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セキュリティ / CATEGORY

監視・運用・社内体制:専任がいない会社のCSIRTと外部の使い方

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • 専任がいなくても、判断する人、動く人、連絡する人、外部の窓口を決めれば始められる
  • 最初の成果物は、事故のときの連絡先と判断を書いた1枚の紙
  • 監視は製品から入らず、誰が警告を見るかを決めてから外部に任せる範囲を考える

監視・運用・社内体制の解説記事(4本)

セキュリティ / 監視・運用・社内体制CSIRTとは?専任がいない中小企業でも作れる最小の体制を解説するCSIRTとは、組織内の情報セキュリティ問題を扱うインシデント対応チームです。専任がいない中小企業向けに、社長・総務・情シス兼任・外部の4者で回す最小の役割分担と、最初に決めることを示します。解説を読むセキュリティ / 監視・運用・社内体制SIEMとは?ログを集めて何がわかるのかと中小企業に要るかの判断SIEMとは、機器やサービスのログを集めて関連づけ、脅威の兆候を見つける仕組みです。集めるだけでは役に立たない理由と、製品を自社で持つより外注が向く中小企業の条件を示します。解説を読むセキュリティ / 監視・運用・社内体制フォレンジック調査とは?被害の後に何を調べ、いつ誰に頼むのかを解説フォレンジック調査とは、機器やログの記録を正確に保全し、分析して事実を明らかにする調査です。何がわかり何はわからないのか、頼むべき場面と頼み先を、事故のあとの流れに沿って説明します。解説を読むセキュリティ / 監視・運用・社内体制Splunkとは?何ができるのかと中小企業に要るかを公式情報で整理Splunkとは、ログなどのデータを集めて検索、分析、監視するデータ基盤と、セキュリティ製品などの製品群です。公式情報の範囲で機能と料金の仕組みを整理し、中小企業に合う場合を示します。解説を読む
目次

セキュリティの運用とは、異常に気づき、事故のときに判断し、社内外へ連絡するまでの役割を決めておくことです。専任の担当者がいなくても、役割を決めることはできます。製品より先に、ここから始めます。

何から手を付けるか

順番は、役割を決める、1枚⁠にまとめる、記録を残す、外部を決める、練習する、です。

  1. 判断する人、動く人、連絡する人を決める
  2. 事故のときの連絡先と判断を1枚に書く
  3. 何のログを、どれだけ残すかを決める
  4. 頼れる外部の窓口を、平時のうちに決める
  5. 年1回⁠、机の上で練習する
  6. 足りなければ監視を外部に任せる

専任がいなくても、役割は分けられる

IPAの2024年度の実態調査では、約7割⁠の企業が組織的なセキュリティ体制を整えておらず、専門部署があるのは9.3%でした。調査報告書でも、緊急時の体制を実施または一部実施している企業は39.8%⁠に留まっています。

専任を雇えないのは、多くの会社で同じです。JPCERT/CCのCSIRTマテリアルは、CSIRTを「組織内の情報セキュリティ問題を専門に扱う、インシデント対応チーム⁠」⁠と説明しています。小さな会社では、これを次の4者に割り振って考えます。

役割 担当の例 事故のときにやること
判断する人 社長 止める、公表する、費用を出す
動く人 情報システムの兼任者 機器の切り離し、記録の保全
連絡する人 総務 取引先、社員、関係機関への連絡
外部の相談先 保守会社、専門業者 調査、復旧の手伝い

大事なのは、社長が不在のときの代理まで決めておくことです。深夜に工場から連絡が来たとき、誰が止める判断をするのかが書いてあれば、それだけで動きが変わります。

1枚⁠の紙に書くこと

事故のあとに調べる余裕はありません。パソコンが使えない場面も考えて、紙でも持っておきます。

連絡の1枚⁠に入れるもの

  • 社内の連絡先(代理も含む)
  • 契約している保守会社、クラウド事業者、保険会社の窓口
  • 公的な窓口のURLと連絡先
  • 主要な取引先の連絡先と、知らせる基準
  • やってはいけないこと(自己判断の削除、初期化など)

公的な窓口は3つ入れておきます。IPAの不正アクセス特別相談窓口⁠は初動の助言と専門業者の案内をしています。JPCERT/CCのインシデント対応依頼と、警察庁が案内する都道府県警察の窓口⁠もあります。

対応の流れを詳しく知りたいときは、JPCERT/CCのインシデントハンドリングマニュアル⁠が使えます。個人データが関わるときの報告は情報漏えい・内部不正⁠に書きました。

ログは、何を残すのか

全部残そうとすると費用も手間も膨らみます。事故のときに「誰が、いつ、どこから入ったか」⁠がわかる範囲から始めます。

  • VPNや社外からの接続の記録
  • クラウドやメールのログイン記録
  • 管理者アカウントの操作の記録
  • サーバーとファイアウォールの記録

保存の期間は、気づくまでの時間を考えて決めます。攻撃者は痕跡を消そうとするので、警察庁の報告が示す流れを踏まえると、機器の中だけでなく別の場所にも残しておくと安心です。

ログの保管にはログ管理の製品やクラウドの機能が使えます。集めたログを分析して警告を出すSIEMは強力ですが、見る人がいないと活きません。中小企業の多くは、製品を入れるより監視ごと任せるほうが現実的かもしれません。

監視を外部に任せる範囲

外部に頼むときは、SOCと呼ばれる監視のサービスや、端末の監視を任せるサービスなどがあります。比べるときに確かめたいのは料金より範囲です。

  • 通知するだけか、機器の切り離しまでやるのか
  • 夜間と休日も見るのか
  • 判断を求められる相手は社内の誰か
  • 事故のあとの調査は含まれるのか

セキュリティ運用の委託を探すときの手がかりとして、IPAの情報セキュリティサービス基準適合サービスリストには、セキュリティ監視・運用サービスとデジタルフォレンジックサービスの区分があります。IPAがサービスの品質を保証するものではないので、内容は個別に確かめます。

小さな会社なら、サイバーセキュリティお助け隊サービスのように監視と相談をまとめた形もあります。事故のあとの原因調査はフォレンジック調査の専門業者の領域で、平時に候補を決めておくと慌てません。

年1回⁠の机上訓練

訓練といっても、大がかりなものは要りません。「月曜の朝、受注のサーバーが開けず、脅迫文が表示された」⁠と⁠い⁠う場面を設定し、1時間ほど話し合います。誰に連絡するか、取引先にいつ伝えるか、工場は止めるのか。話してみると、連絡先が古い、代理が決まっていないといった穴が見つかります。

工場を含めた体制は工場・製造業のセキュリティに、全体の順番はセキュリティ対策の全体像⁠にまとめています。

よくある質問

CSIRTとは何ですか?

JPCERT/CCは「組織内の情報セキュリティ問題を専門に扱う、インシデント対応チーム⁠」⁠と説明しています。中小企業では専任の部署でなくても、社長、総務、情報システムの兼任者、外部の相談先で役割を決める形から始められます。

SOCとCSIRTはどう違いますか?

SOCは監視して異常に気づく役割、CSIRTは事故に対応して判断と連絡をする役割です。小さな会社では、監視を外部に任せ、判断は社内に残す分け方があります。

被害に遭ったときの相談先はどこですか?

IPAの不正アクセス特別相談窓口、JPCERT/CCのインシデント対応依頼、都道府県警察の窓口があります。平時のうちに連絡先を1枚⁠の紙に書いておきます。

いきなり契約する必要はありません。

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