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COLUMN 1251 / メールセキュリティ

間違いメールを受け取ったらどうする?仕事での返信の例文と注意点を解説

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • 添付とURLを開かず、転送もせず、まず社内の担当に知らせる
  • 知っている相手には既知の連絡先で伝え、知らない相手には返信しない
  • 開いた、開いていないを正確に伝え、削除は相手の依頼を確かめてから行う
目次

仕事で間違いメールを受け取ったら、添付やURLを開かず、差出人が本物かを確かめ、社内の担当に知らせます。本物の誤送信か、間違いを装ったメールかで、そのあとの動きが変わるためです。

今日やることは2つです。間違いメールを受けたときの連絡先を、不審なメールの報告先と同じ人に決めてください。そしてこの記事の例文を社内に配り、受け取った人が迷わないようにします。

メールの対策全体はメールのセキュリティの一覧⁠にまとめています。

届いたときの最初の動きは?

相手が誰かによらず、最初の動きは同じです。

  1. 添付とURLを開かない
  2. 転送しない、社内で共有しない
  3. 自分の判断だけで削除しない
  4. 社内の担当に、件名と差出人を伝える

IPAの2021年の案内は、突然届いたメールや不審なメールでは、添付を開かない、記載のURLにアクセスしない、記載の電話番号に電話をしない、返信しないことを挙げています。2017年の案内は、勤務先のメールに届いた不審なメールを各自で送信元に確かめず、社内の担当に報告するべきとしています。

中身の話は社内でも広げません。間違って届いた情報を社内で見た人が増えると、あとで「誰も見ていない」⁠と説明できなくなります。

本物の誤送信かはどう見分ける?

見た目だけでは判断できません。IPAの2021年⁠の案内は、メールの送信元の表示やアドレスは偽装される場合があり、見かけの情報から本物か偽物かを判断するのは難しいと説明しています。そのうえで、次の表のように分けて動きます。

差出人 例 動き
知っている取引先 別の案件の見積書、別の人宛ての連絡 既知の連絡先で相手へ知らせる
知らない会社 業務に関係のない請求書や注文の連絡 返信せず、社内の担当に知らせる
知らない個人 友人に送ったような雑談 返信しない
誰からでも 振込先の変更や急ぎの支払い そのメールでは動かず、責任者に知らせる

迷惑メール相談センターは相談事例で、アドレスを間違えたふりをして返信を狙うメールを取り上げています。返信をきっかけに氏名や電話番号を聞き出されたり、有料サービスに登録させられたりするおそれがあるとして、返信せず無視するよう勧めています。

「間違いかな」⁠と思って添付を開くと、確かめるつもりの動きが相手の狙いどおりになることがあります。IPAの攻撃メールの手口と対策(2026年8月)⁠も⁠、添付ファイルを開かせるメールへの注意を挙げ、不審なメールの報告の手順を決めるよう求めています。

取引先に知らせるときの注意は?

本物の誤送信なら、早く知らせると相手が助かります。官公庁の公表資料にも、受信した会社からの連絡で誤送信が判明した例⁠があります。

連絡はメールの返信より、名刺やこれまでの連絡先を使います。警察庁がビジネスメール詐欺の確認方法として案内している、メールに書かれた連絡先を使わない考え方と同じです。

相手のために、次の4点⁠を正確に伝えてください。

相手に伝える4点

  • いつ届いたか(届いた日時)
  • どのアドレスで受けたか
  • 件名と差出人の表示
  • 開いたか、開いていないか

「開いていない」⁠は正確に伝える

個人情報保護委員会のQ&Aは、個人データを含むメールを第三者に誤送信し、その第三者が削除するまでに閲覧していないと確認された場合を、漏えいに当たらない例に挙げています⁠。

つまり受け取った側の言葉が、相手の会社の判断材料になることがあります。気を遣って「見ていません」⁠と言ってはいけません。本文の冒頭を見たなら、見た範囲をそのまま伝えます。

そのまま使える返信の例文は?

ここからの文面は私たちが作ったものです。社名や状況に合わせて直してください。送信元の連絡先を確かめてから使います。

例文1:開いていないとき

件名:誤ってお送りいただいたと思われるメールについて(〈自社名〉)

〈相手の会社名〉 〈担当者名〉⁠様

〈自社名〉⁠の〈部署名・自分の名前〉です。
〈〇月〇日 〇時ごろ〉⁠、件名「〈件名〉」⁠のメールを受信しました。当社宛てではないように見受けられたため、ご連絡しました。

