検索ボリュームは、キーワードプランナーで月あたりの検索数の推定を、Googleトレンドで増減と季節を、Search Consoleで自社に届いている語を見て調べます。3つとも同じ「検索の数字」に見えますが、測っているものが違います。
調べる前に、営業でよく受ける質問を5つほど書き出しておきます。たとえば「樹脂 ヒケ 原因」「アルミ 切削 単品」のように、お客様が使う言い方で書きます。道具に入れる語は、そこから作ります。
3つの道具は、何を数えている?
| 道具 |
出てくる数字 |
その数字の意味 |
| キーワードプランナー |
月間平均検索ボリューム |
世の中でその語が検索された推定 |
| Googleトレンド |
0〜100の人気度 |
時期や地域による増減の相対値 |
| Search Console |
表示回数・クリック |
自社のページが出た回数と押された回数 |
同じ語を3つに入れても、返ってくる数字はそろいません。単位が違うからです。キーワードプランナーの320と、トレンドの100と、Search Consoleの表示50は、比べることも足すこともできません。
キーワードプランナーは、Googleの製品案内で無料のリソースとされています。Search Consoleも、ヘルプの概要でGoogleの無料サービスと説明されています。
役割を決めておくと迷いません。語の候補を広げるのはキーワードプランナーと関連語の道具、時期を決めるのはトレンド、書いた後の答え合わせはSearch Consoleです。
調べる語は、どう作る?
道具に入れる語は、社内の呼び方ではなく、お客様の言い方で作ります。社内で「二次加工」と呼んでいる仕事を、発注する側は「穴あけ 追加工」「樹脂 タップ加工」と書いてくることがあります。
作り方は3段です。
- 営業のメールや問い合わせの文面から、お客様が使った言葉を拾う
- 「材料+加工」「現象+原因」「加工+小ロット」のように組み合わせる
- 関連語の道具で、ほかの言い方が無いかを確かめる
3で増えた語は、すべてを調べる必要はありません。自社が答えられる語だけを残します。関連語やサジェストの集め方は調査道具の使い分けにあります。
地域を付けた語も別に作ります。「広島 板金」のような語は、地域を付けない語と検索する人の目的が違います。キーワードプランナーでは、地域の設定も語ごとに記録します。
キーワードプランナーの数字は、どう読む?
Google広告のヘルプにある指標の説明では、月間平均検索ボリュームを、指定した期間と地域で、その語と類似パターンが検索された平均回数としています。既定では12か月間の平均です。
ここで2つのことが分かります。1つは、表記ゆれや似た言い方が一緒に数えられていることです。「切削加工 アルミ」と「アルミ 切削加工」を別々に調べて足すと、同じ人の検索を二重に数えるおそれがあります。
もう1つは、年間の平均だということです。展示会の前や年度末に集中する語は、平均だけを見ると山がならされます。同じ画面で月ごとの値を開き、多い月と少ない月を書き留めます。
使い始めの条件や、語の入れ方の手順はキーワードプランナーの記事にまとめています。広告アカウントの設定が要る点は先に確認してください。
幅で表示されたときは
数字が幅で出た場合は、幅のまま記録します。中央の値を取って細かい数のように扱うと、元の画面に無い精度を足すことになります。幅が重なる2つの語は、どちらが多いかを決めません。
表示されない語もある
利用方法のヘルプは、検索ボリュームが非常に少ない語と、デリケートな話題とみなされる語は、候補や予測の対象にならないと書いています。BtoBの細かな語では、数字が出ないことがよくあります。
数字が出ない語を表で0と書くと、あとで「需要がない」と読まれます。空欄のまま「表示なし」と書き、営業で何回聞かれたかを横に添えます。
Googleトレンドで、季節と増減を見る
Googleのデータの説明によると、トレンドは実際の検索リクエストのサンプルを使います。各時点の数を、その地域と期間の検索の合計で割り、0〜100の範囲に調整して表示します。
このため、トレンドで分かるのは「いつ増えるか」「どの地域で関心が高いか」です。何回検索されたかは分かりません。100は、その条件の中でいちばん高かった時点という意味です。
