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COLUMN 197 / オウンドメディア

ものづくり補助金でWebサイトやAIツールは対象になるか:後継の補助金での経費の区分

公開 2026.10.27文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • 新規の受付は後継の補助金に移った。第1回⁠の締切は2026年10月30日18時
  • 新しい製品・事業のPRサイトは広告宣伝・販売促進費。会社全体のPRは対象外
  • AIツールは専用のソフト・システムなら機械装置・システム構築費。事務用のパソコンや汎用ソフトは対象外
目次

ものづくり補助金でWebサイトやAIツールを買うなら、今は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の決まりで確かめます。PR用のWebサイトは広告宣伝・販売促進費、専用のソフトやシステムは機械装置・システム構築費に入りますが、どちらも新しい製品・事業のための費用であることが前提です。

ものづくり補助金の公式サイトは、2026年10月25日⁠に開いた時点で、本補助金の公募は終了したと表示していました。新規の受付は、中小機構の新しい補助金へ案内されています。検索で出てくる古い解説は、締切の回や経費の区分が違うことがあります。

この記事は、新しい補助金の事務局⁠が出している公募要領(第1回)⁠の1.3⁠版(令和8年9月)⁠で確かめた内容です。公募の回が変わると条件も変わるので、申請する回の要領を必ず開き直してください。

新しい補助金には、どんな枠がある?

第1回⁠は3つ⁠の枠に分かれています。補助上限は従業員数で変わります。表は各枠でいちばん大きい区分の額で、カッコ内は賃上げ特例を受けたときの額です。

枠 何を支えるか 補助上限 補助率
革新的新製品・サービス枠 新製品・新サービスの開発 最大2,500万円(3,500万円) 1/2⁠。小規模事業者などは2/3
新事業進出枠 新しい市場への進出 最大7,000万円(9,000万円) 1/2
グローバル枠 輸出に向けた国内体制の強化 最大7,000万円(9,000万円) 2/3

補助下限は、革新的新製品・サービス枠が100万円⁠、ほかの2つ⁠が750万円です。最低賃金の引き上げ特例に当たる会社は、補助率が2/3に上がる場合があります。

第1回⁠の締切は2026年10月30日(金)18時で、採択の発表は令和9年1月頃の予定です。申請にはGビズIDプライムのアカウントが要り、要領は発行に1週間程度かかると書いています。

補助金を返すことがある

補助事業が終わったあとの3〜5年⁠の計画で、付加価値額の年平均成長率4.0%以上⁠、1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上⁠、事業場内の最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くすることが求められます。給与と最低賃金の目標を達成できないと、補助金の一部または全額を返す決まりです。

Webサイトの制作費は、どの経費に入る?

要領の経費の区分には、次の一文があります。

補助事業のPR等に係るウェブサイトに係る経費は、「広告宣伝・販売促進費」⁠となります。

広告宣伝・販売促進費は、補助事業で作る製品・サービスに必要なパンフレットや動画、写真の作成、媒体への掲載、PRのためのWebサイトの構築、展示会への出展などの費用です。

製造業の例で言えば、自社の加工技術を使って新しく医療機器の部品を作る計画なら、その部品の説明と試作の相談を受けるページが当てはまります。会社案内のサイトを新しくする費用や、今ある製品の広告は、要領が対象外としている、補助事業以外の自社製品の広告や会社全体のPR広告に当たります。

サイトの費用には、どんな条件がある?

  1. 上限は、事業計画期間1年あたりの、補助事業で新しく作る製品などの売上見込み額(税抜き)⁠の5%⁠。サイトだけでなく広告宣伝・販売促進費全体の上限
  2. 金額にかかわらず、複数の会社の見積もりと、価格が妥当だと分かる書類が要る
  3. 100万円(税抜き)以上のサイト構築費は、実績報告で作業単価・工数・作業時間などの開発費用の算出資料を出す
  4. 補助事業の期間内にサイトが公開されている必要がある。発注・契約は交付決定のあと
  5. 実績報告で、成果物の写真などをすべて出す。ネット広告も、掲載した時期と内容が分かる資料が要る

3は、制作会社に作業の内訳と工数を出してもらえるかを、見積もりの段階で確かめておく話です。制作一式の見積もりだけで発注すると、報告のときに資料がそろいません。

サイトだけでは申請できない?

できません。要領は、革新的新製品・サービス枠では機械装置・システム構築費を、新事業進出枠とグローバル枠では機械装置・システム構築費か建物費を、必ず経費に含めるよう求めています。一過性の支出が経費の大半を占める計画は支援の対象にならない、とも書いています。

Webサイトは、設備やシステムを入れて新しい製品を作る計画の一部として扱います。サイトを作りたいだけなら、この補助金に合わせて計画をふくらませるより、持続化補助金の制作費⁠の決まりや、補助金を使わない予算と比べてください。

AIツールやソフトは、どの経費に入る?

