ドメインパワーとは、外部のSEOツールがサイトの強さを数値化する独自指標の通称です。Googleが公開する共通の点数ではなく、どのツールの何という指標かによって意味が変わります。
自社の数字を見て不安になったら、点数を上げる契約の前にSearch Consoleを開いてください。検索に出ているページ、検索語、表示回数、クリックを確認します。外部ツールの数値と、実際に自社が検索でどう表示されたかは分けて読みます。
Search Consoleの具体的な見方は最初に見る4つの数字と表示ページ率にまとめています。このページでは、ドメインパワーと呼ばれる指標が何を表し、どこまで判断に使えるかを扱います。
AhrefsのDRとMozのDAは、何を測る?
代表的な二つを、各社の公式説明で確認します。「ドメインパワーが上がった」という報告を受けたら、次のどれか、あるいは別の指標なのかを確かめてください。
| 指標 |
提供元 |
公式説明での意味 |
| DR(Domain Rating) |
Ahrefs |
サイトの被リンク構成の強さ |
| DA(Domain Authority) |
Moz |
検索結果で順位を得る力の予測 |
AhrefsのDRの定義は、独自の指標と明記しています。値は0〜100の対数尺度です。高い数値へ進むほど上げにくく、低い範囲の1点と高い範囲の1点を同じ差としては扱いません。
DRには、リンク元のドメイン数、リンク元のDR、リンク元がいくつのサイトへリンクしているかなどが関わります。記事本文の正確さ、営業の対応、会社の信用すべてを採点した数字ではありません。
Mozの公式資料「Authority Scoring」は、DAを検索順位の予測に役立てるために開発した指標と説明しています。被リンクなどのデータを使うモデルによる数値です。ここでは現行画面の操作ではなく、指標の意味と使い方をこの資料で確認しています。
提供元が違えば、集めているデータや計算も違います。DRとDAが同じ値でも、同じ強さだとは判断できません。月次資料に載せるなら「ドメインパワー」とだけ書かず、ツール名、指標名、対象ドメイン、確認日を添えます。
Googleが使う点数ではない、とはどういうこと?
外部ツールの値が、そのままGoogleの順位計算へ渡されるという意味ではない、ということです。Mozの同資料は、DAがGoogleのランキング計算で使われる指標ではないと説明しています。
it is not a ranking signal
これはDAについてのMoz自身の説明です。Googleの担当者の発言として紹介するものではありません。被リンクを評価する仕組みがあることと、外部ツールの点数が使われることは別です。
Googleの検索ランキングシステムのガイドは、個々のページを順位付けするため、さまざまなシグナルを使うと説明しています。サイト全体の情報も使いますが、サイト全体の良い情報があるから全ページが高く表示されるわけではない、としています。
「Googleはサイト全体を一切見ない」という結論にもなりません。自社で確認できるのは、DRやDAがツール独自の指標であり、Googleの公式な点数として扱えないことです。
製造業なら、大規模な総合サイトと、小さなメーカーの図面付き製品ページを比べる場面があります。発注者が型番の寸法を調べているなら、必要なのはその仕様です。ドメイン全体の数値だけでは、どちらのページがその質問へ答えているかは分かりません。
何点あればよい、という基準はある?
全業種に共通する合格点は置きません。検索語も事業も違うサイトを、点数だけで並べても、自社が直す内容は決まらないためです。
比較するなら、同じツールで、実際に狙う検索語の結果に出るサイトを見ます。自社と同じ種類のページか、メーカーの製品情報か、解説記事かも確認してください。総合サイトのトップと自社の技術記事を比べて、点差だけを報告するのは避けます。
DAはドメインを比較するための指標で、試験の合格点のように読むものではないとMozも説明しています。点数を目標にする前に、その比較から何を判断するかを決めます。
たとえば、競合の紹介元を調べる入口として外部ツールを使い、実際の掲載ページを開く方法があります。所属団体の紹介なのか、製品が参照された記事なのかを読めば、自社にも公開できる情報があるか検討できます。点数の高い掲載元ならどこでもよい、という使い方にはしません。
数字が下がったら、何を確かめる?
