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COLUMN 1257 / 情報漏えい・内部不正

IDaaSの比較の見方は?連携するサービスと費用で確かめる項目を解説

公開 2026.11.06文・ナギサコーポレーション

この記事の答え

  • SSOの連携とIDの自動連携は別なので、一覧の注記まで読む
  • 単価でなく、自社の人数での月額と最低契約で比べる
  • スマホを持たない現場があるなら、認証方式を先に確かめる
目次

IDaaSの比較は、使っているサービスと連携できるか、自社の人数での費用と最低契約、多要素認証の方式の3つ⁠で見ます。製品名の知名度や単価の安さから入ると、契約できない、つながらない、現場で使えない、のどれかで止まります。

今日やることは、社内で使っているクラウドサービスの一覧を作り、IDを持つ人数を数えることです。人事労務、会計、グループウェア、ファイル共有を書き、各サービスのプランにSSOが含まれるかを横に書きます。IDaaSの一覧と突き合わせるのは、そのあとです。

連携するサービスは、何を確かめる?

公式の一覧で確かめます。国内の業務サービスで、私たちが3社⁠の公式の一覧を確かめた結果は次のとおりです。

サービス IIJ IDサービス CloudGate UNO GMOトラスト・ログイン
サイボウズ系 あり(kintone含む) あり(cybozu.com) あり(kintone)
SmartHR あり あり あり
奉行クラウド あり あり あり
freee 確認できず 確認できず あり

出典はIIJ IDサービスの動作確認済み連携サービス、CloudGate UNOのSSO連携サービス一覧、GMOトラスト・ログインの対応アプリです。「確認できず」⁠は⁠、この一覧で見つからなかったという意味で、連携できないという意味ではありません。CloudGate UNOは、一覧になくSAML 2.0⁠に対応しているサービスの連携検証の申し込みを受け付けています。

連携の数は、数え方が揃っていません。HENNGE One Identity Edition⁠は400以上のSaaSとの連携を案内しています。数の多さより、自社のサービスが載っているかを見ます。

見落としやすいのは、SSOの連携とIDの自動連携の違いです。IIJは、一覧について「認証連携を動作確認したアプリケーションの一覧であり、ID連携を確認した一覧ではございません⁠」⁠と注記しています。ログインがまとまっても、入社や退職のときのIDの作成と削除は、連携先によっては手作業のまま残ります。

退職者のIDを早く止めたい会社は、主要なサービスについて、次の2点⁠を別々に問い合わせます。

  • SSOでログインできるか。その連携先のプランに追加費用はないか
  • IDの作成と削除を自動で配れるか

費用は、どう計算する?

単価でなく、自社の人数での月額と最低契約で比べます。公式の価格をもとに、50人⁠で計算した結果が次の表です。月額は私たちが計算しました。

サービスとプラン 1人の月額 最低条件 50人の月額
IIJ IDサービス SSO連携+多要素認証 240円 1ユーザーから。期間なし 12,000円
SeciossLink Standard 150円 クレジット決済は1、銀行振込は50ライセンス 7,500円
SeciossLink Enterprise 500円 同上 25,000円
GMOトラスト・ログイン SSOプロ 300円 30名以上⁠、12か月 15,000円
CloudGate UNO Standard Plus 400円 別途初期費用 20,000円
Okta Starter 940円 年間一括、年間契約の最低額240,000円 47,000円
Microsoft Entra ID P1 1,049円相当 年払い 52,450円
HENNGE One IdP 400円 200IDから 50人では契約不可

税抜の表記は、IIJ、SeciossLink、GMO、CloudGate UNO、Microsoftです。OktaとHENNGE Oneは、取得した価格のページで税の区分を確かめられなかったので、見積もりで確かめます。

表の金額をそのまま安い順に読まないでください。プランごとに中身が違います。

SeciossLinkのStandardは、連携サービスの数に制限があります。公式の表では、Namedサービスが1つか、汎用サービスが3つです。Enterpriseは無制限です。

Oktaの最低額は、計算すると効いてきます。Starterの年額は1人11,280円なので、21人以下⁠の会社は年間最低額の240,000円⁠が下限になります。上位のEssentialsは1人月2,670円で、Lifecycle ManagementやAdaptive MFAなどが含まれます。

端末の制限は別料金のことがあります。CloudGate UNOのデバイス証明書はStandard PlusとEnterprise Plusで1端末月100円⁠、GMOトラスト・ログインのデバイス制限は1ID月150円⁠、SeciossLinkのクライアント証明書は1デバイス月50円です。私物のスマートフォンや自宅のPCからの利用を止めたいなら、この分を足して計算します。

Microsoft 365を使っている会社は、新しく買う前に今の契約を確かめます。Microsoftの案内⁠によると、Microsoft 365 E3にはEntra ID P1が含まれます。Microsoft 365の中だけで足りるなら、セキュリティの既定値群⁠で全利用者の多要素認証の登録を求める方法もあります。ほかのサービスとの連携が増えた時点で、製品の比較に進みます。

多要素認証の方式は、何で分ける?

