海外向けSEOは、対象の国と言語に合う情報を別URLで用意し、検索と利用者が適切な言語版へ進めるようにする取り組みです。翻訳の量より、現地の読者が製品を理解し、取引条件を確認できるかを先に考えます。
海外から受けられる仕事、対応言語、納品範囲を営業担当と決めてください。そのうえで、会社案内、主力製品、問い合わせの順に必要なページを選びます。日本語の記事をすべて翻訳する計画から始める必要はありません。
対象国と対象言語は、どう分ける?
Googleの多地域・多言語サイトの説明は、複数言語を扱うサイトと、複数の国を対象にするサイトを区別しています。英語を使う読者が、全員同じ国にいるわけではないためです。
英語で製品の共通仕様を案内するなら、地域を限定しない英語ページを作れます。国ごとに販売製品、保証、配送、問い合わせ先が違うなら、同じ英語でも地域版を分ける必要があるか確認します。
製造業の英語ページを作る例なら、対応材質だけでなく、図面の受け取り方、見積もりの言語、輸出対応の可否をそろえます。英語で読めることと、海外の注文を受けられることは別です。対応していない国まで、翻訳によって対応可能に見せないようにします。
これはページ設計の例で、自社や顧客の海外受注実績ではありません。実際の商流と社内の対応範囲を確認してから、公開する表現を決めてください。
URLは、どの形式を選ぶ?
言語ごとに固有のURLを作ります。同じURLでCookieやブラウザの言語設定だけを使って切り替える方式では、Googleがすべての言語版を取得できないことがあります。
主な分け方は次のとおりです。URLは説明用の例です。
| 形式 |
例 |
管理で考える点 |
| 国別ドメイン |
example.de |
国別運営と取得条件 |
| サブドメイン |
en.example.com |
配信や担当を分けるか |
| サブディレクトリ |
example.com/en/ |
同じサイト内で更新するか |
ccTLDは国別のドメインです。国を明確に示せますが、取得条件や運用する環境が増える点を確認します。サブドメインは担当や配信環境を分ける設計に使えます。サブディレクトリは同じホストで管理する構成です。
どの形式なら必ず上位に出る、という選び方はしません。更新する担当、使うCMS、国ごとの内容の違いから選びます。URL形式を変えるためだけの移転も避け、必要になった移転は301リダイレクトの手順で旧URLからの入口を保ちます。
訪問した国で、自動的に転送してよい?
Googleは、言語を推測して別の版へ自動転送することを避けるよう案内しています。読者が希望するページを開けなくなり、クローラーも他の版へたどり着けないおそれがあるためです。
各ページから、対応する言語版へ移るリンクを置きます。英語の製品ページから日本語版へ戻る際、トップへ戻すより同じ製品へ進めるようにします。国と言語を選び直せる入口も確認してください。
hreflangは、どう書く?
hreflangは、同じ内容のページについて、言語や地域が違う版をGoogleへ伝える指定です。HTMLのhead、HTTPヘッダー、サイトマップの方法があります。Googleはこれらを同等とし、すべて重ねても検索上の利点は無いと説明しています。
言語版の指定に関する公式文書には、次の条件があります。
Each language version must list itself as well as all other language versions.
各言語版で、自分自身も含めて対応する版を列挙するという意味です。日本語と英語の製品ページなら、両ページのheadに同じ組を出します。以下は説明用です。
<link rel="alternate" hreflang="ja"
href="https://example.com/ja/part/">
<link rel="alternate" hreflang="en"
href="https://example.com/en/part/">
jaは日本語、enは地域を限定しない英語です。米国向けの英語版を分けるならen-USのように言語と地域を組み合わせます。国コードだけでは指定できません。日本語の言語コードをjpにしないよう注意してください。
URLは通信方式とドメインを含む絶対URLで書きます。英語版から日本語版を示すだけでなく、日本語版からも英語版を示します。製品Aの日本語版と、製品Bの英語版を組にしないでください。
言語を選ぶ共通ページなど、指定言語に一致しない利用者の行き先にはx-defaultを使えます。これは英語を表すコードではありません。該当する入口があるときに、役割を決めて指定します。
canonicalとは、どう使い分ける?
翻訳した本文を持つ英語版と日本語版は、単に同じURLの表記違いではありません。英語版をすべて日本語版へcanonicalで寄せると、それぞれの版を検索に出したい設計と食い違います。
Googleは、主要な本文を翻訳していない言語版は重複とみなす、と説明しています。メニューだけ英語で本文は日本語のままなら、英語の答えを用意したことにはなりません。
同一言語内に似た地域版があるときなど、重複の整理が必要なら、canonicalの役割と確認手順を使います。ページを分ける判断そのものは重複コンテンツの整理にまとめています。設定の種類を増やす前に、どの本文を誰に読んでほしいかを確定します。
自動翻訳は、どこまで使える?
翻訳の下書きとして使っても、技術用語、単位、取引条件は担当者が原文と照合します。加工できる材質を誤訳したり、相談可能という説明を受注保証に変えたりすれば、問い合わせ後の食い違いにつながります。
Googleの大量生成コンテンツのポリシーは、順位操作を主目的に、価値が乏しいページを大量に作る行為を扱っています。例には、他の情報を翻訳などで変換して大量生成する行為も含まれます。
ここから、自動翻訳を使えばすべて違反だとは読めません。逆に、人が翻訳すればどんな量産も安全、という説明でもありません。読み手の疑問に答える内容か、実際に対応できる情報かを点検します。
翻訳の本数を成果にすると、古い仕様や未確認の取引条件まで公開しやすくなります。技術担当が確認できる範囲から公開し、その後の検索と問い合わせを記録します。製品を更新したら、翻訳版も同じ内容へ直せる体制にします。
製造業の英語ページには、何をそろえる?
次は、樹脂部品の製造会社を想定した編集の例です。数値や対応可否は、実際の仕様書と社内の承認に基づいて埋めます。
- 製品の用途、材質、対応する加工と対応しない加工
- 寸法や公差の単位、図面で確認すべき条件
- 試作と量産の受け付け条件、見積もりに必要な資料
- 納品可能な地域、輸出の可否、保証の適用範囲
- 英語で使える会社の問い合わせ窓口と返信の流れ
英語のフォームへ進んだ後、必須項目や送信エラーが日本語のままでは、読者が手続きを終えられません。本文だけでなく、資料、フォーム、送信後の案内まで同じ言語で確認します。
会社の英字表記や事業説明は、ページごとに変えないでください。表記を決める手順は社名と紹介文をそろえる方法に送ります。問い合わせ用に個人の連絡先を新しく公開する必要はありません。
公開後は、どこを確認する?
対応する日本語版と英語版を両方開き、本文と言語切り替えを照合します。ソースでhreflangの組を確認し、転送先や存在しないURLを指していないか調べてください。
Googleはページの言語を、見える本文から判断します。hreflangやHTMLのlang属性を置くだけで、本文の言語を指定できるわけではありません。lang属性は適切に設定しつつ、本文と案内そのものを翻訳します。
検索で見るときは、対象国と言語、確認した検索語、到達ページを記録します。英語で表示されたことと、対象国の仕事につながったことを混ぜず、問い合わせの内容も見ます。
サイト設計の整理では、日本語版と英語版の対応表を更新の台帳にします。製品の廃止やURL変更があれば、本文、相互リンク、hreflangを同じ作業で見直してください。
仕様・出典の確認日:2026年10月22日。