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COLUMN 1151 / Webサイト・サーバー防御

AWS Shieldとは?StandardとAdvancedの違いと料金の判断

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • AWS ShieldはDDoS対策で、Standardは追加料金なしで自動的に有効になる
  • Advancedは月額3,000米ドルと1年契約に加え、データ転送の従量料金がかかる
  • 今日は公開中のAWSの入口を書き出し、1時間止まった場合の損失を見積もる
目次

AWS Shieldとは、Amazon Web Services(AWS)上のシステムをDDoS攻撃から守るサービスです。追加料金なしのStandardと、有料のAdvancedの2段階があります。

今日やることは、インターネットに公開しているAWSの入口を書き出すことです。CloudFront、ロードバランサー、Route 53、固定のIPアドレスを並べ、それぞれが止まったときに何の業務が止まるかを横に書きます。

業務が止まる行がなければ、Advancedの検討は要りません。行があるなら、1時間止まった場合の損失を金額で見積もります。

StandardとAdvancedはどこが違う?

StandardはAWSの料金ページ⁠にあるとおり、すべての利用者に追加料金なしで提供され、有効にする操作も要りません。Advancedは申し込みが要る有料サービスです。

項目 Standard Advanced
料金 追加料金なし 月額3,000米ドル+転送の従量料金
契約 なし 1年間、毎年自動更新
主な保護の範囲 よくあるネットワーク層と通信層の攻撃 上に加え、大規模で高度な攻撃の検出と緩和
アプリケーション層 AWS WAFと組み合わせる(WAFは別料金) AWS WAFの基本料金が一定の範囲まで含まれる
攻撃中の支援 専門チームの支援はない 対応チームSRTへ24時間365日連絡できる
料金の急上昇への備え なし DDoSコスト保護を申請できる

保護の範囲はAWSのよくある質問⁠によります。Standardは、UDPフラッドやTCP SYNフラッドのような、頻繁に起きるインフラ層の攻撃を自動で防ぐものです。Webへのリクエストを大量に送るアプリケーション層の攻撃には、AWS WAFを組み合わせます。

SRTへの連絡には、AWSのビジネスまたはエンタープライズのサポート契約も要ります。Advancedを申し込むだけでは足りないので、予算を組むときに一緒に確かめてください。

Advancedの料金は何で決まる?

固定費と従量料金の2つです。固定費は組織あたり月額3,000米ドルで、12か月⁠で3万6,000米ドルになります。円での負担は為替で動くので、社内の稟議では算出した日のレートを添えます。

従量料金は、保護するリソースのデータ転送量に応じてかかります。AWSの料金例では、ロードバランサーから月1,000GB転送すると50米ドルが加わり、合計は3,050米ドルです。同じ転送量をCloudFront経由にした例では25米ドルが加わります。これらはAWS本体の通常料金とは別にかかります。

契約の前に確かめる条件

  • 1年間の契約が前提で、DDoSコスト保護などの特典はその履行が条件
  • 自動更新を止める連絡は、更新日の30日前から5日前までの期間に行う
  • 料金は支払者アカウントごとにかかる。同じ組織の配下なら1つ⁠の料金で複数のアカウントをまとめられる

AWSの判断の資料⁠によれば、Advancedで保護したリソースでは、AWS WAFの基本料金も一定の範囲まで契約に含まれます。対象はWeb ACL、ルール、1,500 WCUまでのリクエスト検査です。Bot ControlやCAPTCHAなどは含まれません。

アプリケーション層のDDoS防御については、月500億リクエストまでが追加料金なしです。この規模に届く中小企業は多くないはずで、WAFの料金が含まれることだけを理由に申し込む必要はありません。WAFを単体で使う場合の費用は、AWS WAFの料金例⁠で月30米ドルの計算が示されています。条件を変えると金額も変わるので、自社のリクエスト数で試算します。

Standardで足りるのはどんな場合?

