FortiGateとは、フォーティネットの次世代ファイアウォールです。同社のUTMの解説によれば、必要な機能を有効にすることでUTMとしても使えます。
今日やることは、自社の機器について4つを確かめることです。型番、FortiOSの版、FortiCareなどの保守の期限、更新の担当者。保守会社が管理しているなら、この4項目をそのまま聞いてください。
機器が箱の中で動いている限り、古くなったことに社内の誰も気づきません。だから日付を確認します。
FortiGateはどんな機器?
社内と社外の境目に置き、通信を調べて制御する機器です。フォーティネットの製品ページは、物理、仮想、クラウドのそれぞれに導入できると説明しています。同社は世界で最も導入されたネットワークファイアウォールと称し、世界シェア50%超を掲げています。これはメーカー自身の説明です。
日本の中小企業での導入台数を示す公的な統計は、私たちが調べた範囲では見つかりませんでした。身の回りで名前を聞くことが多い機種、という程度に受け取ってください。
UTMとしての考え方は、UTMで守れる範囲と守れない範囲で整理しました。この記事はFortiGate固有の機能と期限に絞ります。
どの機能がどの契約で使える?
機器を買っただけで全部の機能が使えるとは限りません。製品ページでは、セキュリティ機能のサービスを次のようなバンドルで案内しています。
| バンドル |
主に含まれるもの |
主に含まれないもの |
| ATP |
IPS、アンチウイルス、FortiSandbox SaaS、アプリケーション制御、インラインCASB |
URL/DNSフィルタリング、ボットネット対策 |
| UTP |
ATPの全機能、URL/DNSフィルタリング、動画フィルタリング、ボットネット対策 |
高度なDLP、インラインマルウェア対策、IoT検知 |
| ENT |
UTPの全機能、CASB、データ損失防止、IoT検出、攻撃対象領域の監視 |
OT固有のデバイスとプロトコルの認識 |
契約の中身は時期や販売店によって変わることがあります。請求書の品名と、この表の名前が一致するかを確かめてください。
表のうち、製造業が見ておきたいのは一番下の行です。ENTでも、工場の設備固有の機器やプロトコルの認識は含まれず、OT環境には別のサービスを追加するよう案内されています。
たとえば、FortiGateを工場のネットワークの入口に置いても、それだけで工場内の設備の通信を理解して守れるとは言えません。工場を持つ会社は、事務所と工場のネットワークの分け方と併せて、販売店に確認してください。
機器単体の比較にはUTM・ファイアウォール機器の比較があります。複数拠点をつなぐ機能も製品ページに説明があり、この領域を比べるならSD-WANの製品比較を確かめられます。
確かめる期限はいくつある?
3種類あります。混同しやすいので、別々に確かめます。
| 期限の種類 |
意味 |
公式の目安 |
| 機器の保守終了(EOS) |
機器の販売や保守が終わる |
販売終了日から一般に60か月後 |
| FortiOSの版の終了 |
その版のサポートが終わる |
版ごとに公表 |
| サービス契約の期限 |
FortiCareやセキュリティサービスの期間 |
契約書で確認 |
機器の期限は、フォーティネットのライフサイクルの案内で説明されています。EOSの日を過ぎると、同社は製品の改良やサポート提供の義務を負いません。サービスの延長を受け付ける最終日(LSED)もあるので、古い機種では早めの確認が必要です。
同じ案内によれば、FortiOSの版は、一般提供から36か月のエンジニアリングサポートと、その後18か月の修正サポートが基本です。
FortiOS 7.4と7.6の期限
2026年3月の案内で、次の日付に1年延びました。
| 版 |
エンジニアリングサポート終了 |
サポート終了 |
| FortiOS 7.4 |
2027年5月11日 |
2028年11月11日 |
| FortiOS 7.6 |
2028年7月25日 |
2030年1月25日 |
同じ案内は、サポートを受けるには、サポート終了前の版で機器を動かしている必要があるとしています。それより古い版を使っているなら、自社の版の日付を販売店か公式のサポート画面で確かめてください。期限を延ばす長期サポートの版は、FortiCare Eliteの契約者に限られます。
更新の前に何に気をつける?
更新は欠かせませんが、確認せずに行うと業務が止まる場合があります。主な注意点は2つです。
SSL VPNのトンネルモードが無くなっている
FortiOS 7.6.3のリリースノートによれば、7.6.3以降は全機種でSSL VPNのトンネルモードがIPsec VPNに置き換わります。設定は引き継がれません。社外からの接続を切らさないためには、更新の前に移行が必要です。
機種による差もあります。同社の案内では、40Fなどの一部の機種は7.6以降へ更新するとSSL VPNが無くなり、G系の小型機種には未対応のものがあります。社外接続を見直すなら、VPNをやめるかどうかの判断と併せて考える好機です。IPsecへ移すか別の方式へ移すかを比べるなら、法人向けVPNの比較が入口になります。
更新の手順を確かめる
FortiOSの更新の手引きは、更新で一時的な停止や機能の変化が起こり得るとして、次の確認を求めています。
- リリースノートを読む
- 更新の経路を確かめる
- 設定のバックアップを取る
- 本番の前に検証環境で試す
本番向けの版を選ぶ材料として、同じ手引きはFeatureとMatureの2つの区分を説明しています。Matureは新機能がなく、不具合と脆弱性の修正を優先する版で、本番環境に勧められています。
製造業なら、更新の時間を生産の予定と合わせて決めてください。たとえば、夜勤のある工場で生産管理システムが本社のサーバーとつながっている場合、夜間の更新で通信が切れると現場が止まります。連休の前日に更新すると、不具合が出たときに保守会社と連絡がつかない可能性もあります。
脆弱性の情報はどこで見る?
見る場所はフォーティネットのPSIRTです。更新の手引きも、この通知の購読を勧めています。
例として、2026年1月に公表されたCVE-2026-24858があります。同社の公表によれば、FortiCloudのSSOログインに関する認証回避の脆弱性で、悪用が確認されました。工場出荷時は無効ですが、機器の管理画面からFortiCareに登録すると、切り替えを無効にしない限り有効になる機能です。
米CISAの注意喚起は、以前の関連する脆弱性への更新を済ませた機器でも影響を受けると説明し、2026年1月27日に悪用が確認された脆弱性の一覧に加えました。
この例から言えるのは、更新は1回で終わらないということです。FortiOS 7.6なら7.6.6以上、7.4なら7.4.11以上といった修正版が示されましたが、その後の通知で必要な版は変わり得ます。
保守会社に任せている場合は、次の2点を契約で決めておいてください。
- 重大な通知が出たときに、誰がいつまでに確認するか
- 更新のために通信を止める判断を、誰がするか
交換か移行かはどう判断する?
保守期限まで2年を切っているなら、次の機器を考え始める時期です。機器の入れ替えを待つ間に被害を受けた事案もあります。IPAの中小企業向けガイドライン第4.0版は、後継機種を約半年待つと決めた間に感染した事案を紹介しています。
同じ機種系統に替えるか、接続の仕組みそのものを変えるかは、社外で働く人の数とクラウドの比率で変わります。後者ならSASEがUTMやVPNの何を置き換えるのかが判断の材料になります。
社外とのつなぎ方の全体はネットワークの守り方のまとめで確かめられます。