アンカーテキストとは、リンクとしてクリックできる文字の部分のことです。内部リンク(同じサイトの中のページどうしをつなぐリンク)では、アンカーテキストを「こちら」ではなく、リンク先に何が書いてあるかが分かる具体的で簡潔な言葉にします。
そのうえで、大事なページには、サイト内の別のページから少なくとも1本はリンクが届くようにします。どちらもGoogleが公式に書いていることです。
Googleはアンカーテキストについて何と言っているか
GoogleはGoogle の SEO リンクに関するベスト プラクティスで、アンカーテキストの書き方を例つきで説明しています。
悪い例として挙げられているのは、「こちらをクリックして詳細をご確認ください。」の「こちら」や、「詳細」とだけ書いたリンクです。良い例は、「購入できるチーズの完全な一覧については、チーズの種類の一覧をご覧ください。」のように、リンク部分だけ読んでも行き先が分かるものです。
同じページでGoogleは、良いアンカーテキストを「内容が具体的で、適度に簡潔で、テキストが掲載されているページとリンク先のページの両方に関連があるテキスト」と表現しています。SEO スターター ガイドでも、適切なアンカーテキストがあれば、ユーザーと検索エンジンはリンク先にアクセスする前に内容を把握しやすくなると書いています。
公式に書かれている注意点
同じページには、次の注意も並んでいます。
- リンクは、
href 属性を持つ <a> 要素で書く。スクリプトで動かすだけのリンクは、Googleが確実には読み取れない
- アンカーテキストにキーワードを詰め込むことは、スパムに関するポリシーの違反になる
- リンクを隣り合わせに並べすぎると、見分けにくく、前後の文脈も失われる
- 画像をリンクにする場合は、画像の内容を説明する代替テキスト(alt)を付ける
製造業のサイトで引っかかりやすいのは、1つ目と4つ目です。メニューを画像のボタンで作っていて代替テキストが空だったり、ボタンを押すとスクリプトで画面が切り替わるだけで <a href> が無かったりすると、人には押せてもGoogleにはつながりが伝わりません。
製造業のサイトでの、良い例と悪い例
樹脂成形メーカーの技術コラムで、ヒケの記事から、肉厚とリブの設計の記事へリンクする場面を考えます。
| 書き方 |
例 |
問題 |
| 曖昧 |
設計の注意点は「こちら」 |
行き先が分からない |
| 詰め込み |
「射出成形 ヒケ 対策 リブ 肉厚 設計 成形メーカー」 |
不自然。ポリシー違反の恐れ |
| 良い例 |
ヒケを防ぐには「リブの厚みと根元の設計」が効きます |
行き先が分かり、文として自然 |
表の「」で囲んだ部分がアンカーテキストです。良い例は、文章の途中に自然に入っています。読者は、その言葉が気になったところでそのまま移動できます。
同じ記事への言い方は、少しずつ変えてかまわない
1つの記事へ、サイト内の何本ものページからリンクすることがあります。そのとき毎回まったく同じ言葉にそろえる必要はありません。ヒケの記事へのリンクなら、ある記事では「ヒケの原因」、別の記事では「表面のへこみ(ヒケ)の対策」のように、張る側の文脈に合わせて書きます。Googleの言う「両方のページに関連があるテキスト」は、この張る側の文脈も含んでいると私たちは読んでいます。
内部リンクは、どこに何本張ればいいのか
本数の公式な目安はありません。Googleが書いているのは、関心のあるすべてのページに、同じサイトの少なくとも1つの別ページからリンクがあることが推奨される、ということです(Google の SEO リンクに関するベスト プラクティス)。
どこから張るかは、階層で考えると迷いません。
- 上から下:ハブ→カテゴリ→記事。カテゴリページから、その下の記事すべてへ
- 横:関係の深い記事どうし。ヒケの記事から、ヒケが出やすい材料の記事へ
- 下から上:パンくずと、本文の中から、ハブやカテゴリへ戻るリンク
