AIO(AI検索最適化)とLLMO(大規模言語モデル最適化)とは、ChatGPTやGoogleのAI Overviewsのように、AIが答えを作るときに自社の情報を根拠として選んでもらうための取り組みを指す、業界の呼び名です。AEO(回答エンジン最適化)やGEO(生成エンジン最適化)も、ほぼ同じものを指します。どれも公的な定義はありません。
Googleは2026年に公開した生成AI機能向けの最適化ガイドで、AEOとGEOという呼び名に触れたうえで「Google検索から見れば、生成AI検索への最適化は検索体験への最適化であり、つまりSEOのままだ」と書いています。この記事では、呼び名ごとに何が違うのかと、SEOと本当に違うところだけを扱います。LLMOで会社が何をするかの全体像はLLMO(AIO・AEO・GEO)の全体像にまとめています。
4つの呼び名は、何が違うのか
違いは「何に向けた最適化か」という名前の付け方だけです。
| 呼び名 |
元の言葉 |
名前が向いている相手 |
| AIO |
AI検索最適化 |
検索の中のAI機能 |
| LLMO |
大規模言語モデル最適化 |
ChatGPTなどの中身のモデル |
| AEO |
回答エンジン最適化 |
質問に直接答える仕組み |
| GEO |
生成エンジン最適化 |
文章を生成して答える仕組み |
AIO:AI Overviewsの略と紛らわしい
AIOは、日本では「AI検索への対策」の意味で広く使われています。ところが同じ3文字が、GoogleのAI Overviews(AIによる概要)の略としても使われます。
「AIO対策をしましょう」と提案されたら、それがGoogleのAI Overviewsだけの話か、ChatGPTなども含むAI検索全般の話かを確かめてください。範囲が違えば、確かめることも変わります。前者なら、Google検索に出られるページであることが前提です。後者なら、Google以外のAIのクローラーを止めていないかも見る必要があります。
LLMO:モデルに向けた呼び名
LLMOは、ChatGPTやGeminiの中で動いている大規模言語モデルに向けた最適化という呼び名です。検索の画面に限らず、対話型のAIに質問したときの答え全般を意識した言葉として使われることが多いです。
名前だけを見ると「モデルの学習データに入ること」を目指すようにも読めます。ただ、ChatGPTの検索やGoogleのAI機能のように、答えを作るたびに検索で最新のページを取ってくる仕組みでは、学習データに入っているかより、その時点で検索の候補に上がるかのほうが直接効きます。この違いは、後のクローラーの話につながります。
AEO:「答え」を取りに行く呼び名
AEOは、質問に直接答える仕組みに向けた最適化です。検索結果のいちばん上に答えの抜粋が出る仕組みや、音声で答えるアシスタントの話でも使われてきた呼び名ですが、起源ははっきりしません。
GEO:研究から広まった呼び名
GEOは、2023年に発表された生成エンジン最適化の研究論文のタイトルにも使われた呼び名です。論文や海外の記事では、この言葉が使われることが多いです。
どれを使えばいいのか
社内や取引先との会話では、相手が使っている言葉に合わせれば十分です。大事なのは呼び名ではなく、どのAIのどの場面の話をしているかをそろえることです。このサイトでは、全体をまとめて「LLMO」と呼んでいます。
AI検索とSEOは、どこが同じか
Google検索に限れば、仕組みの土台は同じです。GoogleはAI機能に出る条件として、ページがインデックスされていて、スニペット付きで表示できることを挙げ、それ以外に追加の要件も特別な最適化も無いとしています。
最適化ガイドは、AIが答えを作るときの手順として2つを挙げています。
- 検索拡張生成(RAG):通常の検索の仕組みで関連するページを取ってきて、その中身を根拠に答えを作る
- クエリファンアウト:1つの質問を、関連する複数の検索に分けて同時に調べる
製造業なら「樹脂部品のヒケを直したい」という質問が、原因、金型側の対策、材料の選び方に分かれて調べられるイメージです。
ここで「分かれた質問ごとにページを作ればいい」と考えたくなりますが、Googleはこれを止めています。言い換えや分かれた質問ごとにページを量産し、順位やAIの答えを操作しようとするのは、大量生成コンテンツの不正利用に関するスパムポリシーに違反しうると書いています。1つのページで関連する問いまで丁寧に答えるほうが筋です。
本当に違うのは「Google以外」の部分
違いがはっきり出るのは、Google以外のAI検索です。ChatGPT、Perplexityなどは、Googleとは別に自前のクローラーでページを集めています。各社は用途ごとにクローラーを分けていて、robots.txt で止めるものを選べます。
| 会社 |
検索に使うクローラー |
学習に使うクローラー |
利用者の依頼で読みに来るもの |
| OpenAI |
OAI-SearchBot |
GPTBot |
ChatGPT-User |
| Perplexity |
PerplexityBot |
(学習には使わないと説明) |
Perplexity-User |
| Anthropic |
検索用を別に用意 |
学習用を別に用意 |
利用者の依頼用を別に用意 |