補助事業のためだけに使う専用のソフトウェアや情報システムの購入・構築・借用は、機械装置・システム構築費の対象です。100万円(税抜き)以上のシステム構築費は、実績報告で要件定義書か開発費用の算出資料を出します。

クラウドで使うサービスは、クラウドサービス利用費で確かめます。対象は補助事業のためだけに使うサービスで、自社のほかの事業と共有するものは対象外です。契約期間が補助事業の期間を超えるときは、期間内の分だけを按分します。

対象外の例として、要領は次のものを挙げています。

  • 事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフト、タブレット、スマートフォン、カメラなど、ほかの用途にも使えるもの
  • 既存の機械装置やシステムを、単に置き換える費用
  • 既存の事業にも使う、または既存の事業と共用する費用

たとえば、新しく始める検査サービスのために、その検査だけに使う画像判定のシステムを作るなら、専用のシステムとして検討できます。社員全員が日々の文章作成に使う生成AIの契約は、ほかの用途にも使えるので、この補助金の対象にはなりにくい費用です。業務での試し方は中小企業の生成AI活用⁠で扱っています。

今の作業を減らすためのツールなら?

革新的新製品・サービス枠は、既存の製品・サービスの生産などの工程を改善・向上させる事業を対象外としています。単に機械装置やシステムを入れるだけで、新製品・新サービスの開発を伴わないものも当たりません。

受注の打ち込みや検査記録の転記を減らしたいなら、人手不足の解消を目的にした省力化投資補助金⁠が近い制度です。カタログ注文型と一般型の2つ⁠があります。登録されたITツールを入れる場合は、IT導入補助金の対象⁠を確かめます。

持続化補助金・IT導入補助金とは、何が違う?

Webサイトの扱いだけを並べると、次のようになります。各制度の数字は、それぞれの記事で確かめた回のものです。

制度 Webサイトの扱い 気をつける点
新事業進出・ものづくり補助金(第1回) 補助事業のPRサイトは広告宣伝・販売促進費 設備・システムの経費が必須。会社全体のPRは対象外
持続化補助金(一般型・通常枠 第20回) ウェブサイト関連費。申請額の上限30万円 ウェブサイト関連費だけでは申請できない
デジタル化・AI導入補助金2026 ホームページ制作は対象外 対象は登録されたITツールの導入

同じ費用を、国の別の補助金と重ねて受け取ることはできません。新しい補助金の要領も、国などが目的を決めて出す他の制度ですでに対象になっている経費を、対象外としています。

申請の前に、何をそろえる?

  1. 新しく作る製品・サービスと、それを買う相手を1枚に書く
  2. その事業に要る設備・システムと、Webサイトや展示会などの販促を分ける
  3. サイトに載せる内容(仕様、試作の受け方、相談の窓口⁠)⁠を決め、複数の会社から作業の内訳つきの見積もりを取る
  4. 交付決定の前に発注・契約しない日程を、制作会社と共有する

要領は、事業計画は申請者自身が作るものとし、作成を他者が行うことを認めていません。外部の助言を受けるのはかまいませんが、高額な成功報酬や経費の水増しを持ちかける業者に注意するよう書いています。

公開したサイトを、あとで効果の説明に使うなら、計測も公開の日から始めます。私たちは、営業メールに載せるURLに送り先ごとの印(UTM)⁠を付ける仕組みを入れたのが2026年10月23日⁠の午後で、それまでに送った分はページが開かれたかを一度も測れていません。付け方はUTMパラメータの付け方⁠にまとめています。

採択されるかどうかは審査で決まり、採択されても計上した経費がすべて認められるわけではありません。私たちは、新しい事業のためにどのページが要るかと、制作の内訳を整理するところを、オウンドメディアの構築⁠の相談として受けています。補助金の申請の可否は、事務局や認定支援機関に確かめてください。

制度・出典の確認日:2026年10月25日⁠。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領(第1回)1.3版に基づきます。

よくある質問

ものづくり補助金は、今も申請できますか?

ものづくり補助金の公式サイトは、本補助金の公募は終了したと表示し、新規の受付を新事業進出・ものづくり商業サービス補助金へ案内しています(2026年10月25日に確認)⁠。新しい補助金の第1回は、2026年10月30日18時が締切です。次の回の予定は事務局のサイトで確かめてください。

ホームページの制作費は対象になりますか?

第1回⁠の公募要領では、補助事業のPRなどのためのWebサイトの構築は広告宣伝・販売促進費に入ります。新しく作る製品やサービスのためのサイトであることが前提で、会社全体のPRや既存の製品の広告は対象外です。サイトの費用だけでは申請できず、機械装置・システム構築費(枠によっては建物費)⁠が必ず要ります。

Webサイトの費用に上限はありますか?

広告宣伝・販売促進費全体に上限があり、事業計画期間1年あたりの、補助事業で新しく作る製品などの売上見込み額の5%です。100万円(税抜き)以上のサイト構築費を計上するときは、実績報告で開発費用の算出資料を出す必要があります。

生成AIのサービスやAIツールは対象になりますか?

補助事業のためだけに使う専用のソフトウェアや情報システムの購入・構築は、機械装置・システム構築費に入ります。クラウドの利用料は、補助事業だけに使うものに限りクラウドサービス利用費です。事務用のパソコンや文書作成ソフトのように、ほかの用途にも使えるものは対象外です。

今の仕事の効率を上げるためのAIツールでも申請できますか?

革新的新製品・サービス枠は、既存の製品・サービスの生産などの工程を改善する事業を対象外としています。自社の作業を減らすための導入なら、中小企業省力化投資補助金や、デジタル化・AI導入補助金の要件と比べてください。

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