GA4で問い合わせを数えるには、フォームの送信完了を表すイベントを作成または特定し、それをキーイベントに指定します。送信ボタンを押した回数だけでは、問い合わせが届いた回数は分かりません。
設定の前に、自社のフォームを一度使い、正常送信した後の動きを確かめてください。専用のお礼ページへ移るのか、同じページに完了メッセージが出るのかで、計測する方法を分けます。
このページは、GA4をすでに導入しているサイトで、問い合わせ完了の計測を整える手順です。検索結果での表示やクリックを調べる操作は、Search Consoleで見る数字へ進めます。
キーイベントは、旧コンバージョンと同じ?
GA4で以前コンバージョンとして扱っていた重要な行動は、キーイベントという名称になりました。Googleのコンバージョンとキーイベントの説明では、事業の成果にとって重要な行動と、広告の評価・入札に使う行動を分けています。
| 呼び名 |
何を表すか |
問い合わせでの例 |
| イベント |
利用者の操作などの記録 |
問い合わせの送信完了 |
| キーイベント |
事業上の重要な行動として指定したイベント |
送信完了を重要な行動に指定 |
| コンバージョン |
広告の評価や入札に使う重要な行動 |
送信完了を広告の成果に使用 |
現在のコンバージョンは、Google広告とGA4で定義が統一されています。「コンバージョン」という語がGA4の画面に一切出なくなったわけではありません。広告に関する画面でも使われるため、説明を読む際は対象を確かめます。
古い手順書の「コンバージョンをオンにする」を、そのまま今の画面で探さないようにしてください。問い合わせを重要な行動として数えたいのか、広告の入札へ使いたいのかを先に決めます。
問い合わせ完了として、何を測る?
製造業なら、見積もり依頼、技術相談、資料請求などを分けて確認します。どれもフォームを使っていても、営業が受け取る意味は違います。最初は測る対象を一つ決め、正常に完了した瞬間を特定します。
次は設計の例です。実際の自社フォームに、これらの画面や機能があるという意味ではありません。
| フォームの動き |
完了の確認方法 |
計測方法の例 |
| 送信成功後に専用ページへ移動 |
お礼ページの表示 |
page_viewから完了イベントを作る |
| 同じ画面で完了表示 |
フォーム側の成功処理 |
成功時にgenerate_leadを送る |
| ボタンを押すと入力確認へ進む |
まだ送信前 |
問い合わせ完了として数えない |
「送信」ボタンを押しても、必須欄の不足や添付ファイルのエラーで止まることがあります。クリックした事実と、フォームが受け付けた事実を分けます。
フォームの受付条件そのものが分かりにくいなら、計測設定とは別に問い合わせ導線の作り方で見直します。完了件数を正確に数えても、送信前の案内が誤っていれば、対象外の依頼は減りません。
お礼ページの表示からイベントを作るには?
Googleのキーイベントを作成または変更するヘルプは、確認ページへのアクセスから新しいイベントを作る例を示しています。対象ページのpage_viewがGA4へ届いていることが前提です。
既存のpage_view全体を問い合わせ完了へ変更しません。条件に合った表示から、別名のイベントを新規作成します。ここでは公式ヘルプと同じく、イベント名をthank_youとする例で進めます。
- 対象サイトのGA4プロパティを選ぶ
- 「管理」→「データの表示」→「イベント」を開く
- 「イベントを作成」を選び、名前をthank_youにする
- 「コードなしで作成」を選ぶ
- 元のイベントにpage_viewを選ぶ
- URL欄に、実際のお礼ページのURLを設定する
- 必要なキーイベントの指定とカウント方法を確認して作成する
たとえば、お礼ページがhttps://example.com/contact/thanks/なら、そのページを条件にします。これは説明用のURLです。問い合わせ入力ページや、送信前の確認ページを間違えて指定しないでください。
プロパティや画面の表示が違うときは、公式ヘルプと現在の作成画面を照合します。すでに同じ条件のイベントが無いかも、作成前に確認します。以前の担当者が作ったルールに、新しい同一ルールを重ねないためです。
お礼ページの到達は、送信成功の代わりとして使う
直接開けたり、再読み込みで同じイベントが出たりするページなら、実際の問い合わせとずれます。専用ページがあることだけで設定完了にはしません。
問い合わせと資料請求が同じお礼ページを使うなら、そのURLだけでは区別できません。分けて数える必要があるかを決め、フォームの成功処理から区別する設計を制作担当へ渡します。
generate_leadは、いつ使う?
