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COLUMN 30 / AIでの見え方の測り方

AI経由の効果の見方:知ったきっかけ・社名検索・AIからの訪問を並べて読む

公開 2026.10.02文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • AI経由の効果は、知ったきっかけ・社名検索・AIからの訪問の3つを並べて読む。どれか1つでは足りない
  • GoogleのAI Overviews や AIモードからのクリックは、通常の検索の数字に含まれていて切り分けられない
  • 私たちも相談フォームに「知ったきっかけ⁠」⁠を足したばかりで、まだ結果は無い
目次

AI経由の効果は、1つ⁠の数字では測れません。相談フォームの「知ったきっかけ⁠」⁠、Search Consoleで見る社名を含む検索の推移、GA4で見るAIサービスからの訪問。この3つを並べて読みます。

1つずつでは足りないのは、それぞれ取りこぼす人が違うからです。AIの答えを読んで社名を知った人は、答えの中のリンクを押さずに、あとで社名を検索して来るかもしれません。そうなると、アクセス解析では「検索から来た人⁠」⁠に見えます。逆に、社名検索が増えても、それがAIのおかげかは分かりません。それぞれの数字が取りこぼすところを、ほかの数字で埋めます。

見るもの 分かること 分からないこと
知ったきっかけ 相談した人の自己申告 相談しなかった人
社名を含む検索 社名を知った人の増減 何で知ったか
AIからの訪問 リンクを押して来た人 リンクを押さなかった人

相談フォームの「知ったきっかけ」は、いちばん直接の手がかり

相談してきた人に「何で知りましたか⁠」⁠と聞くのが、いちばん直接の方法です。アクセス解析では見えない「AIで社名を知って、あとで検索した」人も、ここなら拾える可能性があります。

私たちも、相談フォームに「ナギサコーポレーションを知ったきっかけ」という欄を足しました。選択肢は次の5つです。

  • Google・Yahoo!などの検索
  • ChatGPT・Gemini・PerplexityなどのAI
  • Instagram・SNS
  • 知人・取引先の紹介
  • その他

足したばかりなので、まだ結果はありません。AIを選んだ相談が何件あったかを、ここで言える段階ではないということです。数か月分がたまったら、星取り表の記録と並べて見る予定です。

欄を作るときに気をつけたこと

必須にはしていません。必須にすると、急いでいる人が適当に選んだり、送信をやめたりするおそれがあるからです。そのぶん空欄が出るので、件数は「回答した人のうち⁠」⁠で見ます。

選択肢は、AIと検索を分けました。取引先から見ると、GoogleのAI Overviewsは「検索」です。AIを選んだ人は、ChatGPTのような対話型のAIを思い浮かべていると考えるのが自然です。この欄でAI Overviewsの効果を測ることはできない、と割り切っています。

選択肢を増やしすぎないことも大事です。AIのサービス名を全部並べると、フォームが長くなります。どのAIだったかを知りたい場合は、相談の後のやりとりで聞けば足ります。

自己申告には偏りがある

「何で知ったか⁠」⁠を正確に覚えている人ばかりではありません。最初にAIで知り、展示会で会い、最後は紹介で相談した人は、どれか1つを選びます。件数は傾向を見る材料にして、1件ずつの真偽にはこだわらないでください。

Search Consoleで、社名を含む検索の推移を見る

AIの答えで社名を知った人が、あとで社名を検索して来る。この流れがあるなら、社名を含む検索が増えるはずです。Search Consoleのパフォーマンスレポートで、検索語を絞って推移を見ます。

見方

パフォーマンスレポートで検索キーワードのフィルタを開き、「次を含むクエリ⁠」⁠に社名を入れます。Googleのフィルタの説明⁠にあるとおり、正規表現を使えば複数の書き方をまとめて絞れます。

社名は、取引先が打ちそうな書き方を全部拾います。カタカナ、英字、略称、「株式会社⁠」⁠の有無、よくある打ち間違い。製造業なら「〇〇樹脂」「〇〇樹脂工業」「marumaru jushi」のように、いくつかの形で検索されることがあります。

見るのは表示回数の月ごとの推移です。社名の検索は、検索した人が社名を知っていたことの表れなので、クリックより表示回数のほうが「知られ方⁠」⁠に近い数字になります。

気をつけること

社名を含む検索の数は、すべてが出てくるわけではありません。GoogleのSearch Consoleのデータの説明⁠によると、2〜3か月⁠の間に数十人程度より少ない人しか使っていない検索語は、利用者のプライバシーを守るために表から除かれます。社名がまだ知られていない会社では、社名検索の多くがこの「匿名化されたクエリ⁠」⁠に入り、数字にほとんど出ないことがあります。

社名検索が増えても、AIのおかげとは限りません。展示会、紹介、広告、SNS、業界紙の記事でも増えます。こうした出来事の日付を、推移のグラフの横に書き込んでおくと、時期が合うかを見分けられます。

