小規模事業者持続化補助金でホームページを作るなら、販路開拓の計画に必要な経費かを確かめ、交付決定後に発注し、公開と支払いを終えて実績報告まで行います。制作費の一部を支える制度であり、サイトを作れば自動的に給付されるものではありません。
先に、誰へ何を売るためのページか、サイト以外に何を行うか、費用をいつ払えるかを書き出してください。制作会社へ相談する段階と、実際に契約する段階を分けて進めます。
本記事は、2026年10月23日に確認した一般型・通常枠の第20回公募を扱います。商工会議所地区の公募要領と、商工会地区の申請案内から開ける第8版を確認しました。創業型など、別の枠へそのまま当てはめないでください。
ホームページ制作は、どの経費に入る?
第20回要領の14〜15頁では、販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイトなどの開発、構築、更新、改修、運用をウェブサイト関連費としています。商品販売のためのサイト作成や更新、作業内容が明確なSEO対策などが対象例にあります。
製造業なら、新たな用途へ加工サービスを案内し、相談を受けるためのページを作る計画です。対応できる材質、相談条件、必要資料を説明し、販路開拓のどの課題を解決するかを計画へ書きます。これは計画を整理する例で、この内容なら採択されるという意味ではありません。
自社サイトに載せる宣材写真や、商品・サービスを販売するための画像・動画の制作も、同費目で確認します。サイトに関係するものを、制作会社の見積書の名前だけで別の費目へ移さないようにしてください。
第20回では、インターネット広告やSNS広告は広報費の例に記載されています。サイト制作と広告配信をまとめて頼むときも、作業と金額を分けます。前回の申請書を、そのまま流用しないことです。
上限は申請額の1/4ではない?
第20回の要領には、ウェブサイト関連費について次の記載があります。
当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。
これは制作会社へ払う請求額の上限を示す文ではありません。経費に対して申請する補助金額の上限です。制作費、補助対象として計上する経費、補助金交付申請額を分けて予算表へ書いてください。
第19回の公募要領では、補助金交付申請額の1/4、最大50万円という制限でした。第20回を検討しているのに、その計算を使わないようにします。古い解説に1/4とあっても、申請する回の公式要領を開き直します。
第20回の一般型・通常枠は、基本の補助上限が50万円、補助率が2/3です。特例などの要件で変わります。ウェブサイト関連費の上限だけを見て、事業全体の補助額や自社の負担額を確定しないでください。
税込という費目上限の表記と、自社が消費税等を経費へどう計上するかも別です。課税事業者は消費税等を減額して申請する扱いが要領にあります。税の処理を含め、自社に適用される計算を確認します。
ホームページだけでは申請できない?
ウェブサイト関連費のみの申請はできず、必ずほかの経費と一緒に申請する決まりです。サイト制作だけを行いたい会社が、金額を分割して別費目にすれば申請できる、という話ではありません。
たとえば製品の販路開拓に展示会への出展とサイト整備が必要なら、両方の役割と費用を計画で説明します。出展などの各経費にも独自の要件があります。対象として認められるかは、費目ごとに確認してください。
補助金のために不要な作業を追加すると、自社の支出も増えます。サイト制作だけで目的を達成できるなら、補助金を使わない予算でも実施できるかを比べます。費用の作業別の読み方はホームページ制作の見積もりへ進めます。
通常の会社案内を置きたいのか、製品・サービスの新たな販路を作りたいのかも区別します。会社の情報が載るという共通点だけで、どんなホームページでも補助対象と判断しないでください。
対象外になりやすい作業は?
公式要領は対象となる例と、ならない例を並べています。ウェブサイト関連費では、次のような費用が対象外の例です。
- ウェブサイトやシステムに関連するコンサルティング、アドバイスの費用
- 家庭用や一般事務用のソフトウェア
- すでに導入しているソフトウェアの更新料
- 補助事業期間内に運用へ至らなかったホームページやLP
- サイト用画像の被写体や、紹介する商品そのものの購入費
写真制作の費用と、撮る商品の購入費は区別します。サイト構築と、それについて助言を受ける費用も同じ扱いではありません。制作一式という見積もりに両方入っていれば、それぞれの作業を聞き直します。
月額契約など、利用期間が補助事業期間を越えるものは、要領にある期間按分の扱いを確認します。支払いを期間内にまとめたことだけで、将来の全期間が対象になるとは判断しません。
対象例に載る費用でも、計画との関係や実施時期などの要件を満たす必要があります。逆に、要領に名前が見当たらない費用は、自己判断で似た費目へ入れず、所轄の窓口へ確認してください。
いつ制作会社へ発注すればよい?
採択と交付決定は別の段階です。要領の24頁では、採択通知だけでは補助事業を始められず、交付決定日前の発注・契約・支出行為は対象外としています。ホームページ制作も、交付決定後の発注として日程を組みます。
相談や見積もりの段階で、その書面が発注や契約になっていないかを確認します。着手金だけ先に払う、先に作って請求を後日にする、といった進め方で条件を満たすとは考えないでください。
制作会社には、資料を渡す日、原稿を確認する日、公開する日、支払いを終える日を共有します。補助事業の期限に対し、社内の技術確認が間に合うかも見ます。申請した計画を変更する必要が出たら、発注変更の前に事務局の承認が必要かを確認します。
第20回は、申請受付開始が2026年11月5日、締切が12月15日17時の予定です。事業支援計画書の発行受付は12月4日が締切です。これらは申請側の日程で、制作の発注許可日ではありません。最新の予定と所轄の窓口を公式案内で確かめてください。
実績報告には何を残す?
事業を実施した後、実績報告書と支出内容の分かる関係書類などを期限までに提出します。納品されたという連絡だけでなく、何を頼み、何が完成し、いくら払ったかを追えるようにしておきます。
次は制作の記録をそろえるための整理です。正式な提出物は、その回の事務局の実績報告案内で確認します。
| 段階 |
制作側でそろえる記録 |
| 見積もり・発注 |
作業内訳、金額、発注日 |
| 納品・公開 |
納品物、公開URL、運用の確認 |
| 支払い |
請求内容、支払日、支払記録 |
| 報告 |
実施内容と証拠書類の対応 |
報告の審査で要件を満たさなければ、交付決定額より減額される場合があります。期限内に実績報告を確認できなければ、交付決定を取り消すと要領に記載されています。入金を当てにして制作費の支払いを後回しにしないよう、資金も用意します。
制作前に、どこまで決めておく?
私たちは自社メディアで、新しい記事から既存記事へリンクしながら、既存記事から新しい記事へ張り忘れました。出典は自社メディアの運営記録です。ページが完成したかだけでなく、既存サイトから読者が進めるかを見る必要がありました。
補助金を使う制作でも、公開URL、既存ページからの入口、問い合わせの送信までを検収の項目に入れます。これは補助金の審査基準を追加する話ではなく、発注したサイトを使える状態で受け取るための確認です。BtoBサイトの相談導線で、必要な入口を整理できます。
登録ITツールの導入を考えているなら、デジタル化・AI導入補助金との違いを確認してください。継続的な記事制作や計測を頼む費用はオウンドメディアの費用で分けて考えられます。
オウンドメディアの構築と運用を依頼するときも、制作する理由と必要作業から見積もります。補助金の採択や交付を約束するのではなく、制度の確認に使えるよう制作範囲と内訳をそろえてください。
制度・出典の確認日:2026年10月23日。一般型・通常枠、第20回公募要領第8版に基づきます。