リード獲得とは、将来の取引につながり得る相手との接点を作ることです。BtoBでは、資料請求、問い合わせ、個別相談などを通じて相手の関心や連絡先を得ます。
数え始める前に、何をリードと呼ぶかを社内で決めてください。資料を受け取った人と、図面を添えて見積もりを依頼した人を同じ件数へ足すだけでは、営業が次に何をするか分かりません。
このページでは、定義、集計、営業への引き渡しを扱います。展示会や広告などの手段全体はBtoBマーケティングの進め方に任せ、受け取った後の仕事を詰めます。
社内では、何をリードに含める?
接点を得たこと、個別の相談を受けたこと、商談になったことを分けます。社内で使う名称は自由ですが、同じ言葉が集客担当と営業で違う状態を指さないようにします。
製造業の受付を整理する例です。自社で実施している分類や、実測の件数を示す表ではありません。
| 受付の種類 |
相手が依頼したこと |
最初の対応 |
| 資料請求 |
選定資料を受け取りたい |
資料を渡す |
| 問い合わせ |
仕様や受付条件を聞きたい |
質問へ回答する |
| 技術相談 |
自分の条件で可否を知りたい |
技術の確認先を決める |
| 見積もり依頼 |
条件に対する金額を知りたい |
前提と不足資料を確認する |
たとえば、材質の比較資料を請求した設計担当に、すぐ商談の予約を求めると、依頼した対応とのずれが生じます。資料の受け取りと相談希望を別に記録し、相手が求めた返事を先にします。
採用、取材、営業の売り込み、迷惑送信などを、販売先のリードに含めるかも決めます。問い合わせ全体の受信数は残しつつ、売上につながる見込み客の集計では対象外を区別してください。
人数・会社数・案件数を、どう分ける?
リード数という欄を一つだけ作る前に、数える単位を決めます。フォームの送信回数と、相手の人数、会社の数、検討している案件の数は一致しません。
同じ担当者が資料を請求し、後から技術相談を送ることがあります。このとき、行動としてはそれぞれ記録し、同じ相手の検討が進んだことも分かるようにします。新しい見込み客が増えた、とだけは集計しません。
同じ会社から設計と購買の担当が連絡してきても、別の案件とは限りません。逆に、一人の担当者が別の部品を相談するなら、案件を分けて管理する必要があります。会社名だけで自動的に統合せず、担当者が確認します。
集計表には、受付日、受付の種類、重複を判断する社内の管理番号、案件の状態を残します。名簿の全文を広く共有するのではなく、対応する人に必要な情報だけを渡す運用にします。
集計表の前に決めること
- リードに含める受付と、対象外の受付
- 行動・人数・会社・案件のどれを数えるか
- 同じ相手の再連絡と、別案件の判定方法
- 対象期間と、分類を確定する担当
定義を変えたら変更日を残します。以前は資料請求を全部含め、今月から相談だけに絞ったなら、件数の減少を集客の悪化とは判断できません。過去と比べる際も、同じ定義へそろえられるかを確認します。
GA4では、どの行動を数える?
Googleのキーイベントの説明は、事業上の成功に特に重要な行動を測るイベント、と定義しています。フォームなら、送信成功を表すイベントを作成または特定し、キーイベントに指定します。
ボタンを押しただけでは、入力エラーで送信できていない可能性があります。資料請求と技術相談を分けたいなら、その違いを取得できる設計も必要です。同じ完了ページへ着いたことしか測っていなければ、後から種類を読み分けられません。
設定手順と動作確認はGA4のキーイベントで問い合わせを数える方法にまとめています。ここで決めるのは、どの受付の完了を何の成果と呼ぶかです。計測を増やす前に、営業の分類と対応させます。
GA4のイベントへ、問い合わせ本文や連絡先を載せて管理する設計にはしません。内容の確認は受信側で行い、アクセス解析では受付の種類など、行動を区別するための情報を使います。
キーイベントと受信件数が違ったら?
