSは、社員のIDと認証をクラウドで一元管理し、1回⁠のログインで複数のサービスを使えるようにする仕組みです。使うクラウドの数と入退社・異動の多さから、導入が向く会社の条件を整理します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正個人情報の流出事例から学ぶこと 公式発表で確かめた原因を分類する個人情報の流出で多い原因は、高度な攻撃より誤交付や誤送付です。個人情報保護委員会の年次報告の数字と、2026年⁠の公式発表で確かめた事例を原因別に分け、中小企業が先に直す手順を示します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正ファイル暗号化とは?社内データの守り方と法人向けの方法の違いを解説ファイル暗号化とは、データを変換して第三者に読めないようにすることです。パスワード付きファイル、ディスク暗号化、専用の製品は守る場面が違います。紛失、送信、送った後の3つ⁠の場面に分けて選び方を示します。解説を読むセキュリティ / 情報漏えい・内部不正個人情報の取り扱いについての例文 社内書類とWebに書く項目を整理個人情報の取り扱いの文面は、集める場面ごとに書く項目が違います。申込書、アンケート、採用、Webサイトの場面別に、個人情報保護法で確かめた項目と例文の形を示します。法改正の時期にも触れます。解説を読む
目次

情報漏えい対策とは、情報が社外へ出る経路を洗い出し、経路ごとに防ぐ手段と記録を用意することです。外部からの攻撃だけでなく、誤送信、紛失、持ち出しも含みます。製品の名前から入らず、経路から考えます。

何から手を付けるか

順番は、守るものを決める、入口を固める、経路を絞る、起きたときに備える、です。

  1. 守る情報を決める(顧客の個人情報、取引先の図面、価格表)
  2. パスワードの使い回しをやめ、多要素認証を付ける
  3. 入社、異動、退職のアカウントの手順を決める
  4. 4つ⁠の経路で対策の抜けを探す
  5. 記録を残し、そのことを社員に伝える
  6. 漏えいしたときの報告の流れを決める

守る情報は、3つほどに絞る

全部を同じ強さで守ろうとすると、業務が止まります。「漏れたら誰に謝るか」⁠で考えると絞りやすくなります。顧客の個人情報なら本人へ、取引先の図面なら発注元へ、未公開の価格や配合なら自社の競争力に響きます。これらの置き場所を確かめることが、経路を考える出発点です。

4つ⁠の経路と対策

漏れ方と対策を、対応させて考えます。

経路 例 最初の対策
メール 宛先の間違い、添付の間違い 確認の手順、メールの設定
持ち出し USBメモリ、個人の端末 持ち出しのルール、デバイス制御
クラウド共有 誰でも開けるリンク 共有設定の点検
退職者 残ったアカウント、持ち帰り 退職日の停止、貸与品の回収

図面を扱う製造業なら、取引先と約束した秘密保持の条件も見直します。協力会社に図面を渡すときの渡し方が決まっていないと、受け取った側の管理まで手が届きません。

アカウントは、費用の割に効く

令和7年⁠の不正アクセス行為の発生状況⁠によると、他人のIDとパスワードを悪用した不正アクセスの検挙399件⁠のうち、「パスワードの設定・管理の甘さにつけ込んで入手⁠」⁠が84件⁠で最多、「フィッシングサイトから入手」⁠が77件でした。

対策の基本は単純です。

  • 使い回しをやめ、パスワード管理ツールで長いパスワードを保管する
  • 多要素認証を、メールとクラウドの管理者から全社へ広げる
  • 共有アカウントを減らし、誰の操作かわかるようにする

多要素認証は反発が出やすいので、管理者、社外から入る人、全社員の順に広げます。例外の扱いも先に決めておきます。

内部不正を、疑わずに防ぐ

IPAの10大脅威 2026では、「内部不正による情報漏えい等」⁠が組織編の7位⁠に挙げられています。IPAの組織における内部不正防止ガイドライン⁠の第5版は、基本方針、資産管理、技術的管理、職場環境、事後対策などの10の観点で33項目⁠の対策を示しています。

ここで大事なのは、社員を疑う空気を作らないことです。「やろうと思ってもできない」「記録が残るのでごまかせない」という環境を作れば、社員も疑われずに済みます。

記録を始めるときに伝えること

  • 何を記録するのか(持ち出し、印刷、重要なファイルへのアクセスなど)
  • 誰が、どんなときに見るのか
  • 業務の監視や評価には使わないこと

製品を入れるときも、いきなり止めず、DLPの記録から始めると業務への影響を確かめられます。内部不正対策の製品は、守る情報と記録の方針が決まってから比べます。

漏えいしたら、法律上どうなるのか

個人情報保護法の第26条は、個人の権利利益を害するおそれが大きい事態が起きたとき、個人情報保護委員会への報告と本人への通知を求めています。どんな事態かは、個人情報保護委員会規則の第7条⁠が定めています。

  1. 要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等
  2. 不正に利用されて財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等
  3. 不正の目的をもって行われたおそれがある行為による個人データの漏えい等
  4. 本人の数が千人を超える漏えい等

いずれも「発生したおそれがある事態」⁠を含みます。規則の第8条は、事態を知ったあと速やかに報告し、知った日から30日以内(3の場合は60日以内)⁠に内容を報告すると定めています。委託を受けて扱っている場合は、委託元への通知によって報告に代えられる定めがあるので、契約とあわせて確かめます。

判断に迷うとき

上の説明は条文の要点です。個別の事案で報告が要るかは、個人情報保護委員会⁠の案内や弁護士などの専門家に確かめてください。迷う時間を減らすため、社内の判断者を先に決めておきます。

IPAの2024年度の実態調査では、2023年度に被害を受けた企業(975社)⁠の被害の内容で、個人情報の漏えいは35.1%でした。事故のあとの動きは監視・運用・社内体制に、全体の順番はセキュリティ対策の全体像⁠にまとめています。

よくある質問

個人情報が漏えいしたら、必ず報告が要りますか?

法律と規則で定められた場合に報告と本人への通知が要ります。要配慮個人情報、財産的被害のおそれ、不正の目的によるおそれ、本人の数が千人を超える場合のいずれかで、発生のおそれがある場合も含まれます。個別の判断は個人情報保護委員会の案内や専門家に確かめてください。

報告の期限はいつまでですか?

個人情報保護委員会規則では、事態を知ったあと速やかに報告し、知った日から30日以内⁠に内容を報告するとされています。不正の目的によるおそれがある事態は60日以内です。

社員を監視すると、職場の雰囲気が悪くなりませんか?

目的と範囲を先に社員へ伝えます。疑うための監視ではなく、できない環境と記録があることを示して抑止し、社員自身を疑いから守る仕組みとして説明します。IPAのガイドラインも職場環境を対策の観点の1つ⁠にしています。

いきなり契約する必要はありません。

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