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COLUMN 189 / オウンドメディア

Excelマクロとは:VBAで自動化できる仕事と、GAS・RPAとの使い分け

公開 2026.10.27文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • マクロは、Excelの操作を記録して自動で繰り返す仕組み。中身はVBAで書かれる
  • メールやネットから来たファイルのマクロは、WindowsのOfficeでは既定で止められる
  • データがExcelのファイルならマクロ、Googleの表ならGAS、別の画面ならRPA
目次

Excelマクロとは、Excelでくり返す操作を記録して保存し、同じ順番で自動に実行させる仕組みです。記録した操作は、VBA(Visual Basic for Applications)というプログラムの言語で書かれます。

Microsoftはマクロ記録の説明で、記録機能がVBAのコードとして手順をすべて残すこと、記録機能が目的どおりに動くならVBAの知識は要らないことを書いています。毎月同じ手順で整えている表があるなら、まずその作業を1つ記録してみてください。

マクロで自動にできる仕事

マクロが得意なのは、Excelのファイルの中で、毎回同じ順番でやっている操作です。

作業 マクロでやること
書式をそろえる 形式がばらばらな日付や品番を、1つ⁠の形式に直す
月次の集計 生産実績の表を並べ替え、合計の行を足し、決まった形で印刷する
表をまとめる ライン別のシートを1枚⁠の一覧に写す
帳票の作成 一覧の行ごとに、出荷指示書のシートを作る
メールに渡す 表を更新したあと、Outlookで決まった宛先に送る

最後の例は、Microsoftの説明にも出てきます。Excelでテーブルを更新し、Outlookを開いて特定の宛先に送るところまでを、1つ⁠のマクロに記録できるとされています。

向かないのは、毎回人が見て判断する作業です。不良の原因を考える、見積もりの単価を決める、といった仕事は、マクロでは置き換えられません。

マクロを記録する手順

マクロの道具は、Excelの開発タブにあります。このタブは既定では表示されていないので、最初に表示させます。やり方はMicrosoftの開発タブの表示⁠に書かれています。

  1. ファイルタブからオプション、リボンのユーザー設定と進み、メインタブの下の開発にチェックを入れる
  2. 開発タブのマクロの記録を押し、マクロの名前と保存先を決める
  3. 自動にしたい操作を、いつもどおりの順番で行う
  4. 記録の停止を押す
  5. ファイルをマクロ有効ブック(.xlsm)⁠で保存する

通常のExcelブック(.xlsx)⁠は⁠、Microsoftのファイル形式の一覧⁠にあるとおり、VBAのコードを保存できません。.xlsxで保存すると、記録したマクロが消えます。

記録だけで足りないとき

記録機能は、操作をほぼそのまま残します。間違えて押したボタンも記録されるので、慣れた作業を記録します。

もう1つ⁠の落とし穴は、範囲です。Microsoftは、ある範囲のセルに対して記録したマクロは、その範囲のセルにしか働かず、あとで足した行には処理が及ばないと説明しています。毎月行の数が変わる受注の一覧なら、記録したコードのうち、範囲を決めている行をVBAで直します。ここは生成AIに下書きを頼めますが、試しのファイルで動きを確かめてから本番に使います。頼み方の型はプロンプトの書き方⁠にまとめています。

実行したマクロは元に戻せない

Microsoftは、マクロは元に戻すことができないと書いています。初めて動かす前にファイルを保存するか、コピーで試します。意図と違う動きをしたら、保存せずに閉じます。

メールで届いたファイルのマクロが動かない理由

取引先から届いたマクロ入りのファイルを開くと、赤い帯でマクロが止められることがあります。これは故障ではありません。

Microsoftは既定のブロック⁠の説明でVBAのマクロがマルウェアやランサムウェアを広げる手口としてよく使われるため、インターネットから来たファイルのマクロを既定で止めるように変えたと説明しています。メールの添付やブラウザでダウンロードしたファイルには、Windowsが印(Mark of the Web)⁠を付けます。Officeはこの印を見て、マクロを止めます。

この変更が効くのは、Windowsで動くOfficeです。MacのOffice、スマートフォンのOffice、ブラウザのOfficeには影響しないと書かれています。

