SNSやnoteの発信が、AI検索の答えにどれだけ効くかは分かっていません。公式の説明にも、私たちの実測にも、効くと言い切れる材料はまだありません。確かなのは、noteから外へのリンクに nofollow が付いていること、そしてSNSの投稿をAIのクローラーがどこまで読めているかが、どの会社からも示されていないことです。
それでも発信するなら、やることは3つです。社名と紹介文をそろえること。1つの投稿に1つの事実を、引用できる形で書くこと。効果を、社名での検索と、問い合わせの「知ったきっかけ」で見ることです。
分かっていること
GoogleのAI機能は、ウェブ上の言及を表示できる
Googleは生成AI機能向けの最適化ガイドで、AI機能は、ブログや動画、フォーラムでの議論も含め、ウェブ上で製品やサービスについて言われていることを表示できると書いています。同じ箇所で、本物でない「言及」をウェブ上で集めることは、思われているほど役に立たないとも書いています。
言い換えると、検索の対象になっている場所で、自社について書かれていることは、AIの答えの材料になりえます。ただし、SNSの名前は挙がっておらず、「SNSに投稿すれば使われる」とは書かれていません。
noteのリンクには nofollow が付いている
noteの記事から外へのリンクには rel="nofollow" が付いています。これは私たち自身が確かめたことです。
nofollow の扱いについて、Googleは2019年にnofollow の扱いを変えると発表し、検索での扱いを判断する「ヒント」として使うと説明しています。一律に無視する扱いではない、ということです。
そのため「noteのリンクは効果ゼロ」とは言えません。ただ、どれだけ評価が渡るかは公開されていないので、私たちはnoteのリンクで順位が上がることを当てにして計画しません。リンクから来た訪問や、社名を知ってもらえたかは、別に測ります。「noteに書いて自社サイトにリンクすれば上がる」という話も、反対の「まったく無意味」という話も、どちらも言い切りすぎです。
公式アカウントは、構造化データで示せる
自社サイトのトップページの構造化データ(Organization)に、sameAs でSNSのプロフィールURLを書けます。GoogleのOrganizationのドキュメントが、SNSや口コミサイトのプロフィールページを例に挙げています。これで「このアカウントはこの会社のものだ」と示せます。ただし、AIの答えがこれで変わるという説明はありません。書き方は社名と紹介文をどこでも同じにするに載せています。
分かっていないこと
| 疑問 |
状況 |
| 各SNSの投稿を、AI検索のクローラーが読めているか |
未確認。各社とも公式に示していない |
| ログインしないと見られない投稿が、AIの答えの材料になるか |
未確認 |
| SNSのフォロワー数や「いいね」の数が、AIの答えに影響するか |
未確認。公式の説明は見当たらない |
| noteの記事本文が、AI検索に引用されるか |
未確認。私たちも測った数字を持っていない |
| SNSでの言及が増えると、AIの答えで推薦されやすくなるか |
未確認。Googleは本物でない言及集めには否定的 |
この表の右側をすべて「未確認」と書いたのは、確かめた結果ではなく、確かめる材料が無いからです。各サービスの robots.txt を見れば、どのクローラーを拒んでいるかの一部は分かりますが、AI検索がそこからどう情報を取っているか、ログインの壁の向こうをどう扱っているかまでは分かりません。
「SNSを毎日更新するとAIに推薦される」と言い切っている情報を見かけたら、どの検索サービスで、何を、どの期間測ったのかを確かめてください。1回質問して出た・出なかったは、聞く人や時点で変わるので、根拠になりません。
効くとしたら、どんな道筋か
分からないことが多い中で、私たちは効き方を3つの道筋に分けて考えています。
1つ目は、投稿そのものがAIの答えに引用される道筋です。これは上の表のとおり未確認で、自社では制御できません。
2つ目は、投稿を見た人が、あとで社名やサービス名で検索する道筋です。社名で検索された結果に自社サイトが出れば、AIの答えでも、自社サイトの説明が材料になりやすくなります。これは Search Console で、社名を含む検索の表示回数として見られます。
3つ目は、投稿を見た業界の人が、自分の記事や紹介の中で触れてくれる道筋です。比較サイトや業界メディアの記事になれば、検索の対象になっている場所での言及になります。
2つ目と3つ目は、投稿の中身が正確で、社名がそろっていることが前提です。投稿を見て社名で検索したのに、別の表記の別のページが出てくれば、そこで途切れます。
