キーワード選定とは、読者が検索する言葉を調べ、自社がどの質問に、どのページで答えるかを決める作業のことです。検索数の大きい順に並べるだけでは、受けたい仕事と無関係な記事や、似た記事が増えてしまいます。
始める場所はSearch Consoleです。すでに表示されている検索語と、その語で出ているページを並べ、本文に答えがあるかを読んでください。その後で、検索数、難易度、CPC、検索上位の内容を確かめます。
以下は、調査した語を執筆の指示へ変える手順です。記事制作全体の考え方はコンテンツSEOの進め方で扱っています。ここでは、調査とページへの割り当てに絞ります。
なぜSearch Consoleの検索語から始める?
自社がすでに表示されている語なら、入口と本文のずれを具体的に読めるからです。外部ツールが返す関連語を広げる前に、今のページに届きかけている疑問を確認できます。
Googleは、検索パフォーマンスの説明で、表示につながるクエリや流入を生む語を確認し、改善に使えると案内しています。ここで見る表示回数は、自社の結果が表示された回数です。世の中でその語が検索された総数ではありません。
検索タイプ、国、端末、期間などの条件をそろえて一覧を出します。季節の商品なら、短い期間の増減だけで切り捨てず、前年の同時期など比較する区切りを決めます。数値の読み方はSearch Consoleで最初に見る数字で確認できます。
新規サイトでデータが無ければ、営業が受ける質問、製品の用途、材質、依頼内容から語を書き出します。Search Consoleに無い語は需要が無い、とは判断しません。自社がまだ表示されていない可能性があるためです。
私たちは検索語と本文の照合で何を見落とした?
暦の自社メディアでは、Search Consoleの検索語とページの組を取り、本文にその語があるかを機械で照合しました。出典は2026年8月21日以降のSearch Consoleと、自社の本文照合作業記録です。
その照合は、最初からうまくいきませんでした。語を丸ごと探すと「母倉日読み方」のような連結語を取りこぼしました。細かく分けると、今度は語のつなぎ目を拾い、抜けていると誤判定しました。
最終的には、本文にある最長のかたまりを左から取り、残った部分を見る方法へ直しています。詳しい経緯は検索語と本文を照合した運営事例にあります。
この失敗から、機械の一致判定をそのまま記事作成の指示にはできません。「本文に語が無い」と出ても、その質問へ別の表現で答えていることがあります。担当者が本文を読み、本当に足りない答えを決める必要があります。
検索数・難易度・CPCは、どう分けて見る?
同じ表に載っていても、測っているものが違います。数字を足して独自の合計点を作る前に、道具の項目の定義を確認します。調査表には取得日、使った道具、地域、言語、対象期間、通貨を残してください。
| 項目 |
見たいこと |
混同しないもの |
| 検索数 |
需要の大きさや時期の変化 |
自社への訪問数 |
| SEOの難易度 |
ツールが推定する競争の程度 |
Googleの合格点 |
| CPC |
広告のクリック単価 |
自社の受注額・利益 |
| 広告の競合性 |
広告主の競争 |
自然検索の難易度 |
Google広告の指標の説明では、月間平均検索数は、設定した期間・地域・検索ネットワークなどに基づく値です。近いバリエーションも含み、数値は丸められます。検索数を、一人ずつ正確に数えた見込み客の人数として使わないでください。
同じ公式文書が説明する「競合性」は、広告を表示した広告主に関する指標です。広告の競合性が低いから、自然検索でも簡単に上がれるとは判断できません。SEOツールが別途示す難易度は、その道具の算出方法を確認します。
CPCはCost Per Click、広告のクリック単価です。高ければ商業的な関心を考える材料にはできます。ただし、それは広告市場からの推測です。自社が受けられない仕事の語を選ぶ理由にも、記事が利益を生む保証にもなりません。
比較するときは同じ道具と設定で調べます。ある語だけ別の国や期間の値を使うと、大小の理由が分かりません。記事や提案資料へ数値を載せるなら、その取得日と出典まで一緒に出します。
上位の顔ぶれは、社名だけで判断する?