IDaaSを入れる目的の1つ⁠が多要素認証なら、自社の社員が日常で使える方式かを見ます。各社の公式ページで確かめた方式は次のとおりです。

サービス 公式に案内している方式の例
IIJ IDサービス FIDO2、デバイス証明書、ワンタイムパスワード
CloudGate UNO パスキー、ワンタイムパスワード、認証アプリ、スマートフォンの生体認証
GMOトラスト・ログイン パスキー(FIDO2)⁠、プッシュ通知、ワンタイムパスワード
SeciossLink ワンタイムパスワード、プッシュ通知、FIDO認証(パスキー)
HENNGE One IPアドレス、入場証、ワンタイムパスワード、証明書

確かめたいのは、3つ⁠の場面です。

  1. スマートフォンを持たない社員がいるときに、物理キーや証明書で代わりがきくか
  2. 機種変更や紛失のときに、誰がどの手順で再登録するか
  3. 管理者のログインだけ、より強い方式に分けられるか

方式の詳しい比較は多要素認証の製品比較で見られます。管理者の権限まで厳しく管理するなら、IDaaSとは別の領域なので特権ID管理の比較を確かめます。

製造業では、どこでつまずく?

たとえば、事務所の社員はMicrosoft 365、工場の社員は共用の端末で生産管理システムだけを使う会社の場合です。この場合、IDの人数に工場の社員を入れるかどうかで、費用が大きく変わります。共用の端末に個人のスマートフォンを前提にした認証を持ち込めるかも、確かめます。

社内にある生産管理や図面管理のシステムが、SAMLに対応していないこともあります。GMOトラスト・ログインはフォームベース認証とBasic認証も使えると案内しており、SeciossLinkはRADIUS連携をプレビュー版として載せています。社内システムまでまとめたいなら、対応の方式を一覧で確かめ、検証の期間を契約前に取ります。

全員を一度に入れる必要はありません。事務所から始めて、工場へ広げる順番でも、最低契約の条件に合えば進められます。

IDaaSが止まったときは、どうする?

入口を1つ⁠にまとめると、入口の障害で連携先のすべてに入りにくくなります。Microsoftの緊急アクセスの説明は、誤ってロックアウトされないよう、2つ以上の緊急アクセスアカウントの作成を求めています。フェデレーションのIDプロバイダーに依存しないアカウントを使い、少なくとも90日ごとに機能を確かめるとしています。

ほかの製品でも考え方は同じです。契約前に、管理者が緊急時に入る方法を確かめ、受注や出荷に直結するサービスから手順を書いておきます。

情報が漏れる原因全体での位置づけは個人情報漏えいの原因の統計⁠にまとめています。情報漏えい対策のカテゴリ⁠もあわせて見ると、IDの管理と他の対策の順番を考えやすくなります。製品ごとの機能と価格はIDaaSの製品比較で確かめられます。

よくある質問

IDaaSを比較するときに見る項目は何ですか?

使っているサービスとの連携、人数を入れた費用と最低契約、多要素認証の方式の3つです。連携はSSOとIDの自動連携を分けて確かめます。費用は単価だけでなく、最低のID数や年間の最低額まで見ます。

50人⁠の会社でIDaaSの費用はいくらくらいですか?

公式の単価で計算すると、IIJ IDサービスのSSO連携と多要素認証で月12,000円(税抜)⁠、GMOトラスト・ログインのSSOプロで月15,000円(税抜)⁠、CloudGate UNOのStandard Plusで月20,000円(税抜、別途初期費用)⁠で⁠す⁠。機能が違うので、単価だけでは比べられません。

少人数でも契約できるIDaaSはありますか?

IIJ IDサービスは最低利用ユーザー数が1ユーザーからで、最低利用期間もありません。SeciossLinkはクレジット決済なら1ライセンスから購入できます。GMOトラスト・ログインは30名以上⁠、HENNGE OneのIdentity Editionは200IDからです。

Microsoft 365を使っていれば別のIDaaSは要りませんか?

Microsoftの案内では、Microsoft 365 E3にMicrosoft Entra ID P1が含まれ、シングルサインオン、多要素認証、条件付きアクセスが提供されます。自社のプランに含まれる範囲を先に確かめ、足りない機能があれば他社の製品と比べます。

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