キーイベントは、設定した行動が記録された数です。GA4の数字だけから、重複のない見込み客の人数や、営業が対応できる案件数までは分かりません。
Googleのカウント方法の説明には、発生のたびに数える方法と、セッションごとに数える方法があります。セッションごとの設定にしても、同じ人の別の日の送信や、同じ会社の別担当をまとめる仕組みにはなりません。
正常送信、入力エラー、完了ページの再読み込みを試します。複数のタグが同じ完了を送っていないかも確認します。テストを行った日時は残し、営業の件数と照合するときに識別できるようにします。
受信側では、対象外、同じ案件の再連絡、テストを分けます。GA4と受信記録の差を、すべて迷惑送信やすべて計測漏れとして片づけないでください。何を含んだ数字かを一つずつ確認します。
私たちは自社メディアで、同じページのURL表記をそろえず集計し、表示ページ率が100%を超えた失敗があります。出典はSearch Consoleと自社運営記録、2026年10月23日確認です。リード獲得の実績ではありませんが、数える単位をそろえないと、数字そのものを取り違える経験でした。
営業へ渡す条件は、どう決める?
具体的な相談を受けたら、必要な返事を止めないことが先です。点数が低いから放置する設計にはしません。そのうえで、受注に向けて営業が追う条件と、資料提供や技術回答をする条件を合意します。
製造業の技術相談なら、用途、材質、数量の見通し、分かっている制約と、不明点を確認します。全部が埋まるまで相談を拒むのではなく、どの不足を誰が聞くかも決めます。
営業へ渡す記録には、次を入れます。
- 請求された資料や、相談の対象となったページ
- 相手が求めている返事と、分かっている案件条件
- 自社の対応範囲に合う点と、技術確認が残る点
- 連絡の希望、担当部署、次に返答する期限
- 受け取った後の状態を記録する場所
期限は、自社が守れる体制から決めます。業界平均の対応時間や、裏付けのない商談化率を基準として置きません。担当者が不在のときの引き継ぎ先まで決めると、転送しただけで対応が止まる事態を減らせます。
渡した後は、回答済み、確認中、見積もり中、対象外、保留などの状態を返してもらいます。保留なら、何が決まれば再開するかを記録します。理由が分からなければ推測せず、不明と残します。
追いかけのメールは、何を確認して送る?
依頼された資料や質問への返答と、その後の広告宣伝メールを分けます。リードとして記録したことを、継続配信に同意した根拠にはできません。
消費者庁の特定電子メール法の説明資料は、広告宣伝メールは事前同意が原則としています。取引関係などの例外もありますが、連絡先を得た事実だけで一律に配信できるとは判断しません。
同意を根拠に送るなら、その記録を保存します。配信停止の通知を受けたときの反映や、送信責任者と停止方法などの表示も点検します。具体的な原則と例外はBtoBメルマガと特定電子メール法で確認してください。
製品の比較資料を受け取った人へ連絡するなら、その資料のどの判断を助ける内容かを伝えます。返信がないという理由だけで、同じ商談案内を繰り返す計画にはしません。連絡できる根拠と、相手の希望に沿う内容を両方確認します。
獲得手段は、何を基準に選ぶ?
技術記事は、課題を調べる人へ答えを届けるために使います。展示会は実物を見ながら話す接点、資料は社内で比べる材料として役割を持たせます。最初から手段ごとの獲得単価だけで並べず、検討のどこを助けたいかで選びます。
資料の中身はホワイトペーパーの作り方へ、記事からの案内はCTAの文言と置き場所へ進めます。資料を増やす前に、今ある入口で何を依頼され、誰が受けているかを確かめてください。
私たちのサービスは、聞き取りから記事、相談の入口、計測までの構築と運用です(自社サービス情報、2026年10月23日確認)。記事の納品数だけでなく、入口と計測を一緒に設計する範囲です。リード獲得数や商談化率を保証するものではありません。
オウンドメディアの構築と運用を相談するときは、現在の受付の種類と、営業が追っている案件の条件を用意してください。フォームの件数と営業の記録を対応させるところから、改善するページを決められます。
仕様・法令・出典の確認日:2026年10月23日。