
この記事の答え
- RPAは、画面のクリックや入力をソフトに覚えさせて自動で繰り返す
- 手順が決まっていて毎日くり返す作業に向く。判断が要る作業には向かない
- データがGoogleのサービスにあるならGAS、文章の下書きなら生成AIが先
目次
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、人がパソコンの画面でしているクリックや入力の手順をソフトに覚えさせ、自動で繰り返させる仕組みです。表計算ソフトから値を写して、別のシステムの画面に打ち込む。毎朝、決まったサイトを開いて数字を写す。こうした作業を、人の代わりに画面の上でこなします。
たとえばMicrosoftのPower Automate for desktopは、画面の部品や画像、座標を手がかりにパソコンを操作し、手間のかかる作業を自動にするWindowsのアプリとして案内されています。
RPAが向く作業、向かない作業
| 向く |
向かない |
| 手順が毎回同じ |
毎回、人の判断が要る |
| 1日に何十回もくり返す |
月に1回しかやらない |
| 画面の作りがあまり変わらない社内システム |
画面がよく変わる外部のサイト |
| 入力する値が表にそろっている |
値が紙やメールの文章に散らばっている |
月に1回の作業を自動にしても、作る手間のほうが大きくなりがちです。くり返しの回数が多く、手順が変わらない作業から選びます。
GAS・生成AIとの使い分け
自動にしたい作業が決まったら、どの道具が合うかを考えます。
- データがGoogleスプレッドシートやGmailにあるなら、まずGAS。画面を操作せずにデータを直接扱えるので、速く、止まりにくい。詳しくはGASとは
- 紙やFAXの書類を文字にしたいなら、OCR。詳しくはOCRとは
- 文章の下書きや要約、問い合わせへの返事の案なら、生成AI。詳しくは生成AIの業務活用
- 画面からしか操作できない社内のシステムへの入力なら、RPA
1つの作業を、道具を組み合わせて置き換えることもあります。たとえば、FAXの注文書をOCRで文字にし、スプレッドシートに貯め、社内の受注システムへの入力だけをRPAに任せる、という流れです。
入れる前に決めること
止まったときに誰が気づくか
RPAは、画面の作りが変わったり、想定外の確認画面が出たりすると止まります。いちばん困るのは、止まったことに誰も気づかず、入力が抜けたまま日が過ぎることです。止まったら担当者にメールが届くようにし、手作業でどこから続けるかを決めておきます。
作った人がいなくなっても直せるか
画面の手順を覚えさせた中身は、作った人にしか分からなくなりがちです。どの画面で何をしているかを、手順書として残します。
外部のサイトを自動で操作するとき
取引先のサイトや公的なサイトを自動で操作する場合は、そのサイトの利用規約で自動の操作が禁じられていないかを確かめます。短い間隔で何度も読み込むと、相手のサーバーの負担にもなります。考え方はスクレイピングは違法?で説明しています。
どこから始めるか
まずは、社内で「毎日、同じ画面に、同じ順番で打ち込んでいる」作業を書き出し、回数の多い順に並べます。上から1つだけ選んで自動にし、1か月動かして止まり方を見てから、次に広げます。道具の選び方全体は業務効率化ツールの選び方に、ほかの記事はオウンドメディアのカテゴリにまとめています。
よくある質問
RPAはどんな作業に向いていますか?
手順が毎回同じで、くり返しが多い作業です。たとえば、受注の一覧を見ながら社内の古いシステムに1件ずつ打ち込む、毎朝決まったサイトから数字を写して表にする、といった作業です。人の判断が要る作業や、画面の作りがよく変わるサイトの操作には向きません。
RPAとGASは何が違いますか?
GASはGoogleのスプレッドシートやGmailの中のデータを、プログラムで直接扱います。RPAは、人と同じように画面の上でボタンを押し、文字を入れます。データがGoogleのサービスにあるならGASが速く確実です。画面からしか操作できない社内のシステムには、RPAが向きます。
RPAが止まったらどうなりますか?
画面の作りが変わったり、想定外の確認画面が出たりすると、途中で止まります。止まったときに誰が気づき、手作業でどこから続けるかを、入れる前に決めておきます。止まったことに気づかないまま、入力が抜け落ちるのがいちばん困ります。