ランキングページの作り方とは、1つの数字で並べ、同じ値には同じ順位を付け、何社のうちの何位かと数字の時点をページに書くことです。データの並べ方が決まっていれば、ページの数が増えても、どのページでも同じ読み方ができます。
ここで扱うのは、公開データの数字で会社や地域を並べるページです。自社の商品を含めて比べるときの景品表示法の話はステマ規制の記事に書いたので、ここではデータの並べ方だけに絞ります。
並べる数字は、1つにする
1つのランキングのページで並べる数字は、1つだけにします。「離職率の低い順」「有給休暇の取得率の高い順」のように、ページの題を見れば何で並べたかが分かる形です。
いくつかの数字を足し合わせた合成点は作りません。理由は2つあります。
1つ目は、重みを決めるのが作る側だからです。離職率と残業時間と有給の取得率を合わせて100点にするとき、どれを何点分にするかで順位が入れ替わります。その重みが正しいかを、読む人は確かめられません。
2つ目は、元の数字に戻れないからです。合成点が72点と書いてあっても、どの項目が良くてどの項目が悪いのかは分かりません。1つの数字で並べていれば、表の値をそのまま出典の数字と照らし合わせられます。
読む人が何を大事にするかは人によって違います。項目ごとにランキングを分け、組み合わせて判断するのは読む人に任せます。
高い順か低い順かも、題に書く
同じ数字でも、良いとされる向きは項目によって違います。離職率や残業時間は低いほうを上に、有給休暇の取得率は高いほうを上に並べることが多いはずです。どちらの向きで並べたかは、題か表のすぐ上に書きます。
男女の賃金差のように、どちらの向きが良いとは言い切れない数字もあります。そういう項目は「差の小さい順」のように、何を基準にしたかだけを書き、「良い順」とは書きません。評価の言葉を足さず、読む人が数字から判断できるようにします。
割合で並べるときは、元の人数も見せる
割合の数字は、元の人数が少ない会社ほど大きく振れます。従業員10人の会社で1人辞めれば離職率は10%、1,000人の会社で同じ10%なら100人です。割合だけで並べると、人数の少ない会社が上下の端に集まりやすくなります。
元のデータに人数があるなら、割合の横に人数も出します。並べる数字は割合の1つのまま、読む人が振れやすさを自分で判断できるようにするためです。
題の言葉は、検索される語で決める
何の数字で並べたかを題に書くとき、言葉は実際に検索されている語に合わせます。
私たちの運営(カイシャのホント)
国の公開データ(しょくばらぼ)の数字で、会社ごとのページと地域・業種のランキングを作っているサイトです。ランキングの題の呼び名を決めるために、月の検索数を測りました。
| 語 |
月の検索数 |
| 離職率 ランキング |
320 |
| 有給取得率 ランキング |
70 |
| 有給休暇取得率 |
30 |
出典:Google 広告の検索数を DataForSEO 経由で取得(2026年10月24日)
数字の名前は、データの元の正式な呼び方と、検索される呼び方が違うことがあります。題には検索される語を使い、表の見出しや注記で元の呼び方も書いておくと、出典と照らし合わせるときに迷いません。
同じ値は、同じ順位にする
同じ値の会社が並んだら、同じ順位を付けます。
| 順位 |
会社 |
離職率 |
| 1 |
A社 |
2.0% |
| 2 |
B社 |
3.5% |
| 2 |
C社 |
3.5% |
| 4 |
D社 |
4.1% |
架空の例です。B社とC社は同じ値なので、どちらも2位です。次のD社は3位ではなく4位にします。「D社より上に3社いる」ことが順位の数字から分かるからです。
社名の五十音順や法人番号の順で片方を2位、もう片方を3位にすると、数字に無い差を付けることになります。表に並べる順は決めなければならないので、表示の順だけを決め、順位の数字は同じにします。並べた順の決め方は、ページの注記に1行書いておきます。
小数の桁は、元のデータに合わせる
同じ値かどうかは、元のデータが出している桁で決めます。元が小数第1位までなら、ページでも第1位までで比べます。計算で出した値を細かい桁まで出すと、元のデータに無い差で順位が分かれます。
逆に、元より桁を丸めて表示し、比べるのは丸める前の値という作りにすると、画面では同じ値なのに順位が違う表になります。比べる値と見せる値は同じ桁にします。
