ホームページは、目的を決め、載せる情報を集め、ページの階層と案内を作り、ドメインと更新方法を決めてから制作します。公開後に誰が内容を直すかまで決めると、自社でやる範囲と外へ頼む範囲を具体化できます。
最初に用意するのは、完成画面のイメージより、訪問者に終えてほしい行動の一文です。製品の仕様を確かめて相談する、会社の事業を確認する、仕事の内容を読んで応募する、といった形で書きます。
以下は新しく会社サイトを作る順番の提案です。既存サイトを引き継ぐ作業はリニューアルの進め方で扱っています。ここでは製品の相談を受けるホームページを例に、材料と担当を決めます。
最初に、サイトの目的をどう書く?
誰が来て、何を読んで、どこまで進むかを決めます。「会社を知ってほしい」だけなら、事業を知ればよいのか、製品を比較して相談してほしいのかを分けてください。
たとえば樹脂加工の会社なら、設計者が対応材質と加工の範囲を確認し、相談に必要な資料を用意して問い合わせる、という目的を書けます。これは設計の例で、自社の加工実績や受付条件を示すものではありません。
目的が決まったら、公開前の確認へ置き換えます。材質の説明が読めるか、該当する製品へ進めるか、相談を送って受信できるか。完成の判断を、色や写真の好みだけにしません。
複数の目的があっても構いません。製品の相談と採用応募を受けるなら、それぞれの入口と言葉を分けます。どのページも同じ大きなボタンへ集める前に、訪問者が何を選ぶかを整理してください。
載せる情報は、どの資料から集める?
会社案内、製品資料、営業が送る説明、公開できる写真を並べます。手元にあることと、現在も正しく公開できることは別です。原稿へ移す前に、担当部署が現行の内容かを確かめます。
| 情報 |
読者が確認すること |
社内で集める材料 |
| 会社概要 |
何をする会社か |
現行の会社案内 |
| 製品・サービス |
自分の用途に対応するか |
仕様と受付条件 |
| 事例 |
どんな課題を扱ったか |
公開を承認した記録 |
| 問い合わせ |
何をどこへ送るか |
窓口と必要な資料 |
会社概要は、事業を確かめる場所にする
会社の正式な表記、事業、連絡先などを確認します。会社紹介の形容詞を増やすより、何を提供している会社かを具体的に書きます。詳しい項目は会社概要の書き方へ進めます。
会社全体の説明を製品ページへ何度も複製しません。製品の仕様を探す人には、その製品の答えを先に出します。会社の情報を確かめたい人は、同じ会社概要へ進めるようにします。
製品は、依頼の判断に必要な条件を出す
製品名、用途、材質、確認できる仕様と資料を整理します。個別見積もりなら、金額を作る代わりに、見積もり前に必要な情報を示します。対応できない用途や個別確認の条件も、営業と技術担当が確かめます。
カタログの内容を画像だけで貼る前に、スマホで必要な情報を読めるかを見ます。PDFを配る場合も、どの製品の何が分かる資料かを本文で案内します。古い版が混ざっていないかも確認してください。
事例と問い合わせは、公開できる事実から作る
事例は、実際に扱った課題と確認できる対応を書きます。許可が取れない案件を、架空の社名へ変えて成果として載せることはしません。公開できる事例がなければ、提供内容と相談の流れを先に整えます。
問い合わせでは、送る資料と受付先、送信後の案内を決めます。フォームに入力できるだけで完成にせず、通知を受けた担当が次の返答をできるかまで確認します。細かな項目はBtoBサイトの問い合わせ導線で扱っています。
ページの階層は、どう決める?
集めた資料を一つずつページにする前に、同じ質問へ答えるものをまとめます。部署ごとの資料の置き場を、そのまま訪問者向けのメニューにしないようにします。
製造業なら、製品の一覧から対象を選び、詳細で用途や仕様を読み、必要な技術説明へ進み、相談する流れを作れます。技術記事に製品説明をすべて複製せず、詳しい条件を置くページへ案内します。
GoogleのSEO スターター ガイドも、サイトを論理的に整理することや、リンクでページを見つけられるようにする考え方を説明しています。階層を作っただけで上位になるという意味ではありません。
各ページの行へ、読者の疑問、掲載する答え、次の行き先を書きます。同じ答えが二つの行にあるなら、統合できるかを読み直してください。ページを分ける理由が明確になってから、メニューとURLを決めます。
詳しい設計はハブページと階層構造の作り方にあります。公開前には、構成図を眺めるだけでなく、製品を探す人の順番でリンクをたどります。
ドメインと更新方法は、いつ決める?