検索結果を開き、どんな種類のページが並ぶかを見ます。事業者のサービスページ、用語解説、製品カタログ、比較ページでは、答えている質問が違います。大手が多いかを数えるだけでは、自社が何を書くかは決まりません。
たとえば「POM 切削」を調べる人は、材料の性質を知りたいのか、依頼先を探しているのか。上位のページを読んで、主題と提示される条件を確かめます。「POM 切削 会社」でも同じ内容が並ぶかを確認します。これは調べ方の例で、今回の検索結果を報告するものではありません。
記録するのは、検索語、確認日、地域・端末、上位ページの種類、読者への答えです。掲載順位は固定ではないため、調べた時点の観察として残します。
GoogleのSEOスターターガイドは、読者の知識によって検索語が違うことや、すべての言い方を本文へそのまま入れる必要は無いことを説明しています。上位ページの見出しや語を写すより、自社が説明できる条件を確認してください。
検索数が少ない語は、どこで採用を決める?
受けたい仕事との距離と、答えの材料で決めます。検索数が少なくても、材質と加工条件が具体的なら、営業へ相談する前の確認に使えることがあります。反対に、大きな語でも採用情報や一般知識を探す人が中心なら、受注の入口とは分けて扱います。
例として、「樹脂とは」と「樹脂部品 試作 図面なし」を比べます。後者のほうが、自社の受付条件を書けるかを判断しやすい語です。実在の検索数や、どちらが上位に出やすいかを示す比較ではありません。
採用する語には、答えを確認する資料や担当部署を書き添えます。答えの根拠を集められないなら、先に聞き取りをします。営業の質問から材料を取る方法は社長・技術者への聞き取り手順にあります。
同じ語を取り合うカニバリは、どう確認する?
カニバリと呼ばれる問題は、自社の複数ページが同じ検索意図を狙って重なり、どのページを育てるか曖昧になっている状態です。同じ語が二つのページに登場するだけで、問題とは決めません。
Search Consoleで対象の検索語を絞り、「ページ」を確認します。複数URLが出たら、それぞれの本文を開き、読者の質問と答えを一文ずつ書きます。同じ答えを違う言い方で繰り返していないかを比べてください。
サービスページが依頼条件を、技術記事が加工の原因を説明しているなら、役割を分けて残せます。どちらも同じ依頼条件だけを書いているなら、統合や既存ページの修正を考えます。語の配置を変えるだけで、役割の重複は解消しません。
新規記事の指示へ書くこと
- 誰が、何を決めるために検索する語か
- その疑問へ答える既存URLがあるか
- 修正か新規作成か。その理由は何か
- このページで答えることと、関連ページへ送ること
- 公開後に確認する検索語とページ
ページの内容自体が同じなら、検索語の取り合いに加えて重複URLの整理も必要です。主題の重なりと、同じ本文が複数URLにある問題を区別します。
選定表を埋めた後は、何をする?
各語に対応するURLと、直す答えを記入します。「記事を書く」とだけ書かず、今の見出しに何が足りないか、新しいページなら既存記事と何が違うかまで渡します。
公開後は、同じ条件でSearch Consoleの語とページを確認します。表示されたが押されないページなら、題名が質問と合っているか、検索結果で何を約束しているかを見直します。判断は表示されているのにクリックされないページの直し方へ進めます。
予定と違う語が出てきたら、自社が答えられる質問かを読み直します。語が増えた数だけ記事を足さず、既存の答えへ補えるかを先に判断してください。
オウンドメディアの運用で使う選定表は、語を集める台帳から、ページを直す指示へ変えて使います。次の執筆までに、語だけがあり行き先が空欄の行を減らしてください。
仕様・出典の確認日:2026年10月22日。