母数と時点を、ページに書く
順位の横には、何社のうちの順位かを書きます。たとえば、その県で離職率の数字がある会社が120社なら「120社中」と書きます。
母数が書いていないと、1位の意味が分かりません。10社の中の1位と、1,000社の中の1位では、読む人の受け取り方が違います。県に会社が500社あっても、その数字がある会社が120社なら、母数は120社です。会社の総数を書くと、残りの380社より上だと読まれてしまいます。
数字の時点も書きます。公開データの数字は、会社ごとに更新された時期が違うことがあります。ページには「データの取得日」と出典を書き、取り直したら母数も時点も一緒に変わるようにします。母数は手で書かず、ページを組み立てるときにデータから入れます。取り直しの手順はデータの取り直しに書きました。
ランキングのページに書き添えるもの
- 何の数字で並べたか、高い順か低い順か
- 母数(その数字がある会社の数)
- 数字の時点と出典
- 同じ値の扱いと、表示の順の決め方
件数の少ない項目は、ページにしない
地域と項目を掛け合わせると、数字のある会社が数社しかない組み合わせが出ます。3社を並べたページは、ランキングとして比べる意味がありません。そういう組み合わせは、ランキングのページを作らず、上の階層の一覧の中で見せます。
何件から作るかは、自分たちで決めて、すべての組み合わせに同じ線を引きます。件数の数え方と、足りない地域の扱いは地域ページの作り方に、検索に出すかの決め方は薄いページとはにまとめています。
私たちのサイトでは、会社ページも同じ考え方で分けています。2026年10月23日に中国・四国6県の会社ページ12,261枚を公開し、数字が5項目以上ある1,273枚だけを検索に出しました。
長いランキングは、ページを分ける
件数が多い県では、1ページに全社を並べると重くなります。私たちは2026年10月24日に、全県・全項目のランキングを1ページ100社に分けました(101位からは2ページ目以降)。分ける前にいちばん重かったページ(大阪府の男女の賃金差)は645KBで、分けたあとは88KBです。
分けたときも、母数は全体の数を書きます。2ページ目に「全350社」と101位〜200位の範囲があれば、読む人は全体のどこを見ているかが分かります。2ページ目以降の見せ方はページネーションのSEOに書きました。
ItemListの構造化データは、何に使える?
ランキングは順番のある一覧なので、schema.orgのItemListで書けそうに見えます。ただ、Googleの検索結果での使い道は限られています。
Googleのカルーセルの説明は、カルーセルをモバイルでスワイプして見るリスト形式のリッチリザルトとしています。対象として挙げているのは、コース、映画、レシピ、レストランの4つです。同じページには、次の決まりもあります。
リスト内のアイテムはすべて同じタイプである必要があります。
書き方は2通りです。一覧のページにItemListを置き、各ListItemに順番(position)と詳細ページのURLを書いて、詳細は各ページのマークアップに任せる形。もう1つは、1ページの中に全部の詳細を書く形です。一覧の形では、リストの中のURLはすべて同じドメインにある必要があります。
会社のランキングは、この4つの対象に入りません。ItemListを付けても、カルーセルに出ることは期待できません。付けるなら、画面に出ている順位と同じ順番で書きます。Googleは構造化データの指針で、ページに表示されていない内容をマークアップしないよう求めています。構造化データの役割は構造化データとはにまとめました。
公開してから、何を見る?
ランキングのページは、作っただけでは検索に出ません。私たちのサイトも、Search Consoleの2026年10月15日〜21日の週で表示84・クリック1でした。28日(9月24日〜10月21日)で表示が出た語は29、10位以内は0です。公開した直後の数字で、まだ成果とは言えません。
見るのは、どの題のランキングが表示されているかと、その語が題の言葉と合っているかです。表示されている語が題と違うなら、題の言葉を直します。データで作るサイトの全体はデータベース型サイトから読めます。
仕様・出典の確認日:2026年10月26日。