DeepSeekとは、対話型AIのサービスや、公開されたAIモデルを提供する開発元の名前です。会社で使う前には、どのサービスへデータを送り、どの契約で扱われるかを確かめます。
試すなら、公開済みの会社案内など、外へ渡せる資料を選んでください。顧客の図面や未公開の見積もりを入れてから、安全な設定を探す順番にはしません。保存先と利用目的を確認して、入力の可否を会社で決めます。
ここでは公式サービスの文書と、自社環境で動かす選択を扱います。入力禁止情報や公開承認の共通ルールはAIの社内ルールにまとめています。
何を使うのかを先に分ける
公式のウェブやアプリへ入力する方法、APIで外部から呼び出す方法、公開モデルを自社で動かす方法があります。DeepSeekを使っているという一言では、入力の送信先が分かりません。
他社のサービスでDeepSeekのモデルを選ぶ使い方もあります。そのときは、そのサービスの運営者と契約、保存先を調べます。モデルの開発元の説明だけで、別の提供者による保存や共有まで確認済みにはできません。
| 使い方 |
最初に確かめる相手 |
| 公式ウェブ・アプリ |
公式サービスの提供者 |
| API連携 |
API提供者と連携の運営者 |
| 他社のAIサービス |
そのサービスの契約先 |
| 自社で実行 |
自社の構成と運用担当 |
利用申請には、サービス名、URL、アカウントの管理者、入力したい資料の種類を書きます。公開モデルを使う計画なら、モデル名と版も残してください。同じ名称でも、サービスの利用とモデルの実行では確認する責任が違います。
公式の保存先はどこ?
公式のデータ方針の英語原文を確認しました。更新日は2026年2月10日です。個人データの保存場所を説明する節には、次の記述があります。
we directly collect, process and store your Personal Data in People's Republic of China.
個人データを中華人民共和国で直接収集・処理・保存するという説明です。日本から利用していることを、日本国内で処理される根拠にしてはいけません。
この文書は入力した内容の取得や、技術の学習・改善のための利用にも触れています。保存先だけを読んで終えず、何を集め、何に使い、誰と共有するかまで確認します。
保存期間の節では、サービス提供などに必要な期間の保持と、契約・法的義務等による保持を説明しています。すべての入力が一律の日数で消える、という書き方ではありません。会話を画面から削除する操作だけで、あらゆる保持が即時に終わるとは扱わないようにします。
たとえば製品紹介文を直す仕事なら、公開ページだけで足りるかを考えます。顧客名を消しても、図面番号や独自の工程から案件が分かる資料は、公開資料と同じ扱いにできません。
準拠法は何と書かれている?
公式の利用規約も原文で確認しました。更新日は2026年3月27日です。第10.1項は、規約の成立、履行、解釈、紛争の解決について、中国本土の法を準拠法としています。
第10.2項には、紛争時に提供会社の登記上の所在地を管轄する裁判所へ提訴できる旨もあります。入力前の確認では、契約の紛争をどこで扱うかという条件まで読みます。
ここで区別したいのは、サービス規約の準拠法と、個人データに適用される法制度です。どちらも確認が必要ですが、一つの条文から会社の法的義務をすべて判断することはできません。自社の規程や取引上の約束に合うかは、管理部門へ戻します。
画面が日本語で、国内から支払いができるとしても、保存先や準拠法の確認を省く理由にはなりません。契約とデータの扱いを確認した記録を、利用許可と一緒に保管します。
日本では何が公表された?
個人情報保護委員会は、2025年2月3日に情報提供を公表しました。2025年3月5日に更新された本文で、同社のポリシーに関して次を知らせています。
- 取得した個人情報を含むデータが、中国に所在するサーバへ保存されること
- そのデータに中国の法令が適用されること
これは公表された情報提供の内容です。すべての国内企業に利用禁止を命じた、と読み替えません。現在のサービス条件については、前掲の公式ポリシーと規約も併せて読みます。
公的機関の告知があるかだけで社内承認を決めるのでもありません。自社が扱う資料と契約に照らして、どの情報を渡せるかを判断します。公開済みの一般説明と、個人情報を含む問い合わせの全文では、同じ利用申請にできません。
自社環境で動かす選択は?
オープンウェイトとは、モデルの動作に使う重みが公開されていることです。重みを入手して自社の設備で実行する使い方は、公式の会話サービスへ入力を送る使い方と区別します。
例として、R1の公式資料には、モデルの入手先と自社環境での実行案内があります。コードと重みのライセンス、派生したモデルの注意も同じ資料で確認できます。公開されていることだけで、どのモデルも同じ条件とは判断しません。
自社で動かすなら、設備の用意に加え、更新、認証、利用ログ、障害時の復旧を誰が担当するかが残ります。機器を社内に置いただけで、運用が完了したとはいえません。
外部へ送らない構成を目指すなら、次を実際の構成で確かめます。これは点検の提案で、当社がDeepSeekを導入した実績ではありません。
- 推論の処理はどの機器で実行されるか
- 外部API、ウェブ検索、監視機能へ何を送るか
- 入出力のログとバックアップをどこへ置くか
- 閲覧権限と削除、更新の担当は誰か
外部の検索や資料保管を接続すれば、その接続先も確認対象です。自社環境という呼び名より、入力から出力までのデータの流れを図にして説明できるかを見ます。
公開モデルと公式サービスは同じ契約ではない
モデルの利用許諾を読んだことを、外部の会話サービスへ機密資料を送る許可にしません。逆に、公式サービスの保存先を、そのまま自社で実行する構成の保存先とも断定しません。
記事制作ではどう試す?
製造業なら、公開済みの設備案内から、記事の見出し案を作る作業を試せます。資料にない精度、納期、対応材質は追加させず、不明なものを技術担当への質問として残します。
確認するのは、文章が自然かだけではありません。元資料に書かれた条件が保たれているか、実在しない出典が混ざっていないかを読みます。原稿を承認する手順はAI原稿の確認へ送ります。
私たちは自社メディアで、検索語と本文を機械で照合する際、連結語を取りこぼし、短く分けると語のつなぎ目を誤検出した経験があります。出典は暦メディアの作業記録です。自動処理の結果も元の本文と照合する必要がありました。
DeepSeekの精度を測った記録ではありませんが、生成した件数だけで作業完了を決めない理由になります。出力、根拠、確認した箇所、差し戻した内容を一組で残してください。
利用を決める人へ何を渡す?
サービスの入口、適用規約と確認日、保存と利用の説明、入力したい資料、社内の承認先を渡します。自社で実行する計画なら、モデルの版とライセンス、通信先、運用担当も添えます。
資料を使う目的が要約なら、全文を外へ渡す必要があるかから見直せます。公開情報だけを使う試行と、機密を含む業務への導入を、一つの許可で済ませないようにします。試す仕事の選び方は生成AIの業務活用にあります。
自社サイトの対策にAIを使う場合も、制作に使うサービスの安全管理と、公開ページがどう引用されるかは別の仕事です。データの扱いを確認できた範囲から、担当者が出力を確かめられる工程へ組み込んでください。
規約・出典の確認日:2026年10月23日。