判断の軸は、会社の規模ではなく、そのシステムが止まったときの損失です。次の表は、AWSの資料をもとにした私たちの整理です。

自社の状況 判断
会社案内や採用のサイトで、数時間止まっても受注に直接響かない Standardで足りる
問い合わせフォームが止まると困るが、電話やメールに逃がせる Standard+WAF+止まったときの案内を用意
受発注や予約が止まると売上や取引に直接響く 損失を見積もり、Advancedも検討する
攻撃時に自社だけで対応できず、深夜も止められない Advancedの支援体制が候補になる

AWSの資料は、次のいずれかが要るアプリケーションでAdvancedを検討するよう示しています。

  • 利用者にとっての可用性を確保したい
  • 攻撃を受けたときに、緩和の専門家へすぐ連絡したい
  • 攻撃をAWSに把握してもらい、通知と社内への引き継ぎを受けたい
  • 攻撃時も含めて、クラウドの費用を予測できるようにしたい

たとえば、部品メーカーが取引先向けの受発注サイトをAWSで動かしている場合で考えます。サイトが止まると電話とFAXで受けられる会社なら、代替の手順を整えるほうが先です。深夜も海外の拠点から注文が入り、手作業に切り替えられない会社なら、止まる時間の損失が年3万6,000米ドルを超えるかを計算する価値があります。

実際の攻撃では、止まる損失だけでなく、通信量が増えた分の料金も問題になります。Advancedのコスト保護は、保護対象の使用量が攻撃で急増した場合に、サポートを通じて料金の調整を申請できる仕組みです。自動で全額が戻ると読まず、申請が要るものとして考えてください。

Advancedを申し込む前にやることは?

攻撃に耐えやすい構成と、止まった場合の準備は、Advancedの有無に関係なく必要です。DoSとDDoSで防ぎ方がどう変わるか⁠を踏まえて、次の順に見直します。

  1. 入口をCloudFrontなどの配信サービスへ寄せる。AWSはCloudFrontとRoute 53の利用をDDoS耐性のベストプラクティスとして挙げている
  2. Webの入口にAWS WAFの設定⁠を入れ、誤検知を確かめてから遮断する
  3. 請求アラートと、通信量の異常を知らせる通知を担当者へ送る
  4. サイトが止まったときの案内先と、取引先への連絡手順を決める

ここまで済ませても損失の大きさが残るなら、Advancedの検討に進みます。AWS以外の選択肢と比べたいときは、DDoS対策サービスの比較で仕様を並べて見てください。

Webアプリケーションへの攻撃は別の対策です。WAFの製品比較で、AWS WAF以外の製品も含めて確かめられます。クラウドの設定ミスまで一緒に見たい場合は、クラウドの設定と脅威を見るCNAPPの比較が入口になります。

AWSを使っていない会社は関係ない?

AWS Shieldが守るのは、AWSのリソースです。料金ページも、Advancedは契約者が所有して管理するAWSリソースの保護に限ると書いています。レンタルサーバーにある会社のサイトへ、AWS Shieldを直接かけることはできません。

例外に見えるのがCloudFrontです。よくある質問によれば、AWS Shieldは、AWS外のサーバーを配信元にしたCloudFrontに対応しています。ただし、配信元のIPアドレスが知られていると、CloudFrontを通らずに直接狙われます。当時の内閣サイバーセキュリティセンターの注意喚起も、配信サービスを使うならIPアドレスを隠す必要があると述べています。

AWS以外の環境なら、回線事業者やサーバー会社のDDoS対策、ほかの配信サービスを確かめます。全体の見取り図は、Webサイトとサーバーのセキュリティ⁠にまとめています。

料金と仕様は2026年11月⁠に確認したものです。AWSの案内は変わることがあるので、契約の前に料金ページを見直してください。

よくある質問

AWS Shield Standardは設定しないと使えませんか?

設定は要りません。AWSの案内では、AWSのすべての利用者に追加料金なしで自動的に適用されます。

AWS Shield Advancedの料金はいくらですか?

AWSの案内では組織あたり月額3,000米ドルで、1年間の契約が必要です。これに保護するリソースのデータ転送量に応じた料金が加わります。

中小企業にAWS Shield Advancedは必要ですか?

会社の規模では決まりません。止まった場合の損失が年間3万6,000米ドル以上の負担に見合うか、攻撃時に専門チームの支援や料金上昇への備えが要るかで判断します。

AWSを使っていなくてもAWS Shieldで会社のサイトを守れますか?

AWS Shieldが守る対象はAWSのリソースです。ただしAWSは、AWS外のサーバーを配信元にしたCloudFrontとの組み合わせに対応しています。

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