OpenAIはクローラーの公式ページで、OAI-SearchBot を止めたサイトはChatGPTの検索の答えに表示されないと書いています。学習用の GPTBot を止めても、検索用は別です。Perplexityも公式ページで、PerplexityBot は検索結果にサイトを出してリンクするためのもので、基盤モデルの学習には使わないとしています。Anthropicは学習用・検索用・利用者の依頼用の3種類を分けていて、名前と止めたときの影響を公式ヘルプに載せています。
LLMOという呼び名から「学習データに入れてもらう話」だと受け取ると、ここを取り違えます。学習に使われたくないから GPTBot を止める、という判断はあってよいものです。ただ、検索用の OAI-SearchBot まで一緒に止めると、ChatGPTの検索の答えには出られません。
利用者の依頼で読みに来るものは、robots.txtが効かないことがある
OpenAIは ChatGPT-User について、利用者が始めた操作なのでrobots.txtのルールが適用されない場合があると書いています。Perplexityも Perplexity-User は通常robots.txtを無視すると説明しています。止めたつもりでも読まれることがある、と知っておいてください。
気をつけたいのは、制作会社の初期設定やセキュリティ機能が、AI関連のクローラーをまとめて止めている場合です。何を止めているかを一度 robots.txt で確かめてください。自社サイトで点検する順番は自社サイトのLLMO対策にまとめています。
Googleが「やらなくていい」と書いていること
Googleの最適化ガイドには、よくある誤解を並べた節があります。Google検索については、次のものは要らないとしています。
- llms.txt などのAI向けファイルや特別なマークアップ。Google検索はそれらを使っていない
- 文章をAIのために細かく切り分けること(チャンク化)
- 生成AI検索のためだけに書き方を変えること
- 不自然に「言及」を集めること
- 構造化データへの過度なこだわり。AI検索には必須ではない
llms.txt についてはllms.txtの書き方と効果についての事実で、構造化データについては構造化データの役割とFAQ表示の終了で詳しく扱っています。
呼び名とセットで広まった、根拠が弱い話
「統計を入れるとAIに引用されやすい」という話は、先ほどのGEOの研究論文が出どころのことが多いようです。この論文は、出典や数字を加えるなどの工夫で、生成エンジンの答えの中での見え方が最大40%上がったと報告しています。ただし、これは研究者が用意した質問集と環境での実験です。Google検索のAI Overviews で同じことが起きると確かめたものではありません。
「AIO対策ツールで引用率が分かる」という話にも注意が要ります。Googleは同じガイドで、社外のツールはGoogleの内部の順位づけやAIの仕組みにアクセスできないと書いています。
AI検索に出たくない場合は、どう止める?
見積もりの目安や社内向けの資料など、AIの答えに使われたくないページもあると思います。止め方はサービスごとに違います。
| 止めたいもの |
方法 |
通常の検索への影響 |
| Google検索のAI機能への掲載 |
Search Consoleの生成AI機能の除外設定 |
使われないとGoogleが説明 |
| Google検索での抜粋全般 |
nosnippet などの指定 |
通常の検索結果の抜粋も消える |
| Geminiの学習や一部の根拠づけ |
robots.txt の Google-Extended |
検索の掲載・順位には影響しない |
| ChatGPTの検索 |
robots.txt の OAI-SearchBot |
Google検索とは無関係 |
Search Consoleの除外設定はヘルプページに説明があり、初期状態は「含める」です。除外すると、AI Overviews や AIモードにリンクも内容も出なくなりますが、通常の検索の順位や掲載の判断には使わないとGoogleは書いています。
よく誤解されるのが Google-Extended です。Googleのクローラーの一覧によると、これはGeminiのモデルの学習や根拠づけに使ってよいかを伝えるためのもので、Google検索への掲載や順位には影響しません。Google-Extended を止めても、Google検索のAI Overviews から外れるわけではありません。LLMOとAIOの言葉の違いが、そのまま設定の違いに出る場面です。
私たちの実測で言えること
私たちは自社で23のメディア・8,155ページを運営しています(2026年9月20日時点)。AI検索からの流入だけを切り出した数字は、まだ記事に出せる形で持っていません。ここで言えるのは通常の検索で確かめたことです。
私たちの実測(暦のメディア・1,077ページ)
Search Console で(検索語, ページ)の組を取り、その語がページ本文に書かれているかを機械で照合しました。来ている語がページに無いことが多くありました。経緯は検索語と本文を照合した暦メディアの事例にまとめています。
出典:Google Search Console(2026年8月21日以降の作業記録)
呼び名がAIO・LLMO・GEOのどれであっても、聞かれていることがページに書かれていなければ、そのページは答えの根拠になりません。どの問いで見え方を確かめるかはAIに聞かれる「問い」の決め方で、Search Console での測り方は生成AI機能のパフォーマンスレポートのヘルプで確かめられます。