お問い合わせフォームは、フォームのサービス、CMSの機能、自社のプログラムのどれかで作り、届いた問い合わせを担当者に知らせる仕組みまでつないで完成です。作る順番は、作り方を選ぶ、項目を決める、迷惑な送信の対策と個人情報の書き方を入れる、実際に送って届くかを確かめる、の4つです。
フォームの項目の絞り方や、図面の添付、相談ボタンの文言は、問い合わせ導線の記事で詳しく書きました。この記事は、フォームそのものを作る側の手順にしぼります。
作り方の選び方
| 作り方 |
向いている会社 |
気をつけること |
| フォームのサービス |
社内にサイトを直す人がいない |
送り先の確認の手続き、無料の範囲の上限 |
| CMSの機能 |
WordPressなどでサイトを更新している |
機能の更新を止めない。通知メールの送り方 |
| 自社のプログラム |
受け付けたら社内の仕組みに入れたい |
作った人がいなくなっても直せるか |
決め手は、フォームを直す人が誰かと、届いた問い合わせをどこに貯めるかです。メールで知らせるだけだと、メールを見落とせば問い合わせは消えます。通知のほかに、スプレッドシートや顧客の管理の道具にも1件ずつ残る作りにしておくと、取りこぼしても後で拾えます。
社内の申請やアンケートなら、Googleフォームで足ります。ただ、回答する人にGoogleアカウントへのログインを求める機能もあるので、社外向けに使う前に条件を見ます。Googleフォームの記事にまとめています。
項目と入力の案内
項目は、最初の返事に要るものだけにします。会社名、名前、メール、相談の種類、内容があれば、返事は書けます。電話番号や住所は、要るなら任意にします。
入力欄には、必ず欄の名前(ラベル)を付けます。W3Cのフォームの案内は、入力欄の中に薄く出す例文(プレースホルダー)は、入力を始めると消え、送る前に見直しにくくなると説明しています。例文はラベルの代わりにならない、とも書いています。必須の欄と任意の欄は、ラベルの文字で分かるようにします。
入力の誤りは、送信ボタンを押す前か、押した直後に、どの欄の何が違うかを欄のすぐそばで知らせます。W3Cの入力チェックの説明は、ブラウザ側のチェックだけでは安全は守れず、サーバー側でも確かめる必要があると書いています。
確認画面は要るか
確認画面は、お問い合わせでは必須ではありません。W3Cの達成基準 3.3.4は、送信の取り消し、入力の誤りのチェック、送る前の確認のどれかを用意することを求めています。対象は、契約や支払いが発生する送信、保存されたデータの変更や削除、テストの回答の送信です。
お問い合わせは、そのどれにも当たらないことがほとんどです。確認画面を挟むと、送信までの画面が1枚増え、戻ったときに入力が消える作りだと、書き直しになります。
確認画面の代わりに、次の3つを入れます。
- 入力の誤りを、欄のそばでその場で知らせる
- 送る前に、入力した内容を画面で見直せる(確認のダイアログでもよい)
- 完了の画面と自動返信で、何を受け付けたかを示す
見積もりの依頼で、そのまま注文や契約につながる作りなら、確認の画面を入れます。
迷惑な送信の対策
フォームを公開すると、機械による送信が来ます。よく使われる対策が、人か機械かを見分ける部品です。
GoogleのreCAPTCHAの説明では、v3は操作ごとに0.0から1.0のスコアを返し、1.0に近いほど人の操作らしい、0.0に近いほど機械の可能性が高い、とされています。どのスコアで止めるかはサイト側で決めます。料金はティアの比較に、1か月1万件の評価まで無料の区分があり、Google Cloudへの支払い方法の登録が要ると書かれています(2026年10月25日に確認)。
CloudflareのTurnstileも同じ目的の部品で、無料のプランがあります。Cloudflareはサーバー側の確認のページで、画面に部品を置くだけではフォームを守れないと書いています。受け取ったサーバーで結果を問い合わせる処理まで作って、初めて効きます。
部品を置いただけで終わらせない
reCAPTCHAやTurnstileは、受け取った側で結果を確かめる処理と組みで動きます。フォームのサービスやCMSの機能を使うなら、その設定画面で有効になっているかを確かめます。自社のプログラムなら、確かめる処理があるかを制作した人に聞きます。
個人情報の利用目的を書く場所
お問い合わせフォームでは、会社名と一緒に、名前やメールアドレスを受け取ります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、ユーザー入力画面への打ち込みなどで本人から直接個人情報を取得する場合、あらかじめ利用目的を明示しなければならないとしています(3-3-4)。
同じ節には、ネットワーク上で取得する場合は、送信ボタンなどを押す前に利用目的が本人の目に留まるよう、配置に気をつけることが望ましいとも書かれています。1回程度の操作で利用目的の画面へ移れるリンクやボタンでもよい、とされています。
フォームでは、送信ボタンのすぐ上に、何のために使うかを1〜2文で書き、詳しいプライバシーポリシーへのリンクを添えます。たとえば、いただいた情報はお問い合わせへの返事と、ご依頼の見積もりのためだけに使います、のように書きます。メールマガジンを送るなど、ほかの目的にも使うなら、それも書きます。
届いているかの確かめ方
完了の画面が出ても、担当者に届いているとは限りません。通知のメールが迷惑メールに入る、送り先のアドレスが古いまま、という原因で問い合わせが落ちます。
通知のメールで気をつけたいのが、差出人(From)の欄です。Gmailの送信者のガイドラインは、Gmailの個人用アカウントへ送るすべての送信者に、送信元のドメインでSPFかDKIMのメール認証を設定するよう求めています。GmailのFromのなりすましはしないように、とも書いています。
これを受けて、通知メールは次のように作ります。差出人は、自社でSPFかDKIMを設定したドメインのアドレスにします。お問い合わせした人のアドレスは、差出人ではなく返信先(Reply-To)に入れます。こうすれば、担当者が返信を押したときの宛先はお問い合わせした人になります。
公開前と、送り先を変えたときに試すこと
- スマホとPCの両方から、全部の欄を入れて送る
- 担当者の受信箱に届くか。迷惑メールのフォルダも見る
- 自動返信が、送った人のアドレスに届くか
- 通知のほかに、スプレッドシートなどにも1件残っているか
- 完了の画面に、アクセス解析の計測が入っているか
最後の項目は、問い合わせの数を後から数えるためです。GA4で問い合わせを数える設定はGA4の使い方に、どの広告やメールから来た問い合わせかを分ける方法はUTMパラメータにまとめています。
広告から人を呼ぶページにフォームを置くなら、LPの作り方も合わせて見てください。サイト全体の作りはサイト設計のカテゴリで扱っています。
仕様・出典の確認日:2026年10月25日。