クラウド型UTMの価格は、公開料金の例で初期121,000円、月額42,350円(税込)からです。費用で有利になりやすいのは、拠点が2つ以上ある会社と、社外で働く人が多い会社です。
今日やることは、5つの数字を書き出すことです。拠点の数、社内で働く人数、社外で働く人数、人が使わない工場の端末の台数、各拠点の回線の速度です。この5つがあれば、下の表で自社の費用を計算でき、見積もりの依頼もそのまま出せます。
クラウド型UTMの料金はどう決まる?
公開料金を見ると、通信の太さで払う型と、人数で払う型があります。この2つは守る範囲も違うので、金額だけでは比べられません。
| 型 |
公開価格の例 |
増えるとき |
| 通信の太さで払う |
初期121,000円、月42,350円〜(税込) |
速度とセッション数 |
| 人数で払う(Microsoft) |
1人月749円相当(税抜・年払い) |
人数 |
| 人数で払う(Cloudflare) |
50人未満は0ドル、従量課金は1人月7ドル |
人数と追加機能 |
1行目はNTTスマートコネクトのクラウド型UTMです。FortiGate を使ったネットワーク設置型で、機器や回線の調達が要らないとしています。ページの見出しには「月額38,500円(税込)〜」とありますが、料金表では38,500円が税別、42,350円が税込です。税の扱いは見積もりで確かめてください。
速度を指定するプランの月額は、2Mbpsで48,400円、10Mbpsで145,200円、100Mbpsで375,100円(税込)です。月42,350円の1Gbpsベストエフォートは最低利用期間が1年で、申し込みの条件があります。たとえばセッション追加(月24,200円)を同時に申し込むと、月額は66,550円になります。
2行目はMicrosoft Entra Internet Access、3行目はCloudflareの料金表です。Cloudflareの従量課金は、Gatewayのページでは年払いの価格です。ドル建てなので為替で円の金額は動きます。料金表では、端末用の Device Client が全プランに含まれています。拠点のネットワーク向けの Network Services for SASE は、契約プランの追加オプションです。
箱の機器はいくら?
箱の機器は、買う型と月額で借りる型で金額の見え方が変わります。
| 型 |
公開価格の例 |
別にかかるもの |
| 買う:ヤマハ UTX100 |
176,000円(税込) |
2年目以降のライセンス |
| 買う:ヤマハ UTX200 |
440,000円(税込) |
2年目以降のライセンス |
| 借りる:FortiGate-70G |
月60,500円〜(税込) |
初期料金は別途 |
UTX100とUTX200の金額は希望小売価格です。初年度のライセンスが付きます。2021年のリーフレットでは、追加のライセンスはオープン価格なので、販売店に聞く必要があります。設定を頼む費用もここには入っていません。
借りる型の例はNTT西日本のAQStage UTMマネージドパックです。推奨30台までの機種で、参考価格です。最低利用期間は2年で、途中で解約すると違約金がかかります。
30人の会社で計算するといくら違う?
全員が同じ型を使う前提で、公開価格の下限から月額を計算しました。売る側の見積もりではなく、順番を見るための計算です。
| 型 |
1拠点の月額 |
3拠点の月額 |
| 借りる箱(1拠点1台) |
60,500円 |
181,500円 |
| 通信の太さで払う(セッション追加あり) |
66,550円 |
66,550円+接続費 |
| 人数で払う(Microsoft・税抜) |
22,470円 |
22,470円 |
1拠点なら、借りる箱とクラウド型の月額はほぼ並びます。3拠点になると、箱の側だけが3倍になります。買う型でも同じで、UTX100を3台なら本体だけで528,000円、ライセンスも3台分です。
5年で見ると差が広がります。借りる箱は1拠点で3,630,000円と初期料金です。通信の太さで払う型は、初期121,000円と月額で4,114,000円です。買う箱の UTX100 は、本体176,000円と4年分のライセンス、設定費です。ライセンス代が公開されていないので断定はできませんが、1拠点で全員が社内にいるなら、買う箱から見積もる価値があります。
提供会社も同じことを書いています。NTTスマートコネクトの比較記事は、クラウドが必ずしも安いわけではなく、長く使うなら箱の機器が低コストで、拠点が多いとクラウド型が低コストになることが多いとしています。
人数で払う型は、月額66,550円と比べると税込で80人ほど、42,350円と比べると51人ほどまで安い計算です。ただし守る範囲が違うので、ここだけで決めないでください。
拠点数と働く場所でどう分かれる?
費用で見た分かれ目
- 1拠点で全員が社内:買う箱を先に見積もる
- 2拠点以上で全員が社内:通信の太さで払う型と箱の台数分を比べる
- 社外で働く人が多い:人数で払う型を先に見積もる
社外で働く人が多い会社で箱の費用がふくらみやすいのは、社外のパソコンの通信を守るために、いったん会社に戻す仕組みが要るからです。戻す先の回線と VPN の更新にも費用がかかります。IPAの情報セキュリティ10大脅威2026の解説書は、セキュリティに強いリモートワーク環境の例に ZTNA を挙げています。人数で払う型を調べるときは、SWGの製品比較とSASEの製品比較で、含まれる機能を見てください。
拠点のネットワークの全体像はネットワークの守り方の一覧にまとめています。
本社と工場2つの製造業ならどう考える?
たとえば、本社に事務の20人、社外を回る営業10人、工場が2つで事務所の端末と現場の共有端末がある会社を考えます。これは計算のための例です。
事務と営業の30人は、人数で払う型の対象になります。問題は工場です。現場の共有端末や設備用のパソコンに専用ソフトを入れられるとは限りません。入れられない端末は、拠点の出入口で守る必要があります。すると、人数で払う型だけでは終わらず、工場の出入口に箱か、通信の太さで払う型を足すことになります。
この場合、3つの見積もりを並べます。全拠点を箱で揃える案、全拠点をクラウド型へ集める案、社員は人数で払い工場の出入口だけ箱にする案です。金額が近ければ、更新作業を誰が持つかで決めてよいと私たちは考えます。
なお、どの案でも、工場の中だけで動く設備どうしの通信は対象の外です。クラウド型に替えても、その部分は変わりません。
見積書で金額が増えやすいのはどこ?
公開の料金表から、増えやすい項目を拾いました。NTTスマートコネクトの例です。
- セッション追加:月24,200円。後から足すと初期121,000円。標準は同時に50,000セッション、100台相当
- 長期ログ保管:100GBごとに月7,260円
- セキュリティ監視分析:初期121,000円、月181,500円
- 緊急設定変更:30,250円
- 接続の回線:よくある質問によると、閉域網の手配や今の機器の設定変更が要ることがある
金額は料金表の税込の欄です。専任の担当者がいない会社ほど、監視分析の行で全体の金額が変わります。監視を外に頼むかどうかは、価格を比べる前に決めておきます。
人数で払う型では、ログの保管期間が見落としやすい行です。Cloudflareの料金表では、従量課金の標準のログ保管は30日まで、契約プランは6か月までです。
切り替える前に確かめたいことも残っています。公開例のUTMの設置場所は大阪で、SLA は99.95%、機器の切り替えが起きるとセッションはいったん切れます。工場の通信が途切れて困る時間帯があるなら、先に伝えてください。
UTMの機能欄そのものの読み方は、UTMとファイアウォールの違いと見積書の読み方で整理しました。箱の機器の価格と速度を並べて見るなら、ファイアウォールとUTM機器の比較が使えます。