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COLUMN 1095 / メールセキュリティ

メール誤送信のお詫びの書き方は?相手別の文例と報告すべき場面を解説

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • お詫びは、起きた事実、相手へのお願い、連絡先を短く早く伝える
  • 誤って届いた相手、情報の本人、社内で、書く内容を分ける
  • 個人データを含むなら、委員会への報告と本人への通知の要否を別に判断する
目次

メール誤送信のお詫びは、誰宛てのものを誤って送ったかという事実と、相手へのお願いを、できるだけ早く短く伝えるのが基本です。あわせて、個人データが含まれていたかどうかを確かめます。含まれていれば、個人情報保護委員会への報告が必要な場合があるからです。

今日やることは、この記事の文例を社内の決まった場所に置くことです。誤送信に気づいた人は焦っています。その場で文面を考えなくて済むようにします。担当者が上長に伝える先も、一緒に決めておきます。

送ってしまったら、何から始める?

文面を書く前に、10分⁠で次のことを確かめます。

  1. 送信済みのメールを開き、宛先、CC、BCC、件名、本文、添付を確認する
  2. 上長か情報管理の担当へ連絡する(1人で抱えない)
  3. 個人データ、取引先の秘密情報、社内の秘密情報が含まれるかを分ける
  4. 誤って届いた相手へ、電話またはメールで連絡する
  5. 本来の相手、情報の本人、関係先への連絡を判断する

メールが読まれる前に動けるかどうかで、その後の扱いが変わることがあります。先に内容を確かめるのは、相手に何を頼むかを決めるためで、長く調べるためではありません。

相手別のお詫びの文例

文例は、私たちが書いた一般的な形です。会社の決まりや契約に合わせて直してください。〇〇の部分は埋めて使います。

文例1:誤って届いた相手へ(取引先)

件名:【お詫び】先ほどお送りしたメールについて(誤送信)

株式会社〇〇 〇〇様

先ほど〇時〇分頃に、弊社〇〇からお送りした
「(元の件名)」⁠のメールは、別のお客様宛てのものでした。
誤ってお送りしましたことをお詫びいたします。

お手数ですが、次の2点をお願いできますでしょうか。

1. メールと添付ファイルを開かずに削除していただくこと
2. 開封の有無と削除の完了を、本メールへの返信または
   お電話でお知らせいただくこと

すでにご覧になっていた場合も、内容の利用や転送は
お控えいただきますようお願いいたします。

連絡先:〇〇部 〇〇(電話 〇〇)

開封の有無を聞くのは、その後の判断に使うためです。返事が来るまで、記録を残して追いかけます。

文例2:情報が他社へ届いてしまった相手へ

本来の相手の見積や図面、個人の情報が他社へ届いた場合は、持ち主に連絡します。

件名:【お詫び】⁠貴⁠社⁠資⁠料⁠の誤送信についてのご報告

株式会社〇〇 〇〇様

このたび、弊社の誤りにより、貴社宛ての資料を
他社へ送信してしまいました。深くお詫びいたします。

・発生日時:〇月〇日 〇時〇分頃
・送信した内容:(資料名と、含まれる情報の種類)
・送信先:社外の取引先1社(社名は確認の上でお伝えします)
・現在の状況:先方へ削除を依頼し、〇時に削除の連絡を受領

原因と今後の防止策は、確認でき次第あらためてご報告します。
ご不明な点は下記までお願いいたします。

連絡先:〇〇部 〇〇(電話 〇〇)

相手の社名を伝えてよいかは、誤送信先の情報でもあるので、社内で判断してから書きます。

文例3:BCCの入れ間違いで、アドレスが見えた場合

件名:【お詫び】メールアドレスの表示について

〇〇をご利用の皆様

〇月〇日〇時頃にお送りしたご案内メールで、受信された方の
メールアドレスが、他の受信者の方にも見える状態で
送信されていました。深くお詫びいたします。

見えていた情報は、メールアドレスのみです。
(〇名分。氏名やその他の情報は含まれていません)

お手数ですが、次のことをお願いいたします。

・該当のメールを削除していただくこと
・全員への返信をお控えいただくこと

連絡先:〇〇 (電話 〇〇)

見えていた範囲は、実際のメールで確かめてから書きます。お詫びのメールでまた宛先を間違えないよう、別の人が宛先を見てから送ります。

文例4:社内の上長と担当部署へ

件名:【報告】メール誤送信(〇月〇日 〇〇部)

・発生:〇月〇日 〇時〇分(気づいたのは〇時〇分)
・内容:(資料名、個人データの有無、人数)⁠
⁠・⁠送⁠信⁠先⁠:(社名、人数)
・対応済み:削除依頼(〇時)⁠、削除の連絡(有・無)
・未対応:本人への連絡、報告の要否の判断
・原因の見立て:(確認中でも可)

社内向けは、お詫びより事実を優先します。わかっていないことは「確認中」⁠と書き、責任の話はこの段階では分けておきます。

書かないほうがいいこと

「問題ありません」「影響はありません」⁠と⁠、確かめないまま書かないでください。担当者の個人の事情や、責任を誰かに寄せる説明も要りません。

委員会への報告が必要なのはどんな場面?