即座にGoogleのペナルティとは判断しません。対象がドメイン全体か一つのURLか、前回と同じツールか、計算やデータに変更がないかを確認します。
Mozの資料は、DAが相対的な指標で、リンクのデータや計算の変更でも値が動くと説明しています。自社が何も変えていなくても、数値が変わる余地があります。
次に、Search Consoleで同じ期間の対象ページを見ます。表示が減っているなら検索語やページを分け、季節の需要、公開ページの変更、登録状況などを調べます。外部ツールの点数が下がった日を、原因が確定した日とは扱いません。
| 確認すること |
分かる範囲 |
| 外部指標の値と確認日 |
そのツールでの変化 |
| Search Consoleの対象ページ |
Googleでの表示やクリックの変化 |
| 自社の変更履歴 |
何をいつ変えたか |
| 実際の検索結果と競合ページ |
その時点の表示と情報の違い |
検索に出なくなったページはインデックスと掲載状況の確認へ、表示があるのに読まれないページはクリックされないページの見直しへ進めます。症状に合わせて、調べる場所を選びます。
数字を上げるためのリンク購入は、なぜ問題?
Googleのリンクスパムのポリシーは、検索順位を操作する目的のリンク作成を問題にしています。順位評価を渡すリンクを金銭などで売買することも、その例です。
「DRを上げるだけ」という説明でも、実際の作業が検索順位を上げるためのリンク購入なら、名称を変えて問題を避けることはできません。掲載元が自社の事業とどう関わるか、何を公開し、どこへリンクするかを確認します。
有料広告の掲載自体を、一律に禁止する話ではありません。Googleは広告やスポンサー活動のリンクにsponsoredまたはnofollowで関係を示す方法を案内しています。属性を外すことを条件に順位評価を買う話と分けてください。
リンクの獲得方法と属性の詳しい扱いは被リンクの意味と避けるべき増やし方で説明しています。ここではリンク購入を、ドメインパワー改善の通常業務として受け入れないことを確認します。
自社の評価では、Search Consoleを先に見る
Googleの検索パフォーマンスの説明では、検索語、ページ、表示回数、クリック、平均掲載順位などを確認できます。自社の検索で何が起きたかを調べるためのデータです。
私たちも、外部ツールの流入ページ推定で「13ページ・流入0」と出たサイトを、Search Consoleで確かめ直した経験があります。外部の推定より多くのページが実際には検索に出ていました。出典は自社メディアの運営・照合記録です。過去の照合経験であり、現在の各ツールの精度を比較した数字ではありません。
これはDRやDAを測った経験ではありません。外部の推定と、自社が取得できる検索実績を混同しないための失敗談です。ツールが違う数字を出したとき、どちらが何を測っているかを確認する必要がありました。
私たちは、自社の改善判断ではSearch Consoleの実測を先に見ます。競合を調べる外部指標は補助として使い、検索結果への表示やクリックの代わりにはしません。
月次の報告では、何を成果として残す?
最初に、直したページと、そのページが受け持つ検索語を置きます。次に同じ期間で表示やクリックを比較し、問い合わせにつながったかを別に確認します。ドメインパワーを載せるなら、その後の補助情報です。
外部指標だけが上がり、主力ページの表示が変わらないなら、「検索で読まれるようになった」とは報告しません。反対に外部指標が動かなくても、必要な検索語で製品ページが見られたなら、その変化を記録します。
改善依頼も「点数を上げたい」から始めず、「主力製品のどの問いに答えられていないか」を決めてください。計測と改善の作業では、点数より先に、次に直すURLと不足している情報を明らかにします。
仕様・出典の確認日:2026年10月22日。