IT導入補助金でホームページ制作そのものを賄うことは、2026年度の公式案内ではできません。持続化補助金のサイト制作費とは異なり、事務局に登録されたITツールの導入費用を支援する制度です。
2026年度の正式名称はデジタル化・AI導入補助金2026です。サイトを作りたいのか、受注や顧客対応などの業務をソフトで改善したいのかを先に分けてください。名称にAIが付いても、AI関連の費用を何でも補助するという意味ではありません。
本記事は、2026年10月23日に開いた公式サイト、FAQ、公募要領を基にしています。以下は主に通常枠の話です。枠ごとの条件や公募回の変更を、同じものとして扱わないようにします。
ホームページやECサイトは対象外?
通常枠の公式FAQには、ホームページ制作について、次の回答があります。
ホームページ制作(ECサイト制作含む。)は補助対象外です。
製品紹介、会社案内、問い合わせページの制作を、ITを使う仕事だから対象と読み替えることはできません。ネットショップを新しく作る計画も、過去の年度の情報だけで判断しないでください。
製造業なら、対応材質を案内し、図面を添えて問い合わせてもらうサイトの構築と、受け取った相談を社内で管理するソフトの導入は別の仕事です。前者を会社の公開ページ、後者を業務を処理する道具として整理します。
ソフトとサイトを同じ会社へ発注するとしても、全額が対象になるわけではありません。サイト制作を導入設定という項目名へ変えれば対象になる、という扱いにもできません。何を納品し、どの機能のために何をするかを内訳で確認します。
対象のITツールには、どんな条件がある?
公式FAQは、あらかじめ事務局に登録されたITツールで、登録IT導入支援事業者が提供するものの導入費用を対象と説明しています。事業者の登録と、ツールの登録の両方を確認します。
通常枠の案内では、ソフトウェアを必須とし、関連するオプションや役務を挙げています。業務プロセスを持つソフトが必要で、汎用・自動化・分析ツールだけの申請はできません。
| 確かめる区分 |
公式案内にある対象の例 |
| ソフトウェア |
購入費、クラウド利用料 |
| オプション |
機能拡張、データ連携、セキュリティ |
| 役務 |
導入設定、研修、保守サポートなど |
この表は費用の分類です。顧客管理と書いてある製品なら、どれでも対象という意味ではありません。同じ製品名でも、登録されている機能や契約を導入支援事業者へ確認してください。
見積もりを受け取る際には、登録ITツール名、登録番号、申請する枠、導入する機能、利用期間を聞きます。対象となる費用と、自社が別に払う費用も分けてもらいます。事業者の広告に補助金対応とあることだけで、契約を決めないようにします。
どの枠を見ればよい?
2026年度の公式サイトは、通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠を案内しています。インボイス枠は、インボイス対応類型と電子取引類型に分かれています。
枠によって対象の機能、申請要件、手続きは違います。ホームページ制作費を対象にしたいという理由だけで、別の枠を選び直すのではなく、導入する業務機能とその枠の要件を照合します。
10月9日の制度変更の案内は、第7次公募回以降について、通常枠の補助率引き上げ要件や、複数の枠の給与支給総額に関する申請要件などの変更を告知しています。同じ年度内でも、応募する回の資料を読む必要があります。
第7次以降の通常枠要領と、それより前の要領を区別してください。本記事では、自社に当てはまる賃上げ条件や補助率を推測せず、該当回の要領と導入支援事業者への確認へ戻します。
申請前に何を準備する?
最初に、今の業務と改善したい点を書きます。問い合わせを一覧にしたいのか、受注情報を管理したいのかで、必要な機能は違います。ソフトの名前から選ぶ前に、今どこで情報が止まっているかを確認します。
たとえば、サイトの相談フォームを分かりやすくする作業と、届いた相談を営業担当へ割り当てる作業です。フォームの文章を直せば済むのか、担当間で共有する仕組みが必要かを分けます。前者の設計はBtoBサイトの問い合わせ導線で扱います。
申請前に必要な手続きでは、GビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTIONの宣言を要件として案内しています。会社で持っているか、誰が管理しているかを先に確かめてください。
導入支援事業者と準備していても、申請する自社が入力内容を確認します。必要書類や事業計画、申請対象となる事業者の条件も、要領で照合します。アカウントがあることと、補助対象者の要件を満たすことは別です。
交付決定までの流れは?
公式の申請フローと通常枠要領では、ツールの選定、申請、交付決定、契約・導入という順で進みます。選ぶ段階で契約まで進めないようにします。
- 該当回の公募要領を読み、申請要件と対象業務を確認する
- IT導入支援事業者と登録ITツールを選び、見積もりを取る
- GビズIDなど必要な準備を終える
- 導入支援事業者から申請マイページの招待を受ける
- 必要情報と書類をそろえ、事業計画を共同で作成する
- 申請者が内容を最終確認し、宣誓して提出する
- 交付決定を確認してから、契約・導入・支払いへ進む
通常枠の要領は、交付決定前に購入したITツールを対象外としています。別の枠に事前着手の特別な案内があっても、通常枠でも先に契約できるとは判断しません。自社の枠と応募回について確認してください。
制作会社や販売会社へ、交付を前提とした契約を急いでよいか聞くだけで終えず、公式の手続きと契約日を照合します。申請したことだけで交付が保証されるものでもありません。交付されないときの資金と実施方針も決めておきます。
導入した後にも手続きがある?
通常枠の流れには、実績報告、補助金額の確定と交付、その後の効果報告があります。導入支援事業者と作業を分担しても、自社が提出する情報と期限を確認してください。
契約、支払い、導入した機能を確認できる書類をそろえます。契約だけして使い始めていない状態を、運用完了として報告しないようにします。実際に担当者が使えるか、どこに問い合わせるかも導入時に確認します。
補助対象となる期間と、その後の継続費用も分けます。利用料、保守、データの移行や書き出しなど、契約が続く間と終了するときの費用を見ます。初回の自己負担だけでは、使い続けられるか判断できません。
AI機能を導入する場合も、入力できる情報と人の確認を決めます。業務で試す範囲は中小企業の生成AI活用へ進めます。補助金の採否を、出力内容の正確さや安全性の評価の代わりにはしません。
サイト制作の予算はどう分ける?
公開サイトの制作、業務用ツール、社内の確認作業を分けて見積もります。制度に合わせて仕事の名前を変えるのではなく、目的と納品物を先に明らかにします。サイトだけ必要なら、サイト制作の予算として判断します。
業務用ツールを入れるときも、サイトで受けた相談を誰が確認し、どこへ登録するかを決めます。担当者が使う画面と、必要な情報を移す手順まで確認します。
ホームページ制作の費用と内訳で公開側の作業を整理し、ITツールは登録と申請要件を別に調べてください。オウンドメディアの構築と運用を依頼する際も、補助対象の認定を制作の見積もりだけで決めず、該当する制度の窓口へ確認できる内訳をそろえます。
制度・出典の確認日:2026年10月23日。デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠を中心に確認しています。