会社の名前として使い続けるドメインを選び、登録者、管理権限、更新通知、支払いの担当を決めます。取得条件と将来の変更は会社のドメインの決め方へ進んでください。制作会社に任せる場合も、取得後の管理を社内で説明できる状態にします。
更新方法は、変える情報から決めます。お知らせだけなのか、仕様表や製品写真も自社で直すのか。必要な操作を書き出してから、CMSやノーコードなどを使う範囲を判断します。特定製品の比較より、担当者が作業を終えられるかを優先します。
操作を試すなら、実際の更新を一組用意します。製品写真を差し替え、説明と表を直し、確認して公開する流れです。保存はできても表が崩れるなら、その調整を誰が担当するかが残ります。
内容の更新と、システムの保守も分けます。文章を直せることだけで、不具合時の復旧や設定変更まで社内で引き受けた扱いにしません。利用する仕組みに合わせ、担当と連絡先を決めてください。
自社でやる範囲と、頼む範囲をどう分ける?
社内に残すのは、受けたい仕事、情報の正しさ、公開してよい範囲の判断です。制作を外注しても、資料にない公差や納期を制作担当が決められるわけではありません。
原稿の整理、撮影、デザイン、実装は、担当できる作業から分けます。「原稿は自社で」とだけ決めず、資料を集める、文章にする、技術確認をする、公開画面へ反映する、という区切りを使います。
| 作業 |
自社で確かめること |
頼む内容の例 |
| 企画 |
目的と受けたい仕事 |
構成案の整理 |
| 原稿・写真 |
仕様と公開可否 |
聞き取りや編集、撮影 |
| 画面・設定 |
必要な操作と確認条件 |
デザインと実装 |
| 公開後 |
変更の判断と返答先 |
反映、保守、復旧 |
同じ人が兼任する会社でも、確認を終えた箇所が分かるように残します。制作担当へ渡す資料には、現行版、修正が必要な箇所、返答する部署を添えます。資料を一括で送るだけで、確認が完了した扱いにはしません。
見積もりの内訳と公開後の費用はホームページ制作費用の読み方で確認できます。ここで決めた分担を渡せば、誰が用意する前提の費用かを読み合わせられます。
公開前は、どこまで動かして確認する?
スマホでトップから製品を選び、仕様や資料を読み、問い合わせまで進みます。狭い画面では、長い見出し、表、画像内の文字、ボタンを重点的に見ます。担当者の大きな画面で開けるだけでは、納品の確認は終わりません。
フォームは項目名を読め、入力し、間違いを直して送信できるかを試します。W3Cのフォームの説明は、入力欄などの目的が分かるラベルと、欄との対応を求めています。薄い入力例だけに頼らず、入力中も何の欄か分かるかを見ます。
私たちは自社メディアで、新しい記事から既存記事へリンクしながら、既存記事から新しい記事へ張り忘れました。出典は自社メディアの運営記録です。新しいページを作れたことだけで、サイトからの案内まで完成したと考えていた失敗です。
会社ホームページでも、新設した製品ページをメニューや一覧から探せるかを確認します。制作担当から受け取ったURLだけを直接開く検査では、この抜けを見つけられません。
公開前に担当どうしで確かめること
- 掲載内容は現行の資料と一致しているか
- トップや一覧から必要な情報へ進めるか
- スマホで資料と表を読めるか
- 問い合わせが送信され、担当へ届くか
- 変更内容を保存し、問題時に戻す手順が分かるか
公開後の更新は、誰が引き受ける?
製品仕様、受付条件、連絡先などが変わったとき、変更を知らせる部署と反映する担当を決めます。本文だけでなく、資料、写真の説明、フォームの案内にも同じ条件がないかを確認します。
更新の記録には、対象URL、変更理由、確認者、反映日を残します。作業を頼んだことと、公開画面が変わったことを別々に確認してください。担当交代の際も、何を基準に直したかを引き継げます。
検索から見つけてもらいたいページは、公開後に登録状況も確認します。GoogleのURL検査ツールでは、登録された状態と現在の公開URLのテストを区別できます。ホームページの公開完了を、検索への掲載完了と同じに扱いません。
サイト設計を相談する際には、サイトの目的、今ある資料、社内で確認できる人、更新したい情報を渡してください。制作だけで終えるか、公開後の反映まで頼むかを決めれば、納品後に担当が空欄になるのを防げます。
仕様・出典の確認日:2026年10月23日。