それでも発信するなら、何を書くか
1投稿に1つの事実
AIの答えや紹介記事に引用されるのは、問いへの答えになる1文です。製造業なら、たとえば次の2つの投稿を比べてください。
今日も一つひとつ丁寧に。お客様の笑顔のために、品質にこだわります。
肉厚0.5mmのアルミ薄肉部品を、月1,000個のロットで量産しています。反りを抑えるため、粗加工と仕上げの間に一晩置いています(2026年10月時点の工程)。
前者は、どの会社でも書けて、何の問いの答えにもなりません。後者は「アルミ 薄肉 加工 反り」と調べた設計者への答えになり、比較サイトの担当者が書き写すこともできます。
詳しいことは自社サイトに置く
投稿は短くし、詳しい条件や設備は自社サイトのページに置きます。投稿からはそのページに案内します。正しい情報の正本が自社サイトにあれば、外でどう要約されても、確かめに来た人は正しい情報にたどり着けます。
名前と紹介文をそろえる
SNSのプロフィールの社名と紹介文を、自社サイトと同じにします。アカウント名に英字の略称しか書いていない場合は、表示名に正式な社名を入れます。私たちも、SNSでは屋号の「ナギサコーポレーション」だけで名乗っています。
社員が個人のアカウントで発信するとき
製造業では、技術者や営業担当が個人のSNSで仕事の話を書いていることがあります。現場の実感がこもった投稿は、会社の公式アカウントより読まれることもあります。
気をつけたいのは、自社の商品やサービスを勧める投稿です。消費者庁のステルスマーケティング告示の運用基準は、販売や開発の役員、管理職、担当チームの一員など、販売を促す立場の従業員が、自社の商品の販売を促すために行う表示を、事業者の表示に当たる例として挙げています。第三者の感想に見える形で自社の商品を勧めれば、広告であることを隠した表示になりえます。
社員が自社の商品を勧めるなら、投稿全体から事業者の表示だと明瞭に分かるようにします。消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aは、「○○社の社員です」と所属を書いているだけでは、事業者の表示だと明瞭になっているとは必ずしも言えず、「広告」「PR」などの言葉を使うのが望ましいとしています。プロフィールに勤務先を書けば足りる、とは考えないでください。
自社の商品を勧めない、業界の一般的な話や技術の話なら、この心配はぐっと小さくなります。どこからが自社の宣伝になるかは、個別の内容で変わります。迷う場合は専門家に確認してください。社名の表記は、会社の正本に合わせてもらいます。
効果はどう見るか
AIに聞いて示された出典を開けば、その1回の答えの引用元は確かめられます。ただ、投稿が全体でどれだけ引用されたかを測る方法はありません。間接的には、次の2つで見ます。
1つは、Search Console で、社名を含む検索の表示回数とクリックを月ごとに見ることです。私たちの比較サイトでは、立ち上げ間もない時点で、一般的な語より先に社名での検索が上がりました(ある会社名と「評判」の組み合わせで10位、Google Search Console、2026年8月22日時点)。これは他社の社名で私たちの比較サイトが表示された数字です。1つの例なので、社名を含む検索がいつも先に出るとまでは言えませんが、追う数字の候補にはなります。Search Console の基本の見方はSearch Consoleで最初に見る4つの数字で説明しています。
もう1つは、問い合わせフォームの「知ったきっかけ」の欄です。私たちの相談フォームにも、この欄を置いています。選択肢に「SNS」「AIに聞いた」「検索」などを並べておけば、件数は少なくても、どの道筋で来たかが分かります。見方はAI経由の効果の見方:知ったきっかけと社名検索にまとめています。
私たちの結論
SNSやnoteを、AI検索対策の主役にはしません。効くかどうかが分からないものに、自社サイトより多くの時間をかけるのは割に合わないからです。
ただ、やめる理由もありません。社名を知ってもらい、検索してもらう入口としての役割ははっきりしていて、効果も社名検索で見られます。書くなら、1投稿に1つの事実を、自社サイトと同じ名前で書く。それだけで、もし投稿がAIに読まれていた場合にも、正しい材料になります。
反対に、毎日投稿するために中身の薄い投稿を重ねるのは、効くかどうか分からないものに、確かに損な形で時間を使うことになります。投稿の回数より、1本ごとに事実が入っているかを見てください。
プレスリリースで何を書くかはプレスリリースとAI検索:何を書けば引用されるかで、SNS・PRの全体像はSNS・PRのカテゴリで説明しています。