季節の読み方で気をつけるのは、1年だけで決めないことです。5年の期間で見て、毎年同じ月に山が来るなら季節の動きです。1回だけの山は、ニュースや制度の変更など別の理由を疑います。
製造業なら、補助金の公募や規格の改正のあとに、関連する語が一時的に増えることがあります。山が来てから書き始めると間に合わないので、毎年の山の2〜3か月前に公開する計画を立てます。
地域の地図や、語を並べて比べるときの条件のそろえ方はトレンドの使い方で扱っています。
Search Consoleで、自社に届いている語を見る
サイトを公開しているなら、外の道具より先にSearch Consoleを開きます。検索パフォーマンスの説明のとおり、どんな検索語で自社のページが表示され、押されたかが分かります。
ここで出る表示回数は、世の中の検索回数ではありません。自社のページが検索結果に出た回数です。同じ語でも、10位なら表示は多く、50位なら少なくなります。
同じヘルプは、一覧に出ている語で自分で検索しても、自社のページが出ないことがあると説明しています。時間、場所、端末、その人の最近の検索で結果が変わるためです。自分の画面で見えないことを、表示されていない証拠にしないでください。
見方の基本は最初に見る数字の記事にあります。表示はあるのに本文で答えていない語を探すのが、ここでの使い方です。
公開から日が浅いサイトでは、Search Consoleに語がほとんど出ません。その間は外の道具の推定で書く順番を決めます。表示が出始めたら、Search Consoleの語で答えの抜けを探す作業に切り替えます。
調べた数字は、どう残す?
検索数は、調べた条件が変わると同じ語でも変わります。語の横に条件を書いておかないと、次に調べたとき、増えたのか条件が違うのか分からなくなります。
- 語(お客様が使う言い方のまま)
- 道具の名前と、出てきた数字の種類
- 地域・言語・期間
- 取得した日
- その語で検索する人が知りたいこと
- 答えるページのURL(無ければ「新規」)
5と6が大事な列です。数字だけの表は、記事を書く理由になりません。その語を検索する人の疑問と、自社のどのページが答えるかを書いて、初めて執筆の順番が決まります。
私たちの実測(2026年10月)
採用の数字を集めた自社サイトで、ランキングのページの呼び名を決めるために月の検索数を測りました(Google広告の検索数をDataForSEO経由で取得、2026年10月24日)。
| 語 |
月の検索数 |
| 離職率 ランキング |
320 |
| 有給取得率 ランキング |
70 |
| 有給休暇取得率 |
30 |
出典:DataForSEO 経由の Google 広告の検索数、2026年10月24日取得
この数字は、ページの題にどちらの呼び名を使うかを決めるために使いました。320の語で何回訪問されるかを見込む数字としては使っていません。訪問は、公開後にSearch Consoleで別に追います。
数字が大きい語から書けばいい?
検索数の大きさは、読者の数の上限の目安でしかありません。大きな語ほど、検索する人の目的がばらばらになりやすく、学生の調べものと発注の相談が混ざります。
「射出成形」だけの語より、「射出成形 試作 小ロット」のような語のほうが、検索数は小さくても、検索する人の目的が絞られています。どちらを先に書くかは、検索結果の上位を開いて、どんなページが並んでいるかを見て決めます。読み方は検索意図の読み取り方にあります。
検索数を調べたあとの、書くページの決め方はキーワード選定の手順に進んでください。ラッコキーワードのような関連語の道具との分担は調査道具の使い分けにまとめています。
検索数は一度調べて終わりにしません。書く前に1回、公開して3か月ほどたったら同じ条件でもう1回調べます。2回目の数字が大きく違えば、季節の動きか、言い方が変わったのかをトレンドで確かめます。言い方が変わっていたら、題と見出しの言葉を合わせ直します。
調べた語は、公開後に計測と改善の作業で答え合わせをします。調べたときの検索数と、公開後の表示回数を同じ列に書かないでください。前者は見込み、後者は実績です。
仕様・出典の確認日:2026年10月25日。