プログラマティックSEOとは、表の形のデータを1つのテンプレートに流し込み、多くのページを機械的に作って検索に出すやり方です。製品の一覧表があれば型番ごとのページが、会社の一覧があれば会社ごとのページが作れます。始める前に決めるのは2つで、何を1行(1ページ)にするかと、作ったページのうちどれを検索に出すかです。
プログラマティックSEOは、どんな作り方か
記事を1本ずつ書くやり方とは、手間のかかる場所が違います。記事型は1本ごとに調べて書きます。プログラマティックSEOは、データを集めて整えることと、テンプレートを作ることに時間を使い、ページそのものは組み立ての道具が出します。テンプレートを1か所直すと、全部のページが一度に変わります。
私たちは、この作り方のサイトを2つ運営しています。
| サイト |
1行(1ページ)の単位 |
データの出どころ |
| メーカー図鑑 |
製品・比較する分類・会社 |
各メーカーの公式サイトとカタログ |
| カイシャのホント |
会社 |
国の公開データ(しょくばらぼ) |
どちらも、同じ列の表で比べられることが前提です。比べる列がそろわないデータは、テンプレートに流し込んでも読む人の役に立ちません。考え方の全体はデータベース型サイトのSEOとはにまとめています。
先に決めるのは「何を1行にするか」
1行の単位は、そのまま検索で拾える語の単位になります。製品を1行にすれば型番や製品名で、会社を1行にすれば社名で探す人に届きます。
メーカー図鑑では、クリックが先に来たのは「〇〇 比較」のような比べる語ではなく、型番そのものや社名の検索でした(2026年10月23日に Search Console の検索語で確認)。比較の語は競う相手が多く、データの名前そのものの検索のほうが、立ち上げたばかりのサイトでも届きやすかったと見ています。1サイトでの観察なので、ほかの業種でも同じとは言い切れません。
製造業の会社が自社でやるなら、1行の候補はたとえば次のようなものです。
- 自社の標準品(型番ごと)
- 扱える材料(材料ごとの加工の可否・注意点)
- 加工方法(方法ごとの得意な形状・公差の目安)
どれも、社内の表としてすでに持っていることが多いデータです。
テンプレートに何を置くか
テンプレートには、どのページにも同じ形で出る枠を作ります。中身は2種類に分けて考えます。
- そのページのデータでしか言えないこと:仕様の値、公表されている数字、確認した日と出典
- それを読むための手がかり:同じ分類の中での位置、平均や中央値との比較、関連するページへのリンク
1だけだと、値の羅列で終わります。2だけだと、どのページも同じ文章になります。カイシャのホントでは、会社ごとの数字を、同じ県の会社の中でどの位置にあるかと並べて見せています。数字1つでは多いのか少ないのか分からないからです。
同じ文章が並ぶだけのページにしない
社名や地名だけを差し替えて、残りの文章が全ページ同じになっている作りは、読む人にとって新しい情報がありません。テンプレートの文章は短くし、ページごとに変わる値と、その値の読み方に場所を使います。
どのページを検索に出すか
作ったページを全部検索に出す必要はありません。データが少なく、読む人の判断材料にならないページは、作っても noindex にして検索から外せます。Googleのnoindexの説明のとおり、noindex を効かせるには、そのページを robots.txt でクロール禁止にしてはいけません。禁止すると noindex の指示そのものが読まれないからです。
カイシャのホントでは、2026年10月23日に中国・四国6県の会社ページを12,261枚出し、数字が5項目以上ある1,273枚だけを検索に出しました。残りの会社ページは、営業メールで「御社のページ」として渡すために置いておき、検索には出していません。
検索に出さないと決める基準は、ページを作る前に数字で決めておきます。後から1枚ずつ判断しようとすると、数千枚の単位では手が回りません。一覧や絞り込みのページについては、一覧・絞り込みページが検索に出ない理由に書きました。
Googleのポリシーとの関係
Googleのスパムに関するポリシーには「大量生成されたコンテンツの不正使用」があり、ポリシーのページでは「ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成すること」と説明されています。作成方法は問わない、とも書かれています。テンプレートで作ったかどうかではなく、何のために、どんな中身で作ったかが問われます。
生成AIについても、Googleは生成AIコンテンツのガイダンスで、ユーザーにとっての価値を付け加えずに大量のページを作るとポリシーに違反しうる、と書いています。比べる基準や出典の書き方まで含めた線引きは、比較ページの作り方とスパムポリシーの境目で詳しく扱っています。
作る量より、直し続けられる量で決める
データのページは、作った日から古くなります。仕様が変わる、会社の数字が更新される、製品が終わる。1行ごとに確認した日を持たせ、いつ取り直すかを決めておかないと、数が多いほど古い情報が増えます。
カイシャのホントでは、元の公開データを週に1回取り直す仕組みを作りました。メーカー図鑑では、比較ページごとに公式資料で確認した日を記録しています。ページを増やす前に、この取り直しを回せる数かどうかを考えます。
私たちの実測(Search Console・GA4)
| サイト |
期間 |
検索の表示 |
クリック |
| メーカー図鑑 |
2026-10-08〜10-14 |
4,395 |
132 |
| メーカー図鑑 |
2026-10-15〜10-21 |
13,612 |
289 |
| カイシャのホント |
2026-10-15〜10-21 |
84 |
1 |
メーカー図鑑は28日(09-24〜10-21)で表示が出た検索語が2,252、そのうち語ごとの一番よい順位で10位以内が604。カイシャのホントは公開して間もなく、同じ28日で表示が出た語は29、10位以内は0でした。
出典:Google Search Console、GA4(2026年10月24日に確認)
同じ作り方でも、立ち上げ直後の数字はこれだけ違います。メーカー図鑑は表示が1週間で約3.1倍になりましたが、同じ週に比較ページも増えているので、原因は1つに決められません。詳しくはメーカー図鑑の実測の記録に書きました。
うまくいかなかったこと
メーカー図鑑では、10月22日までの GA4 に、手元の確認作業の閲覧が本番より多く記録されていました(localhost 11,346回 対 本番 959回)。ページを何千枚も組んでは確かめるので、確認の閲覧が積み上がります。計測タグを本番のドメインでだけ読むように直しましたが、それまでの数字は、ホスト名で絞らないと読めません。プログラマティックSEOで大量のページを扱うなら、計測の設定はページを作る前に済ませておくべきでした。
中小企業が始めるなら
最初から数千ページを作る必要はありません。社内にある表のうち、列がそろっていて、取引先や設計者が実際に比べたいものを1つ選び、数十行で試します。
- 1行の単位を決める(製品、材料、加工方法など)
- 比べる列を決め、値ごとに出典と確認日を持たせる
- 検索に出す条件を数字で決める(列の半分以上が埋まっている行だけ、など)
- 公開して、Search Console で「どの語で表示が出たか」を見る
4で表示が出た語が、1の単位と合っているかを確かめます。合っていなければ、ページの数を増やす前に1行の単位を見直します。カテゴリ全体の考え方は比較サイト・データベース型のSEOにあります。