添付ファイルは開いておりません。本文も冒頭の〈〇行〉のみ確認しました。
社外や社内の他の者には共有しておりません。

お手数ですが、当メールの扱いについてご指示をお願いいたします。

例文2:開いてしまったとき

〈〇月〇日 〇時ごろ〉⁠、件名「〈件名〉」⁠のメールを受信しました。宛先が当社で正しいか分からず、添付ファイルを開きました。内容から、当社宛てではないと判断しご連絡しました。

確認したのは〈添付ファイル名〉です。私のほかに確認した者はおらず、複製や転送はしておりません。内容を業務に使うこともいたしません。

メールの扱いについてご指示をお願いいたします。

開いたことを隠すと、相手の判断を誤らせます。正確に伝えるほうが、双方にとって早く片づきます。

例文3:削除したあとの連絡

ご依頼いただいたとおり、該当のメールと添付ファイルを受信箱とごみ箱から削除しました。
なお、当社のメールの仕組み上、〈バックアップなどに一定期間残る場合はその内容〉。

バックアップの扱いが分からなければ、社内の担当に確かめてから書きます。

例文4:電話で伝えるとき

〈自社名〉⁠の〈名前〉です。先ほど御社の〈担当者名〉様のお名前で、当社宛てではないと思われるメールが届いたため、お電話しました。添付は開いておりません。件名をお伝えしますので、ご確認いただけますか。

社内の担当への一報

間違いメールと思われるものが届きました。差出人は「〈表示名とアドレス〉」⁠、件名は「〈件名〉」⁠、受信は〈日時〉です。添付は〈開いていない/開いた〉です。相手への連絡は〈まだ/済み〉です。

削除はいつすればいい?

IPAの情報漏えい発生時の対応ポイント集(2012年の第3版)⁠によると、送信側は受信者に謝罪して削除を依頼します。依頼が来たら従うのが基本です。

依頼を受けるときは、次の順で進めます。

  1. 依頼が本物か、既知の連絡先で確かめる
  2. 社内の担当に、削除してよいか確認する
  3. 受信箱とごみ箱から削除する
  4. 削除したことを相手に伝える

相手が削除を求めるのに応じない理由がある場合、たとえば紛争になりそうな内容が含まれていた場合は、消す前に責任者と弁護士に相談してください。相手から連絡がなくても、知らない相手からの不審なものは、社内の担当の指示に従って処理します。

他社の図面や見積書が届いたら?

製造業の例で考えます。たとえば、同じ部品を扱う別のメーカー宛ての見積書や図面が、誤って自社に届く場合です。価格や仕様が分かるので、見たくなるかもしれません。

開かず、使わず、社内に回さないでください。不正競争防止法⁠は営業秘密の不正な取得、使用、開示を定めています。誤って届いた情報がどう評価されるかは事情によるので、私たちは断定しません。少なくとも、競合の情報を使えば取引上の信頼も失います。内容が重要そうなら、責任者と弁護士に相談してください。

個人情報が届いた場合も同じで、見ない、使わない、広げないを守ります。

会社としてどう備える?

受け取った社員の判断に任せず、報告の窓口と例文を先に配ります。迷惑メールの社内注意喚起の例文⁠と同じ窓口にすると、社員が迷いません。

繰り返し練習するなら、セキュリティ教育(eラーニング・メール訓練)⁠の比較で方法を比べられます。不審なメールが届く量そのものを減らすならメールセキュリティの製品比較、自社から送ってしまう側の備えならメール誤送信防止ツールの比較が近い分野です。

自社が送ってしまった側の対応はメール誤送信を防ぐ手順と誤送信を報告しやすくする社内の決まり⁠で扱っています。

よくある質問

間違いメールが届いたら返信したほうがいいですか?

取引先など知っている相手からなら、知らせると相手の被害の拡大を防げます。その場合も、メールへの返信でなく、名刺やこれまでの連絡先を使うと確実です。知らない相手からのものは、間違いを装って返信を狙う場合があるので返信せず、社内の担当に知らせてください。

間違いメールはすぐに削除してもいいですか?

会社のメールなら、担当に知らせる前に自分だけで消さないほうが安全です。相手から削除の依頼があり、社内の担当が了解したら削除し、削除したことを伝えます。バックアップなどに残る場合はそのことも正直に伝えてください。

間違いメールの添付を開いてしまったらどうすればいいですか?

隠さずに社内の担当へ知らせます。送信元には、開いたことと、中身を使ったり他へ渡したりしていないことを正確に伝えます。知らない相手からの添付だった場合は、そのパソコンをどう扱うかも担当の指示に従ってください。

他社の見積書や図面が間違って届きました。見てもいいですか?

開かず、使わず、社内で共有せず、責任者へ知らせてください。営業秘密に当たる情報は不正競争防止法の問題になることがあります。判断が難しいときは弁護士に相談してください。

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