社内で使うと決めたファイルなら、止めを外す方法があります。

  • ファイルを右クリックしてプロパティを開き、全般タブのブロックの解除にチェックを入れる
  • 社内で決めたフォルダを、信頼できる場所に登録して、そこに置く

マクロを有効にする前に

  • 送り主と、何をするマクロかを確かめる
  • 中身を見る・直すだけなら、マクロを有効にする必要は無い
  • 心当たりのないマクロ入りのファイルは開かない

Microsoftはマクロの有効化の説明でも、動きが確かで、その機能が必要な場合を除いて、マクロを有効にしないよう書いています。ファイルを見たり編集したりするだけなら、有効にする必要はないともあります。

GAS・RPAとの使い分け

迷ったら、データがどこにあるかで決めます。

データのある場所 合う道具 詳しい記事
パソコンのExcelファイル Excelマクロ(VBA) この記事
ブラウザで開くExcel Officeスクリプト 下の節
Googleスプレッドシート GAS GASとは
社内システムの画面 RPA RPAとは

マクロはExcelのファイルの中を扱うのが得意です。基幹システムの画面に打ち込む作業はRPA、Gmailやフォームとつなぐ作業はGASのほうが向きます。

ブラウザで開く人が多い会社は

OfficeスクリプトとVBAとの違い⁠を比べたMicrosoftの表では、VBAのマクロはExcel on the webでは動かず、WindowsとMacのExcelで動きます。Officeスクリプトは、ブラウザ版とWindows・MacのExcelで動きます。Microsoftは、VBAはデスクトップ向けに作られ、Officeスクリプトはクラウドで安全に動くように作られたと説明しています。

TeamsやSharePointでファイルを共有し、ブラウザで開く人が多い会社は、マクロで作る前に、誰がどの環境で開くかを確かめます。

作った人しか直せないマクロにしない

マクロでよく起きるのは、作った担当者が異動したあと、誰も中身を直せなくなることです。GASやRPAと同じ問題で、対策はGASとはの注意と変わりません。何をするマクロか、どのシートのどの範囲を読んでいるか、止まったら誰に言うかを、コードの頭とファイルの1枚目のシートに書いておきます。

私たちが運営する23のメディアの中には、Excel関数の解説サイトもあります。マクロを作る前に、関数や並べ替えで済む作業ではないかも一度考えてください。関数で済めば、マクロの保守は要りません。

どの作業から自動にするかは業務効率化ツールの選び方で、表そのものを複数人で使う仕組みに移す話はkintoneとは⁠で書いています。ほかの記事はオウンドメディアの記事から読めます。

よくある質問

マクロとVBAは何が違いますか?

マクロは、自動で実行させる一連の操作のことです。VBAは、その操作を書き表すためのプログラムの言語です。Excelでマクロを記録すると、操作の手順がVBAのコードとして保存されます。記録だけで足りない部分は、VBAのコードを直接直します。

マクロはプログラミングができなくても作れますか?

決まった操作をそのまま繰り返すだけなら、マクロの記録機能で作れます。Microsoftも、記録機能が目的どおりに動けばVBAやプログラミングの知識は要らないと説明しています。行の数が毎回変わる表や、条件で処理を分ける作業は、記録だけでは足りずVBAを直す必要があります。

「このファイルのソースが信頼できないため、マクロの実行がブロックされました⁠」⁠と出ました。どうすればいいですか?

メールの添付やダウンロードで入手したファイルに付く印を見て、WindowsのOfficeが既定でマクロを止めています。送り主と中身を確かめ、社内で使うと決めたファイルだけ、ファイルのプロパティでブロックを解除するか、信頼できる場所に置きます。心当たりのないファイルは有効にしません。

ブラウザ版のExcelでマクロは動きますか?

VBAのマクロは、ブラウザで使うExcel on the webでは動きません。Microsoftは、ブラウザ版でも動く自動化の仕組みとしてOfficeスクリプトを用意しています。ファイルをTeamsやSharePointで共有し、ブラウザで開く人が多い会社は、どちらで作るかを先に決めます。

マクロ入りのファイルは、どの形式で保存しますか?

マクロ有効ブック(拡張子 .xlsm)⁠で保存します。通常のExcelブック(.xlsx)⁠に⁠は⁠、VBAのコードは保存できません。

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