Googleの推奨イベント一覧は、generate_leadのタイミングを次のように示しています。
ユーザーが問い合わせのためにフォームまたはリクエストを送信したとき
推奨イベントは、自動的に送信されるものではありません。すでにフォームの連携機能やタグで送っているかを調べ、無ければ実装します。開発者向けのgenerate_leadの仕様も、フォームなどで見込み客を獲得したときのイベントとして説明しています。
お礼ページに移動しないフォームでは、成功が確定した処理から送る方法を検討します。制作担当への依頼は「ボタンにタグを付ける」ではなく、「送信成功時にgenerate_leadを一度送る」とします。
お礼ページのthank_youと、成功時のgenerate_leadを同じ問い合わせで両方数えると、全キーイベントの合計を問い合わせ数として使えなくなります。どちらを問い合わせ完了の集計に使うか決め、既存の設定を含めて整理します。
イベントの金銭的な値を設定する場合も、架空の受注額を置きません。見積もり依頼が届いたことと、受注したことは別です。何を表す金額かを社内で決められないまま、便宜的な数字を売上として扱わないでください。
既存のイベントをキーイベントにするには?
送信完了のイベントがすでに届いていれば、新しく作り直す必要はありません。Googleのキーイベント指定の手順に沿って設定します。
「管理」→「データの表示」→「イベント」で、「最近のイベント」または検索から対象を探します。イベント名の横にあるスターアイコンを選び、キーイベントとしてマークします。新規作成時は、「キーイベントとしてマークを付ける」の切り替えから指定できます。
必要な権限も確認してください。同ヘルプはマーケティング担当者以上を案内し、既存イベントの操作欄には編集者以上の注記もあります。ボタンが出ないときは、対象プロパティと自分の権限を管理者に照合してもらいます。
名前を登録しただけでは、サイトからイベントが送られるようにはなりません。先に指定した新しいイベントでも、実際に収集されて初めて数えられます。
設定は作成時点以降に反映され、過去のデータは変更されません。前月へさかのぼって件数が埋まるとは考えず、設定日を記録します。直後に標準レポートへ出ないときも、未送信と処理待ちを分けて確認します。
正しく数えられるか、どう試す?
実際のフォームで、正常な送信と、失敗する操作の両方を試します。社内の受信確認ができる内容で行い、テスト分を実際の営業問い合わせに混ぜないよう記録します。
| 試す操作 |
確認すること |
| 正常に送信する |
完了イベントが届き、受信側でも確認できる |
| 必須欄を空にして送る |
完了イベントが出ない |
| お礼ページを再読み込みする |
追加で数えられるか |
| お礼ページを直接開く |
送信せず数えられるか |
| 同じフォームを再度送信する |
決めた数え方と一致するか |
GA4のリアルタイムレポートで、該当するイベントとキーイベントを確認します。表示には時間差があるため、一瞬見えないだけで失敗と判断しません。受信した時刻と、操作した時刻を残して照合します。
二回届くなら、フォーム側の連携とタグ管理の両方で送っていないか、成功処理が繰り返し実行されないかを制作担当に調べてもらいます。キーイベントの設定を外して数字を隠すのではなく、送信元の重複を直します。
カウント方法の公式ヘルプには、「イベントごとに1回」と「セッションごとに1回」があります。前者は発生のたび、後者は同じセッション内の対象キーイベントを一回として数えます。
セッション単位にすれば、不正な二重送信がすべて解決するわけではありません。実際に別の相談を続けて送った行動までまとめることがあります。数えたいものを決め、設定と集計の意味を記録します。
Google広告のコンバージョンとは、どうつながる?
キーイベントは、広告を使わないサイトでも計測できます。広告に利用するなら、Google広告とのリンクと、そのイベントをもとにしたコンバージョンの作成を別に確認します。
Googleの名称整理の説明では、イベントを重要な行動として測ることと、広告の最適化へ使うことを分けています。GA4でマークを付けただけで、すべての広告設定が完了するわけではありません。
すでに広告側のタグでも同じ送信を測っているなら、新しく取り込む設定と二重に扱っていないか、広告担当と照合します。今回測る対象が問い合わせなのか資料請求なのかもそろえます。広告の入札に何を使うかは、GA4の総数だけで決めません。
月次の確認では、どの数字と並べる?
問い合わせ完了のキーイベントだけを選び、期間をそろえてフォームの受信記録と比べます。ずれがあれば、テスト、再読み込み、重複、受付の種類などを確認します。GA4の数字をそのまま受注件数と呼ばないでください。
検索から読まれた状況はSearch Consoleで、サイト上の完了はGA4で、商談や受注は営業の記録で確認します。同じ指標へまとめず、どの段階で止まっているかを読みます。
AIをきっかけに知った人も、後で社名を検索して問い合わせることがあります。経路の解釈はAI経由の効果の見方で扱い、AI回答内の名前やリンクは毎月の星取り表で別に残します。
計測と改善の作業に渡す記録は、イベント名、発生条件、キーイベント指定日、カウント方法、動作確認の結果です。フォームの改修時もこの記録へ戻り、送信成功と計測の条件がずれていないかを確認します。
仕様・出典の確認日:2026年10月22日。