ECサイト向けの資料ですが、Googleは「サイトの他のページからリンクされていることが多いページほど、サイト上の相対的な重要度が高くなります。」とも書いています(Google が理解しやすい e コマース サイトの構造)。受け皿として育てたいページ、たとえば「エンプラとは」のような入口のページには、関係する記事の本文から意識してリンクを集めます。階層の組み方はハブページと階層構造の作り方にまとめました。
サイドバーやフッターの一覧だけに頼らない
全ページに同じ「人気記事」「新着記事」の一覧を出すと、リンクの本数は増えます。ただ、その一覧はどのページでも同じなので、ページどうしの関係はほとんど伝わりません。読者にとっても、いま読んでいる内容と関係があるとは限りません。本文の中で、話の流れに沿って張るリンクを主にします。
私たちの失敗:既存の記事から新しい記事へのリンクを3回張り忘れた
内部リンクで一番起きやすい事故は、張る向きの偏りです。私たちは同じ失敗を3回しました。
新しい記事を書くときは、関係のある既存の記事へリンクを張ります。書きながら「この話は前に書いた」と思い出せるので、忘れません。ところが逆向き、つまり既存の記事から新しい記事へのリンクは、既存の記事を開き直さない限り張られません。その結果、新しい記事は「外へは出ていくが、どこからも入ってこない」ページになります。
Googleは、大事なページには少なくとも1つの別ページからのリンクを推奨しています。入ってくるリンクが1本も無い新しい記事は、この推奨を満たしていない状態で公開されていることになります。
私たちの実測(暦のメディア・1,077ページ)
サイト内からのリンクが6本以下しかないページを洗い出し、関係のあるページからリンクを足して、20枚から7枚に減らしました。
出典:自社サイトのページごとのサイト内リンクを数えたもの(2026年8月21日以降に行った改善の1つ)
この作業の前後で、サイトの表示ページ率は上がった時期も下がった時期もあります。同じ時期に、検索されている語を本文に書き足す作業や見出しの書き直しもしているので、リンクを足したことだけの効果は切り分けられません。ここで言えるのは、「どこからもほとんどつながっていないページ」が、数えてみるまで20枚もあったという事実です。
張り忘れを防ぐ手順
記憶に頼ると、また忘れます。公開の手順に組み込むのが確実です。
- 新しい記事の主題の言葉(例「ウェルドライン」)で、サイト内を検索する
- その言葉が出てくる既存の記事を開き、話の流れに合う位置に、新しい記事へのリンクを足す
- 新しい記事が属するカテゴリページと、必要ならハブページにも追加する
- 月に1回、ページごとに「サイト内から入ってくるリンクの数」を数え、少ないページを一覧にする
4つ目は、ページ数が増えると手作業では追いつきません。私たちはページのHTMLからリンクを抜き出して数えています。Search Consoleの「リンク」レポートでも、内部リンクの多いページを確認できます。
注意
内部リンクに rel="nofollow" を付ける必要はありません。Googleは、自分のサイトのページをクロールさせたくない場合は robots.txt の disallow ルールを使うよう案内しています(外部リンクの rel 属性)。別の話として、noteの記事から自社サイトへ張ったリンクには nofollow が付きます。Googleは nofollow を扱いを判断するヒントとしているので効果がゼロとは言えませんが、順位評価の受け渡しは当てにしないでください(SNS・noteの発信はAIの答えに効くのか)。
リンクを張る前に、ページに答えが書いてあるか
最後に、順番の話です。リンクは読者と検索エンジンをページへ運ぶ道具で、運んだ先に答えが無ければ意味がありません。たとえば「射出成形 ウェルドライン 対策」で検索に出ている記事があっても、本文に対策が書かれていなければ、リンクを何本足しても読者は戻っていきます。リンクを足すより先に、検索されている言葉への答えをページに書くことが必要でした。
ページが検索に出ているのに届かない理由の調べ方は作ったページが検索に出ない理由で、1つの分野を深く書いてサイトの専門性を伝える考え方はトピカルオーソリティとはで説明しています。サイトの骨組み全体はサイト設計のカテゴリ(階層・内部リンク・専門性)にまとめました。