個人データの漏えい等のうち、法令が定める4つの場面です。個人情報保護法の施行規則第7条⁠で決まっています。個人データは、データベースなどを構成する個人情報を指します(個人情報保護法第16条)⁠。

場面 誤送信で考えられる例 人数
要配慮個人情報を含む 従業員の健康診断の結果 1人でも対象
財産的被害のおそれ クレジットカード番号、送金機能のあるサービスのIDとパスワード 1人でも対象
不正の目的によるおそれ 不正アクセスによる漏えいなど(誤送信とは別の場面が中心) 1人でも対象
本人が1,000人⁠を超える 会員名簿やメール配信リストの大量の誤送信 1,000人超

例は個人情報保護委員会事務局の資料(2022年5月)⁠を参考にしました。同じ資料は、住所、電話番号、メールアドレス、銀行口座情報といった個人データだけの漏えいは、財産的被害の場面に直ちには当たらないとしています。つまり、BCCの入れ間違いでメールアドレスだけが見えた場合は、人数が判断の中心になります。

「発生したおそれ」⁠も対象です。また、施行規則は、高度な暗号化などの保護措置を講じた個人データは対象から除いています。パスワードを付けたファイルが直ちに当たるとは限らないので、自己判断しないでください。

期限と、本人への通知

種類 期限 内容
速報 知った後すみやかに。概ね3〜5日以内 その時点で分かっていること
確報 知った日から30日以内(不正の目的のおそれは60日以内⁠) すべての報告事項

期限は施行規則第8条と、上の委員会事務局の資料によります。報告は委員会の案内するオンラインの窓口から行います。

本人への通知は、施行規則第10条⁠が定めています。報告の対象にあたる場合に、状況に応じて速やかに通知します。

データの処理を委託されている会社が誤送信した場合は、委託元への通知で報告の義務を免れる形もあります。根拠は個人情報保護法第26条第1項ただし書きと、施行規則第9条です。取引先の個人データを扱っている会社は、契約の連絡の決まりも合わせて確かめます。

読まれずに削除された場合は?

弁護士による解説(BUSINESS LAWYERS)⁠は⁠、委員会のガイドラインとQ&Aをもとに、メールの誤送信は漏えいの例だが、相手が閲覧せずに削除したことを確認できた場合は漏えいに当たらない、と説明しています。確認できなければ、漏えいまたはそのおそれとして扱うことになります。

だから文例1で開封の有無を聞いています。返事の記録は残してください。

個別の判断に迷うときは、委員会の「個人データの漏えい等報告専用ダイヤル」⁠か⁠、顧問の弁護士に聞いてください。ガイドラインは改正されることがあるので、最新の版も確かめます。

個人情報が入っていなければ、報告はいらない?

委員会への報告の対象にはなりません。ただ、会社として連絡が要らないとは限りません。

たとえば、金属加工の会社が、A社向けの図面と見積をB社へ送ってしまった場合で考えてみます。個人データは入っていなくても、図面はA社の秘密情報で、単価は自社の営業上の情報です。A社と秘密保持契約を結んでいれば、漏えい時の通知を契約で定めている場合があります。

このときの判断の順番は次のとおりです。

  1. B社に削除と開封の有無の確認を依頼する(文例1)
  2. A社との契約書の秘密保持と通知の条項を読む
  3. 上長と相談し、A社へ連絡する(文例2)

契約に定めがなくても、後で別の経路から知られるより、先に伝えたほうがよいこともあります。ここは社長か役員が判断します。

同じ誤りを減らすには?

文例が役に立つ場面は、できれば減らしたいところです。

起きやすい誤り 仕組みの例
宛先の入れ間違い、オートコンプリート 送信前の確認画面、社外宛ての一時保留
添付の取り違え 添付の確認、上長の承認
BCCとTOの入れ間違い 多数宛ては配信サービスに限定する決まり
機密の情報の持ち出し 送信内容の検査とブロック

製品は、メール誤送信防止ツールの比較で、確認の方法、上長承認、添付の扱いを比べられます。個人情報や図面などの持ち出しまで見張りたいなら、DLP(情報漏えい対策)⁠の比較が近い分野です。送受信全体の守りはメールセキュリティ製品の比較にまとまっています。

ツールを入れても、確認画面を流し読みするようになれば効果は薄れます。多数宛ての一斉送信の方法を1つ⁠に決めるだけで、なくなる誤りもあります。

メールの守りの全体はメールのセキュリティ対策⁠にまとめています。誤送信とは別に、届くメールでだまされる被害については、振込先の変更を確かめる経理の手順⁠を見てください。

よくある質問

メールを誤送信したお詫びはどう書けばいいですか?

誰宛てのものを誤って送ったかを書いてお詫びし、添付を含めた削除をお願いし、問い合わせ先を添えます。理由の説明は短くします。まず電話で伝えられる相手なら、電話をしてからメールを送ります。

メールの誤送信は個人情報保護委員会への報告が必要ですか?

個人データの漏えいで、要配慮個人情報を含む、財産的被害のおそれがある、本人の数が1,000人⁠を超えるといった場合が報告の対象です。該当すれば本人への通知も必要です。迷うときは委員会の窓口か弁護士に相談します。

BCCに入れるべきアドレスをTOやCCに入れて送ったときはどうすればいいですか?

受信者全員にお詫びし、再送や全員への返信をしないよう、また元のメールの削除をお願いします。件数と名簿の内容を確かめ、委員会への報告の対象かも判断します。

誤送信の報告の期限はいつまでですか?

報告の対象にあたるときは、知った後すみやかに速報を出します。委員会の資料では概ね3〜5日以内⁠が目安です。確報は知った日から30日以内で、不正の目的によるおそれがある場合は60日以内です。

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