比較サイト(データベース型サイト)のSEOとは、1つのページの型に流し込むデータと項目を整えて、「名前+条件」で検索する人に答えるページを作ることです。記事型が1本ずつ文章の質を上げるのに対し、データベース型は型とデータの質を上げると、全ページが一度に変わります。良くも悪くも、です。
データベース型サイトとは、どういうサイトか
データベース型サイトは、ページを「書く」のではなく「生成する」サイトです。最初に1つの型を作り、そこに同じ項目で揃えたデータを1件ずつ流し込んで、1件1ページ、または一覧の1行にします。
身近な例では、求人サイトの求人ページ、不動産サイトの物件ページ、ネット通販の商品ページがそうです。どのページも見た目と項目は同じで、中身のデータだけが違います。比較サイトの多くもこの作りで、比べる対象ごとのページと、条件ごとの一覧でできています。
製造業に置き換えると、次のようなものがデータベース型になります。
- 樹脂や金属などの材料ごとのページ(性質、用途、加工の注意点)
- 加工方法ごとのページ(対応できる材質、大きさ、数量の考え方)
- 標準部品やカタログ品の仕様ページ
- 業界・材質・加工方法で揃えた事例のページ
記事型とデータベース型では、効く手が違う
狙える検索語が違う
記事型が強いのは、問いの形の検索です。「樹脂部品 ヒケ 原因」「射出成形 金型 費用 何で決まる」のように、困りごとや疑問を打ち込む人に、文章で答えます。
データベース型が強いのは、名前と条件の組み合わせです。「POM 耐摩耗」「PA66 吸水」「アルミ 切削 薄肉」のように、選択肢の名前が分かっていて、その性質を確かめたい人です。
設計者の動きで言えば、困りごとの段階では記事を読み、材料や加工方法の候補が見えてきた段階でデータを見に来ます。どちらか一方では、片方の段階の人を取りこぼします。
直す単位が違う
記事型では、ページごとに不足している答えを確かめて、1本ずつ直します。
データベース型は型を1回直すと、全ページが変わります。私たちの暦のメディアでは、年ごとのページで「意味はこちら」とリンクで送っていた暦の説明を、その場で答える形に変えました。1回の直しが300ページに効きました(持っているデータの出し方を変えた事例)。
裏を返すと、型が悪ければ悪いページが一度に数百枚できます。これがデータベース型の一番の注意点です。
質を決めるものが違う
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記事型 |
データベース型 |
| 質を決めるもの |
書き手の知識と経験 |
データの正確さ、項目の選び方、型の作り |
| 独自性の出どころ |
自社の経験・事例・失敗 |
自社にしか無いデータ、同じ基準での集計 |
| 古くなるもの |
書いた内容 |
データそのもの(価格・仕様・取扱いの有無) |
| よくある失敗 |
書いても読まれない |
数字だけが違う薄いページが大量にできる |
私たちが比較サイトで分かったこと
私たちは自社で23のメディア・合計8,155ページを運営しています(2026年9月20日に全URLを確認)。そのうち資格の比較サイト(1,316ページ)や、医師・薬剤師・看護師の転職比較サイトはデータベース型で作っています。
データベース型で作ると、ページ数はすぐに増えます。ただ、検索に出るかは別の話でした。2026年6〜8月にドメインを取った4サイトでは、8月22日の時点(Search Console)でクリックは4サイト合計0でした。ページの種類ごとに数えると、一番数を作りやすい「一覧」が一番出にくい、という傾向も見えています。数字の内訳と、母数が小さいので法則とは言えない理由は一覧・絞り込みページを増やしても検索に出ない理由と立ち上げ間もない4サイトの事例に書きました。
もう1つ分かったのは、比較サイトの語で上位を取っているのが誰かです。私たちが狙った語では、上位1〜5位はすべて事業者本体のサイトで、比較やアフィリエイトのサイトは6位以降でした。名前で検索する人には、まず本家が返ります。データベース型で戦うなら、本家が書かない切り口、たとえば同じ基準で並べた比較や、数えた結果を出す必要があります。実際、4サイトで最も順位が高かったのは、公開情報を同じ基準で数えた調査ページ(5位)でした。
中小企業は、記事型とデータベース型をどう組み合わせるか
私たちが勧めているのは、記事型を土台にして、データベースを部品として足す組み方です。
樹脂成形の会社で考えます。土台は「ヒケ」「反り」「ウェルドライン」のような成形不良ごとの記事と、課題解決事例です。困りごとから検索する設計者は、ここから入ってきます。そのうえで、扱っている材料ごとのページをデータベースとして持ちます。項目は「性質の特徴」「よく使われる用途」「成形で起きやすい不良」「自社での成形実績の有無」です。
不良の記事からは、関係する材料のページへリンクします。材料のページからは、その材料で起きやすい不良の記事へ戻します。困りごとの段階で入った人も、材料名で入った人も、最後は同じ相談の入口にたどり着けます。この型の全体は製造業の技術相談サイトの型で、階層とリンクの組み方はハブページと階層構造の作り方で説明しています。
データベースにしてよいデータ、しないほうがよいデータ
データベースにしてよいのは、自社が責任を持って正しさを保てるデータです。自社の材料、自社の加工方法、自社の事例、自社の標準品の仕様がこれに当たります。
しないほうがよいのは、他社の製品や価格を並べたデータです。他社が仕様を変えても気づけず、古い情報が残ります。事業会社が競合を順位付けすると、公平に見えにくいという問題もあります。比べるなら、材料どうし・加工方法どうしのように、読者が選ぶ「選択肢」を比べます。比べ方の基準とスパムポリシーとの境目は公式情報を同じ基準で比べる比較ページの作り方に書きました。
どこから始めるか
いきなり全件をページにはしません。社内にある表を1つ選び、その中から、名前で検索されていそうなものを10件ほどだけ型で作って公開します。Search Consoleで、その名前の語で表示が出始めるかを見てから、残りを足すかどうかを決めます。まず少数で公開し、項目の不足や例外を確かめてから対象を増やします。300件作ったあとに型を直すより、手戻りが少なくて済みます。
Googleのスパムポリシーとの関係
データベース型は、型にデータを流し込んで大量のページを作る作り方なので、Googleのスパムポリシーの大量生成されたコンテンツの不正使用を必ず意識します。Googleはここで、ユーザーの役に立つことではなく、検索順位の操作を主な目的として大量のページを作ることを問題にしています。
つまり、データベース型だから違反になるわけではありません。求人サイトも通販サイトも同じ作りです。問われるのは、1枚ごとに読む人の役に立つ中身があるかです。数字だけを入れ替えて、文章はどのページも同じというページを数百枚作るなら、型を作る前に考え直します。
「とりあえず全部ページにする」はやらない
社内の管理表に300行あるからといって、300ページ作る必要はありません。名前で検索される見込みがあり、1ページに書くことがあるものだけをページにします。残りは一覧の1行で十分です。
データベース型の考え方の全体は、比較サイト・データベース型サイトのSEOにまとめています。