要約
私たちが自社で運営している暦のメディア(1,077ページ)で、検索結果に1回以上表示されたページの割合を、29.8%から最大59.6%まで上がり、その後46.4%に下がるまでを追った記録です。やったことの中心は、検索されている言葉がページに書かれているかを機械で照合し、抜けていた言葉を書き足すことでした。
ただし9月に入って、この割合は46.4%に下がりました。平均順位は24.1位から19.3位に上がっています。上がった数字だけでなく、下がった数字と、途中で失敗したことも含めて書きます。
状況:1,000ページあっても、検索に出ていなかった
対象は、暦(吉日や暦注)と神社・宝くじ売り場などを扱うメディアです。サイトは oshiounki.jp で、ページはデータから自動で組み立てています。
作業を始めた8月21日の時点で、直近28日に検索結果へ1回でも表示されたページは1,028ページ中306ページでした。表示ページ率は29.8%です。7割のページは、検索結果に1回も出ていませんでした。
中身を調べると、共通の原因が見つかりました。検索されている言葉が、ページに書かれていなかったのです。
たとえば「新屋山神社 読み方」という検索で、このサイトの神社のページは57位に出ていました。57位には出ているのに、ページには読み方の記載がありませんでした。検索した人が知りたいことに、ページが答えていなかったことになります。
もう一つの問題は、サイト内のリンクが少ないページでした。ほかのページからのリンクが6本以下のページが20枚ありました。
やったこと
8月21日から、次の4つを行いました。
1. 検索語がページに書かれているかを機械で照合した
Search Consoleから(検索語, ページ)の組を取り出し、その語がページの本文にあるかを1組ずつ照合しました。書かれていない語が多く見つかりました。
ここで日本語ならではの失敗を2回しています。
1回目は、検索語を丸ごと本文から探しました。すると「母倉日読み方」のように語がつながった検索語を取りこぼしました。本文に「母倉日」も「読み方」もあるのに、つながった形では見つからないためです。
2回目は、検索語を2字ずつに割って探しました。今度は語のつなぎ目にできる2字(「日読」など)が本文にないため、抜けではないものが94件も抜けと判定されました。
最後は「本文にある最長のかたまりを左から取り、残った2字以上だけを抜けとする」方法に落ち着きました。
2. 見出しを、実際に検索されている言葉に合わせた
照合で見つかった抜けのうち、読み手が本当に知りたいもの(読み方・意味・避けること等)は、見出しと本文で答えるようにしました。見出しは社内の呼び方ではなく、検索されている言葉にしました。
3. 持っているデータの出し方を変えた
データとしては持っているのに、リンク先に送っていたり、表の1セルに押し込めていたりした情報を、ページの上で直接答える形に変えました。1つの直しが数十〜数百ページに効いた部分で、持っているデータの出し方を変えた事例に分けて書いています。
4. サイト内リンクの少ないページを減らした
ほかのページからのリンクが6本以下のページを、20枚から7枚に減らしました。関連する暦・神社・売り場のページどうしをつなぎ直しています。考え方は内部リンクとアンカーテキストの付け方にあります。
結果
直近28日の数字を、測った日ごとに並べます。
数字の読み方
どの数字も「測った日から見て直近28日」の集計です。8月25日の数字には、作業を始める前の期間が多く含まれています。やったことだけで上がったとは言えません。季節の検索の増減も重なっています。
| 測った日 |
表示されたページ |
表示ページ率 |
平均順位 |
| 2026-08-21 |
306 / 1,028 |
29.8% |
24.1 |
| 2026-08-25 |
545 / 1,075 |
50.7% |
21.2 |
| 2026-09-05 |
642 / 1,077 |
59.6%(最大) |
23.7 |
| 2026-09-27 |
500 / 1,077 |
46.4% |
19.3 |
| 測った日 |
表示回数 |
クリック |
表示された検索語 |
| 2026-08-21 |
1,706 |
38 |
204 |
| 2026-08-25 |
3,714 |
74 |
461 |
| 2026-09-05 |
8,331 |
144 |
1,024 |
| 2026-09-27 |
5,585 |
95 |
591 |
出どころ:Google Search Console(各日の直近28日)。表示ページ率は、表示されたページ数を公開ページ数で割ったもの。
8月22日〜9月18日の28日間で区切ると、534 / 1,077 = 49.6% です。9月27日の時点で表示回数が最も多いのは「年末ジャンボ 2026」に関する語で、平均8〜9位でした。
うまくいかなかったこと
9月に入って、表示ページ率が下がった
最大の59.6%(9月5日)から、9月27日には46.4%まで下がりました。表示回数もクリックも減っています。
理由は2つあると見ています。1つは季節の検索の波です。このサイトはジャンボ宝くじのような時期のある検索に頼る部分が大きく、その波で表示が増えたり減ったりします。もう1つは、立ち上げ直後にだけ試しに検索結果へ出してもらえる「お試し期間」のようなものが終わった影響です。
推測です
下がった理由の2つは、どちらも私たちの推測です。Googleがそう説明しているわけではなく、私たちの数字からも断定はできません。
一方で、平均順位は24.1位から19.3位に上がりました。出るページの数は減ったものの、出ているページはより上に出ています。表示ページ率だけを見て「悪くなった」と決めつけず、順位と合わせて見ています。
作っただけでは出なかった
1,024ページを作った時点で、公開2週間の検索からの流入は0でした。ページ数を増やすことと、検索に出ることは別のことでした。
外部ツールの数字と実測が合わなかった
外部の順位ツールで流入ページを推定すると、13ページ・流入0と出ていました。Search Consoleの実測とは大きくずれていました。それ以来、順位と流入の判断はSearch Consoleだけでしています。
同じページが4通りのURLで返ってきた
私たちのサイトの集計でつまずいた点です。Search Consoleは、同じページを http / https / www あり・なしの4通りのURLで返すことがあります。そのまま数えると表示ページ率が100%を超え、トップページは400%と出ました。4通り返ってくること自体が、httpsへの転送の設定漏れの信号で、私たちのサイトのうち3サイトで見つかりました。
御社のサイトに当てはめると
製造業のオウンドメディアでも、同じことが起きます。設計者は「〇〇 ヒケ 原因」「〇〇 材質 置き換え」のように検索しますが、ページには社内の呼び方しか書かれていない、ということがよくあります。Googleは、検索語とページの言葉が完全に一致しなくても、表現されている概念を関連付けて理解するシステムを使っていると説明しています(Google 検索ランキング システムのご紹介)。だから、語が一致しているかどうか自体より、その問いに必要な答えが不足していないかを見直します。
調べ方は、この事例と同じです。
- Search Consoleで、どの語でどのページが表示されているかを出す
- その語がページの本文に書かれているかを見る
- 書かれていない語のうち、読み手に必要な答えが不足しているものを見出しと本文で補う
ページ数が数十ページなら、手作業でも1日で見られます。材質の通称(「SUS」と「ステンレス」など)や不良の呼び方のずれは、特に見つかりやすいところです。
もう一つは、数字の見方です。表示ページ率は上がり続けるものではなく、季節や検索の波で下がることもあります。1回の数字で判断せず、同じ条件で何回か測って傾向を見ます。作ったページが検索に出ない理由の調べ方は作ったページが検索に出ない理由に、Search Consoleの見方はSearch Consoleで最初に見る4つの数字にまとめています。計測全体の考え方は計測と改善のカテゴリにあります。