私たち自身の自社メディアでも、立ち上げ間もないサイトでは、社名での検索が一般的な語より先に上がる様子が見られました(例:ある会社名+評判で10位。Search Console、2026年8月22日時点⁠)⁠。これは社名検索の順位の話で、AIの効果を示すものではありません。社名で検索されたときに出るページを用意しておく意味はある、という程度に受け止めています。

GA4で、AIサービスからの訪問を見る

AIの答えの中のリンクを押して来た人は、アクセス解析で見られます。

AI Assistant チャネル

GA4には、訪問を来た経路ごとにまとめる既定のチャネルがあり、その中に「AI Assistant⁠」⁠があります。Googleの既定のチャネルの説明では、ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grokなどから来た訪問の経路と説明されています。

ここで見落としやすいのが、GoogleのAI Overviews と AIモードは、このチャネルに入らないと明記されている点です。GoogleのAI機能から来た訪問は、通常の検索と同じ扱いになります。

ChatGPTが付ける目印

OpenAIは出版社と開発者向けのFAQで、ChatGPTが紹介先のURLに utm_source=chatgpt.com という目印を付けると説明しています。GA4の「参照元⁠」⁠でchatgpt.comを探すと、ChatGPTから来た訪問が見られます。

確かめられていないこと

AIサービスのすべてが、紹介先に参照元を渡しているとは限りません。スマートフォンのアプリからリンクを開いた場合に参照元が渡らず、「直接⁠」⁠の訪問として数えられることがある、と言われることがあります。私たちは、どのサービスがどの場合に参照元を渡すかを、各社の公式の説明で確かめられていません。PerplexityやClaudeから来た訪問がAI Assistantチャネルに入るかも、上の説明には名前が挙がっておらず、確かめられていません。

そのため、GA4のAIからの訪問の数は「少なくともこれだけはある」という下限として見てください。チャネルの分類だけに頼らず、参照元の一覧に、知っているAIサービスの名前が出ていないかも、月に1回見ておくと安心です。

GoogleのAI機能だけは、表示回数まで分かる

GoogleのAI Overviews と AIモードについては、Search Consoleの生成AI機能のパフォーマンスレポートで、AI機能の中で自社へのリンクが表示された回数を見られます。2026年8月31日に、世界中のすべてのサイトへ提供が広がりました。

ただし分かるのは表示回数だけで、クリックの数や検索語は出ません。AI機能から来たクリックは、GoogleのAI機能についての説明⁠にあるとおり、パフォーマンスレポートの「ウェブ⁠」⁠の検索の中に含めて集計されます。AI Overviewsから来たクリックだけを切り出す方法は、公式には用意されていません。

Microsoft CopilotやBingのAIによる要約については、Bing Webmaster ToolsのAI Performanceで、出典として示された回数が見られます。こちらもクリックの数は出ません。

3つ⁠を並べて読む

月に1回、3つ⁠の数字と、AIの答えを記録した星取り表を同じ時間軸に並べます。読み方の例を挙げます。

  • 星取り表で名前が出る問いが増え、同じ時期に社名検索の表示回数が増え、「知ったきっかけ⁠」⁠でAIを選ぶ人が出てきた。この3つがそろえば、AIの答えが相談につながっている可能性が高い
  • 星取り表では名前が出ているのに、社名検索も相談も動かない。その問い自体があまり聞かれていないか、答えの中の説明が相談したくなる内容になっていない。答えの全文を読み直す
  • AIからの訪問は少ないのに、「知ったきっかけ⁠」⁠でAIを選ぶ人がいる。リンクを押さずに社名で検索して来ている可能性がある

どの読み方も「可能性」までです。AIの答えの揺れも、社名検索の匿名化も、自己申告の偏りもある中で、1か月⁠の数字から因果を言い切ることはできません。数か月続けて同じ傾向が出るかを見ます。

星取り表の付け方はAIでの推薦を記録する、毎月の星取り表に、そもそもどの問いで記録するかはAIに聞かれる「問い⁠」⁠の決め方⁠にまとめています。Search Consoleの基本の見方はSearch Consoleで最初に見る4つの数字で、測るもの全体の整理はAIでの見え方の測り方⁠で説明しています。

よくある質問

ChatGPTから自社サイトに来た訪問は、GA4で分かりますか?

ChatGPTの答えの中のリンクから来た訪問は、GA4で見られます。OpenAIは、ChatGPTが紹介先のURLに utm_source=chatgpt.com を付けると説明しています。GA4には、ChatGPTやGeminiなどからの訪問をまとめる「AI Assistant」という既定のチャネルもあります。

AI Overviewsから来たクリックは、Search Consoleで分けて見られますか?

分けて見ることはできません。Googleは、AI機能に表示されたサイトのトラフィックは、パフォーマンスレポートの「ウェブ⁠」⁠の検索の中に含めて集計すると説明しています。生成AI機能のパフォーマンスレポートで分かるのは、AI機能での表示回数です。

社名での検索が増えたら、AIの効果だと言えますか?

それだけでは言えません。展示会、紹介、広告、SNSでも社名検索は増えます。社名検索の推移に、相談フォームの「知ったきっかけ」や、AIの答えを毎月記録した表を重ねて、時期が合うかを見ます。

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