EDRの価格は、国内の公開例で1人または1ライセンスあたり年5,000円台から1万円台で、夜間の監視まで頼むと個別見積もりになることが多いです。
今日やることは、台数を「パソコン」「サーバー」「監視の対象外」の3つに分けて数えることです。単価はこの区分で変わります。この数字がないと、見積もりを取っても比べられません。
EDRの費用は何でできている?
4つに分けると比べられます。
| 費用 |
内容 |
発生のしかた |
| ライセンス |
EDR製品の利用料 |
台数やユーザー数×年額 |
| 監視の外注 |
24時間の監視、隔離の代行 |
台数×月額が多い |
| 初期の作業 |
設定、配布、調整 |
最初の1回 |
| 事故のときの対応 |
詳細調査、報告書、駆付け |
含むか別料金かを確認 |
同じ「1台いくら」でも、4つのうちどこまで入っているかで意味が違います。 製品の単価と、監視込みの単価を同じ表に並べると、判断を誤ります。
たとえば、ラックのEDR監視・運用は、サービスにEDR製品のライセンスが含まれず、価格は個別見積もりで、最低利用期間は12か月です。一方、ESET PROTECT MDRは端末の保護とXDRと監視をまとめた商品です。この2つは、見積もりの数字をそのまま比べられません。
製品とサービスの関係から確かめたい方は、EDRとMDRの違いを先に読むと、以降の表が読みやすくなります。
ライセンスの公開価格はどのくらい?
公式ページで確かめた例を並べます(2026年11月時点の掲載)。プランの機能は同じではなく、高い安いを比べる表ではありません。単位の違いを見てください。
Defender for Businessは年払いの月額相当を12倍すると年5,388円です。ESETは、EDRの役割をXDR(侵入検知)の名前で案内しています。読むときの注意が3つあります。
1つ目は、単位です。Defender for Businessはユーザー単位、ESETはライセンス単位、CrowdStrikeはデバイス単位です。1人が複数の端末を使う会社では、単価の比較が変わります。ESETの数え方には公式の説明があり、2024年8月に変更されています。
2つ目は、台数の段階です。ESETは台数が増えると単価が下がります。26〜49と100〜249で、Eliteの単価に3,690円の差があります。台数が段階の境目近くなら、両方で計算します。
3つ目は、EDRの範囲です。CrowdStrikeの価格表には、月額でGoが7.99ドル、Proが14.99ドル、Enterpriseが19.99ドルと並びます。バンドルごとに中身は違います。Goは購入の上限が100台です。どのバンドルにEDRが入るかは、価格表の比較欄で確かめてください。
サーバーは別の価格になる製品があります。ESET Server Securityの場合、パッケージ製品とダウンロード製品は1台1年の新規が23,000円で、12月1日から25,300円(税抜き)です。これはパソコン向けのプランとは別の商品なので、自社の構成でどの数え方になるかを販売店に確かめます。
個別の製品はEDR製品の比較で価格の公開の有無を確かめられます。ウイルス対策を含めた比較はセキュリティソフトの比較が入口です。
監視を含めるといくらになる?
監視は公開価格が少なく、個別見積もりが中心です。公開されているものでは次の2つが参考になります。
ESET PROTECT MDR Liteは、1ライセンスの税抜き年額が26〜49で14,300円、100〜249で10,920円です。価格改定の案内では、Liteは12月の改定の対象外です。Ultimateは個別見積もりです。
IPAのお助け隊の価格一覧(2026年10月30日更新)には、端末監視のサービスが並びます。月額は価格が載っているもので1台500円から2,000円(税抜き)、初期費用は0円から50万円です。基準の説明資料でも、1類の上限は端末1台あたり月額2,000円、初期費用は端末数によらず50万円(いずれも税抜き)と定められています。
この月額には監視、相談窓口、駆付け支援、簡易サイバー保険を組み合わせる決まりがあります。製品の単価より高くても、含む範囲が違います。
大きい規模向けでは価格を公開しないことが多いです。たとえばNRIセキュアのマネージドEDRサービスは端末100台からで、価格は応相談です。CrowdStrikeのFalcon Completeも問い合わせです。候補はMDR・SOC監視サービスの比較で確かめられます。
30台の会社で総額を計算すると?
パソコン30台の場合の試算です。公式の掲載価格をそのまま掛けたもので、実際の見積もりとは異なります。販売店の値引き、作業費、消費税は入れていません。
| 組み合わせ |
計算 |
年額(税抜き) |
| Defender for Businessのみ |
449円×12か月×30人 |
161,640円 |
| ESET PROTECT Eliteのみ(12月以降) |
14,400円×30 |
432,000円 |
| ESET PROTECT MDR Lite |
14,300円×30 |
429,000円 |
| お助け隊の端末監視(月額部分) |
500〜2,000円×12か月×30台 |
18万〜72万円 |
上の2行は、夜間に見る人を社内で用意する前提の金額です。社内の担当者の時間は表に入っていません。下の2行は、監視の費用を含みます。範囲の違いを踏まえて、金額を読んでください。
機能や条件はそれぞれ違います。お助け隊はサービスごとの初期費用を足し、最低契約期間の条件も見ます。基準では最低契約期間は2年以内です。Defender for Businessを使う場合も、既存のMicrosoft 365の契約に含まれていないかを先に確かめます。
総額の式は、次の形で書けます。
年額 =(パソコンの台数×単価)+(サーバーの台数×単価)+(監視の単価×台数)+ 初期費用を契約年数で割った額 + 事故対応の別料金
見積もりをそろえるときに聞くことは?
工場のある会社は、対象の数え方で差が出ます。たとえば、検査装置につないだパソコンが10台ある場合、対応OSに入らなければ監視の台数から外れます。その分の守り方は別途考えることになり、ネットワークを分ける費用やUTMの監視料が加わることがあります。
費用をそろえるために、次の項目を各社に書いてもらいます。
- 単価の単位(ユーザー、デバイス、ライセンス)
- 製品のライセンスは含むか、別か
- 監視の時間帯と、電話の通知の有無
- 隔離の代行、原因調査、報告書は含むか、回数の制限はあるか
- 最低台数、最低契約期間、途中で台数を増減できるか
- 価格改定の予定(ESETは2026年12月1日に改定)
監視費用を経営者に説明するときは、被害額の話を大きくせず、公的な数字を1つ添える程度で足ります。令和8年上半期の警察庁の報告では、ランサムウェアの被害組織へのアンケートで、復旧に総額1,000万円以上を要した組織の割合は全体の6割でした。自社の場合に何日止まるといくらかを、工場の1日の売上から出しておくと話が具体的になります。
費用を抑える手段としては、IPAのページに、お助け隊サービスはデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の導入支援の対象と書かれています。公募の時期と条件は、補助金の窓口で確かめてください。
今のソフトの上位プランとの差額で考えるならEDRの追加と乗り換えの比較、SOCサービスの見積もりと比べるならMDRとSOCの違いが参考になります。全体の位置づけは端末のセキュリティの解説で確認できます。